SS.その2 お風呂に入ろう
「ふふふふーん」
お姉ちゃんが鼻歌を歌いながらレインとルーナの頭を洗っている。
私達家族は皆でお風呂に入る。
私がこの家に来て早くも一年がたった。レインとルーナはすくすくと成長していて、レインなんて随分と男らしくなったものだった。しかし、女の子の様な可愛らしい顔付きは変わっておらず、個人的にはとても悦ばしい。
ルーナも日に日に女の子っぽくなっており、体付きも女性らしくなってきている。しかし、まだまだ子供なので私やお姉ちゃんの胸を時よりじっと見つめてはガックリと肩を落としている。
心配しなくてもこれから大きくなるのだからそんなに落ち込む事は無いのに。
そして、そんな私の可愛い甥と姪と一緒にお風呂に入れる時間は私の至福の一時だ。
お姉ちゃんのお風呂好きの影響なのか二人もお風呂が大好きだ。小さい頃から家族一緒に入っていた影響なのか私も一緒に入ると言ったの時に嫌な顔をしたのはお姉ちゃんだけだった。
よって一年前からお風呂に一緒に入っているのだが私は一度も二人のことを洗ってあげた事は無い。
何時もお姉ちゃんに取られるのだ。昔からお姉ちゃんが二人を洗う役割だったのかお姉ちゃんがお風呂に入る度に二人の体を洗い出すのだ。
私だって可愛い可愛い甥と姪の体を撫で回し……ゲフンゲフン。
洗ってあげたいのに。
そして今日もお姉ちゃんがレインとルーナの頭を洗っている。
それも私の方をニヤニヤと見ながら。
くぅぅー。
羨ましい!!
でも洗われている二人の顔はとても気持ちよさそうで、その顔を見れるだけで私は幸せなのだ。
今の私にとっての幸せは二人の笑顔を見る事だ。
それを叶えてあげられるお姉ちゃんは、やっぱりずるいけどそれも母親の役割だと言うのだろうか。
不思議とお姉ちゃんを疎ましく感じることは無い。
まぁ、今まで一度もお姉ちゃんを疎ましく感じた事など無いのだけど。
だって、お姉ちゃんの事が大好きだからね。
「じゃあ、レイン。ルーナ。頭流すわね〜」
「ん〜」
「はーい」
おや、どうやら二人の頭を洗い終わった様だ。
石鹸が目に入らない様にギュッと目を瞑る二人が可愛い。
こういう時なんて言うんだって。確かに『眼福』だっけな?
二人はさっぱりしたのか気持ちよさそうに頬を緩めている。
やはりレインとルーナは可愛い。
ん?何やらレインがこっちをじっと見ている。
ははぁん?レインもやはり"男の子"なのだろう。きっと私の豊満な胸にドキドキして――
「そうだ!クリス姉の事、洗ってあげる!」
「あれ?」
にっこりと笑いながらそんな事を言うレイン。
私はてっきり私に欲情しているのかと。
ふむ。確かによく見るとレインの"アソコ"も何も反応を示していない。
ちょっぴり残念である。
私は、嫌。
"私達"は万年レインに欲情していると言うのに。
「確かに、それはいい案ですぅ〜」
ルーナもそんなことを言っている。
どうやら私が二人の体を洗うのではなく二人が私の体を洗ってくれる様だ。
成程。悪くない。寧ろご褒美だ。
お姉ちゃんが何も言ってこない当たり許可してくれているのだろう。
よく見るとお姉ちゃんの顔が少し強ばっているのは何故だろうか。
まぁ、気にすることも無いだろう。私は今からの訪れる天国に身を委ねるだけだ。
「あら、洗ってくれるの?二人共。ありがとう」
内心では悦びに打ちひしがれているがそれを表に見せない事こそ大人の女性。"お姉さん"というのものだ。
「よし、じゃあルーナは体ね」
「じゃあ、お兄様は頭ですね」
そう言ってレインとルーナは手に石鹸を取ると私の肌に手を当て―
ピトリ
「んんんっっ♡」
な、なにこれ。二人が手を置いた瞬間体に電撃が。
いや、電撃じゃなくて快感!?な、何で!?
「んんっ♡ちょっと、ふたり、あっ♡ ともまって、んっ♡」
「クリス姉の髪の毛つやつやー」
「お肌もすべすべで気持ちいいですぅ〜」
こっちの以上に気づいていないのか二人は楽しそうに私の体を洗っている。
お姉ちゃんに助けを求め、視線を送ると。
お姉ちゃんは冷や汗を流しながら此方を見ると念話で話しかけてきた。
『実はレインとルーナは無意識に手に魔力を集中させているみたいなのよ。そして、その魔力によって私達の体に出来た小さなコリを一つ一つ揉みほぐしているみたい。普段気付くことない程の小さな体のズレみたいなものだから、それを一つ一つ丁寧に解させると感じたことの無い快感として処理されるみたい 』
『な、何それ!?地味にすごい!?』
『私も昔、二人に体を洗ってもらったのだけど足腰立てなくなるほど感じちゃって。それ以来、二人に体を洗ってもらうのは止めているわ』
『だったら、止めてくれたらよかったのに!』
『嫌、だってクリスタが善がる所なんて見たこと無かったからつい、興味で』
「だからって、あんっ♡一言ぐらい、んっ♡声をかけてくれても、はぁんっ♡、よかったでしょぉ!」
それから私はお姉ちゃんの様に足腰立てなくなるほど二人に感じさせられてしまった。
もう、二人に体を洗われるのは懲り懲りです…。
「今度、二人のことを洗わせてあげるわよ」
お姉ちゃんの優しさを改めて感じたのだった。




