表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『普通になれなかった僕は、社会の中で静かに壊れていった』  作者: こうた
第二章「高校生活:ズレが形になる」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/100

第9話 「頑張る方向が違うと言われる」

直人は、 頑張っていなかったわけではない。



---


むしろ、 人より頑張っているつもりだった。



---


忘れないようにする。


間違えないようにする。


迷惑をかけないようにする。



---


毎日、そればかり考えていた。



---


ある日の提出物。



---


直人は何度も確認した。



---


名前。


日付。


ページ。



---


全部見た。



---


「今回は大丈夫」



---


そう思った。



---


翌日。



---


先生が返す。



---


「ここ抜けてるよ」



---


直人は紙を見る。



---


本当に抜けている。



---


でも、 自分では確認した記憶がある。



---


“見たはずなのに”



---


その感覚が怖かった。



---


放課後。



---


友達が言う。



---


「直人って、もっと適当にやればいいのに」



---


その言葉に戸惑う。



---


適当に?



---


それができないから、 何度も確認している。



---


でも結果は同じ。



---


夜。



---


母が言う。



---


「もっと効率よくやったら?」



---


直人は考える。



---


効率。



---


それも分からない。



---


丁寧にやると遅い。


急ぐとミスする。



---


じゃあどうすればいいのか。



---


答えが見つからない。



---


布団の中。



---


直人は思う。



---


“努力の量じゃないのかもしれない”



---


でも、 それ以上考えると怖くなる。



---


もし努力では変えられないなら。



---


もし自分のやり方そのものが違うなら。



---


その先を考えたくなかった。



---


まだこの頃の直人は知らない。


努力は、 量だけではなく方法との相性も大きいことを。



---


そして、 合わない方法で頑張り続けると、 自信そのものが削られていくことを。



---


ただこの夜は、


「もっと頑張らなきゃ」


そう思いながら、 すでに限界に近い自分に気づかないまま眠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ