表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『普通になれなかった僕は、社会の中で静かに壊れていった』  作者: こうた
第一章 「みんなと同じ世界なのに、少しだけ違った」幼少期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/100

第34話 「“空気を読む”という見えないルール」

直人は、学校の中に“見えないルール”があることに気づいていた。



---


それは、教科書には書いていない。


先生も説明しない。



---


でも、守れていないと浮く。



---


ある日の授業。



---


先生が少し雑談をした。



---


「昨日さ、ちょっと大変でね」



---


教室が少し笑う。



---


誰かが「大丈夫ですか?」と言う。



---


また笑いが起きる。



---


直人はその流れを見ていた。



---


“今のは、笑うところなのか” “心配するところなのか”



---


判断が一瞬遅れる。



---


気づいた時には、 周りはもう次の空気に移っている。



---


昼休み。



---


男子たちが盛り上がっている。



---


誰かが冗談を言う。



---


みんな笑う。



---


直人も笑う。



---


でも、 少し遅れて笑ってしまう。



---


その一瞬のズレが気になる。



---


“今の変じゃなかったかな”



---


帰りの会。



---


先生が注意をする。



---


クラス全体に向けての話。



---


その場の空気が少し重くなる。



---


誰も大きな反応はしない。



---


直人はそれを見て、 自分の反応を抑える。



---


“ここは静かにしている場所”



---


そう判断する。



---


でも、 その判断が合っているのか自信がない。



---


家へ帰る。



---


母が言う。


「学校ってそんなに気を使う場所じゃないよ」



---


直人は黙る。



---


気を使っているつもりはない。



---


でも、 気がついたら使っている。



---


勝手に。



---


夜。



---


布団の中。



---


今日の教室を思い返す。



---


どこで笑ったか。 どこで黙ったか。 どこで遅れたか。



---


全部、 “正しかったのか”が分からない。



---


周りは自然にやっているように見える。



---


でも自分だけ、 毎回考えてから動いている。



---


まだこの頃の直人は知らない。


この「空気を読む」という行為が、 実は“無意識の高速判断”の連続であることを。



---


それを意識的にやろうとすると、 極端に負荷が上がることを。



---


ただこの夜は、


“間違えていたらどうしよう”


その不安だけを抱えながら、 静かに眠りにつけずにいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ