トリプルKY
私は一人
目の前に寝っころがっている物体を
かれこれ2時間ほど前から見ている
[実につまらん]
おい少女
そう言ってるものの
大音量で此処まで聞こえるほどの音で
ヘッドホンを着けて聞いているそいつは
「ふふふん フフフフン」
と一人上機嫌に 画面を見ている
かと言って何時までもこの物体を眺めているわけにはいかない
俺の仕事の時間もそろそろだ
かと言って今私の両腕の首に縛り付けられているタオルをとることは中々難しい
なぜなら今僕の手にある拳銃が腕を抜くのを邪魔し、ちょっとでも、乱暴しようものなら火を吹きそうだ
「おい少女」
今度はさっきより些かか大きめに怒鳴ってみるも、多少首を捻る程度で
事実知らん顔である
そこでようやく実行に移した
私は奴の視界に入らないようにバスルームに向かう
そこでお湯にガムテープを浸してみたが
いっこうに変化はなく
逆に熱すぎたせいで、いざ上げたあとも
熱々のタオルが僕を苦しめ抜いた
って、水に浸ければ良いのでは
私はそこでようやく考えにいたり
盛大にバスルームの蛇口を
困難を極めながら捻ろうとしたが
どうもこうも、焦っているのかうまくいかない
そんなことをしているうちに、皮が剥がれてくるのが分かる、ふと時計を見ると
「6時」半
を示しており、僕は迷わず腕を射った。




