表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の愛した桃源郷  作者: 魚精神
第三章 異界見聞旅編 第一節 リブラ王国編
52/55

第49話 十二星将集結

 王宮で紫怨と王翦がにらみ合い、その近くにアスが迫っていたころ各結界付近でも続々と各地から十二星将たちが集まり始めていた。


――――――


 王宮北西第一結界前


 「殿、殿!先ほどから空ばかり眺められて……この結界に入るのか、入らないのか決めてくだされ!ここにきてもう十分は立っておりますぞ!」


 「…………」


 「はぁ…………この緊急事態に一体何をお考えになられているのやら…………」


 結界前で空を眺め、微動だに動こうとしない自軍の大将である大男を前に副将格とみられる男が嘆く。

 その時、馬の走る音が近づいてきているのが聞こえた。


 「殿、何者かがこちらに迫っているようですぞ」

 

 「…………ん」


 空を眺めていた大男も音の方へと目を向ける。


 「…………王翦の倅よ」


 「む、ということはあれは第一将の部隊でありますな」


 そうである。

 先ほど千ばかしの騎馬隊を連れ王宮を出た王賁がもうすでに到着しかけていたのである。


 「貴殿らは第三将の呂布(りょふ)殿の部隊か!?」


 「いかにも。我ら第三部隊の呂布隊である」


 「呂布殿、貴殿らもこれから中へと?」


 「…………」


 「ああ……!それについては私、陳宮(ちんきゅう)がお答えいたします」


 「貴殿らのように我らも中へと入りたいところですが………肝心の殿があのような様子でして…………」


 先ほどは王賁の方に一瞬目を向けたが、またすぐに視線を空へと戻していた。

 

 「…………出る。陳宮、隊は任せたぞ」


 と思いきや急にこんなことを言い始めたのである。

 すでに視線を落としていて、その目つきは完全に武人のものとなっていた。


 「はっ。この陳宮にお任せを。武運を祈りますぞ、殿」


 急な指示に戸惑うことなく陳宮はいつもの調子でその命を受けた。


 「呂布殿、まさか貴殿一人だけで向かうというのですか?」


 「この中にいるのは副将格以上でないと相手にならん。ちょっとやそっとの兵を連れたところでどうにもなるまい」


 「そうですか………では我々も私一人で向かうとしましょう。黄楊(こうよう)、この場は任せます」


 「はっ!武運を、賁様」


 王賁もまた部下に隊を任せ、呂布と共に単騎で結界に入ろうとしていた。


――――――


 王宮南西第三結界前


 ここにはすでに二つの部隊が集まっていた。

 第四将 島津義久(しまづよしひさ)の部隊と第五将 アウグストゥス・カエサルの部隊である。


 「ふむ……準備は整ったが果たして入ってよい者か………」


 「兄者!ここは入るべきでしょうぞ!」


 「待て義弘(よしひろ)。まだ伝令が来るやもしれん」


 「カエサル殿、いかが考える」


 「うーん、そうですな。義久殿が待つというなら待ちますが、あまり長くは待ちたくありませんな」


 「私はさっさとことをおさめて愛する妻の元へと帰りたいですからな」


 「カエサル……何かにつけて妻、妻って耳が痛くなるわ」


 「なんだと!私が一体どれだけここに帰ってくるのを待ち望んでいたと思っている!英霊召喚で再び肉体を手に入れ、わがままを通してもらって愛するクレオパトラを召喚してもらい再び愛し合えるようになったのに、すぐに戦場に駆り出され、今日まで帰ってこれなかった!この胸の愛情を発散せねば気が済まんのだ」


 「だったら、他人を待ってねぇでお前ひとりでも入っていけ」


 「あー……たしかに言われてみれば」


 「軍は俺が見とく。お前はとっとと中に行ってこい」


 「そうだな。では行ってこよう」


 そう言って、早々に結界の中へと入っていった。


 「な!カエサル殿!………仕方ない、義弘、歳久(としひさ)家久(いえひさ)、我らも向かうぞ!」


 「「「御意!!」」」


 それに続けて、義久、義弘、歳久、家久の四人も中へと入っていったのだった。


――――――


 王宮東側第五結界前


 「休むでない!攻撃を続けるのだ!」


 ここでは結界に対し、弓矢の嵐が降り注いでいた。

 この軍は第九将 チンギス・ハンの軍である。


 「ダメです!まるで聞いていません!」


 「撃ち方止め!!」


 無駄を悟ったチンギス・ハンが指示を出す。


 「おいおい、来てみりゃいったいこれはどういうことだ」


 「どういうことも何も、攻撃を加えておったのだ東夷の者よ」


 「俺の名前は伊達政宗だ!東夷じゃねえ!」


 「ふむ。では政宗、お前はこの結界を破るため何が必要であると考える?」


 「そりゃあ……中の元凶を叩くことじゃないのか?」


 「ほう。わしと意見が一致しているな。では先に行くぞ」


 政宗と意見が一致したことを知ると、馬を走らせ中へと駆けて行った。


 「あ!おい!ちょっと………って言っちまったか………しょうがねぇ、小十郎任せるぞ」


 「御意。武運を」


 続いて政宗も足早に中へと入って行く。


――――――


 王宮南東第四結界前


 この場には第七将 上杉謙信(うえすぎけんしん)と第二将のレオニダス王の隊がいた。

 しかし、レオニダス王の部隊に肝心のレオニダス王の姿がない。


 「レオニダス王はどこへ?」


 「王はもうすでに中へと参られました。今頃接敵して勇敢なる武勇を振るわれているはずです」


 一人の兵士がそう答える。


 「なんだって!?」


 謙信が驚いた時、中から叫び声が聞こえた。


 「うおおおおお!!」


 「王だ!!王が戦っておられるぞ!!!」


 場にいるスパルタの兵たちが声を上げる。

 

 「こうしてはおれん。すぐに助太刀に参る!柿崎(かきざき)、この場は任せる」


 「は!御屋形様もどうかご無事で」


 謙信は刀を抜き、全速力で中へと駆けて行った。


――――――


 王宮北東第六結界前


 ここには第十一将 立花宗茂(たちばなむねしげ)と第十二将 本多忠勝(ほんだただかつ)という西国無双と東国無双と呼ばれた二人が肩を並べていた。


 「宗茂殿、貴殿と共に戦えること嬉しく思うぞ」


 「私も忠勝殿と戦えるのがうれしゅうて仕方ありません。東国無双の力、存分に発揮してくだされ」


 「ははは!!宗茂殿こそ西国無双の力見せてもらいましょうぞ」


 「ええ、存分に」


 「では、宗茂殿。そろそろ参ろうかの」


 「いつでも準備はできております」


 「ではいざ出陣!!!」


 「「うおおおおおお!!!!!!」」


 忠勝の号令と共に二人は雄たけびをあげ、結界の中へと駆けていくのだった。


――――――


 王宮西側第二結界前


 今までとは違ってここの将の二人は冷静に見ていた。

 第八将 項羽(こうう)と第十将 ハンニバルである。


 「項羽とやら、どうみるかなこの状況を」


 「中には化物がいる。とても危険である」


 「うむ。同じ考えだ」


 この二人は冷静に物事を見てリスクを判断していた。


 「しかし、逃げ遅れた民は今もこの中で苦しんで居る。助けんわけにはいかん」


 「民を助けるのは我らの使命。しかし、うかつに突っ込んではかえって危険だ」


 「伝令!!伝令!!」


 悩める二人の元に伝令がやってきた。


 「報告いたします!現在各地の結界内に十二星将が到着し、中に入った様子!!」


 「…………!そうか。下がってよいぞ」


 伝令はそそくさと後ろに下がっていく。


 「…………どうやら我らが一番出遅れているようですぞ、ハンニバル殿」


 「そのようじゃな。戦略家としてはこのリスクにあまり賭けたくはないが、やるしかないようじゃの」


 「鍾離眜(しょうりばつ)あとは任せる」


 「マハルバル、儂がいない間の指揮を任せるぞ」


 そうして、この二人も中へと入って行くのだった。

 六ケ所で十二人の将達が国と世界の命運を賭けて、戦いに身を投じてゆくのだった


 

 

 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ