学校生活は楽じゃない1
新しい章がはじまります。
「朝が来てしまった…」
ここ数年で1番嫌な朝だ。嫌な気分なままベットから体を起こす。時刻は午前6時、いつもより30分も早く起きてしまった。かといって今からもう一度寝る気にはなれない。今寝てしまうと確実に寝坊する。俺は無遅刻無欠勤の優秀な生徒なんだ。
しかし早起きした分時間があるな、
「散歩でも行くか。」
寝間着からジャージに着替え、部屋を出る。
「うへへへ、だいしゅきぃぃ」
なんだ?、妹の部屋から変な声が聞こえた。
俺は好奇心を大いに刺激された。これは確認せずにはいられない。抜き足差し足忍び足で妹の部屋に向かう。
そおーっとドアを開け、顔をドアの隙間にいれ除きこむ。そこには、
妹が寝ているだけだった。さっきのは寝言だったのか……しかし
「寝てる間もおとなしくできないのか。」
妹の寝ている姿はお腹丸出しと、ひどい有り様だ。このまま部屋を出ようと思ったが、お腹丸出しで寝ている妹をほっとけないというお兄ちゃんパワーを発揮してしまった。仕方ない、布団をかけてやるか。まったく世話の焼ける妹だ。
そっとそっと部屋の中を進み、布団をかけてやる。すると
「お兄ちゃん?」
布団にかけている手を捕まれた。
やばい、気づかれたか!?
妹の部屋に侵入しベットに近づき布団に手をかけているこの状況を見られたら完全に変態にしか見えん、完全に言い訳のきかない場面だ。昨日に続いて変態の烙印を押されるわけにはいかん。だが、
「えへへ…」
ぐっすり眠っていた。
「なんだ、寝てるのか…」
起きてはいなかったようだ、朝からなんて心臓に悪い。
ふぅーーっと息をはき、妹に捕まれた手を起こさないように離し、部屋をあとにする。
階段をおりると、味噌のいい匂いが鼻を刺激した。
「母さん、もう朝ご飯作ってるのか」
朝ご飯を作っているであろう母に散歩にいってくると伝えるためリビングにはいる。
「母さんおはよう」
「剣士、おはようございます。今日はずいぶんと早起きですね?」
母は料理をする手を止め、こちらに振り返り、早起きの理由を聞いてくる。
「あ、うん、目が覚めちゃってね」
母に、今日女の子と一緒に登校するのが緊張するから眠れなくて、何て言えるわけない。
「だから、今から少し散歩にいってくるよ。朝ご飯の時間までには戻るよ。」
「はい、わかりました。気を付けていってきてくださいね」
そういうと母は俺に背を向け料理を再開した。
外に出ると風が少し肌寒い。5月の朝としてはそんなものか。もう少し上に着てこればよかったな。
特に行くあてもなく町をぶらつく。朝の町を歩いていると意外と人がいる。俺と同じように散歩している人、ジョギングしている人。朝の散歩ってなかなか悪くないな。これから日課にしようか、健康にもいいだろうし。
歩いているうちに風も心地よくなってきた。今の気分はとてもいい。これは本格的に日課にしよう。
そう考え、ふと携帯の時間を見ると、もういい時間だ。母の朝ご飯がまっている。
「そろそろ家に戻るかな」
俺は来た道を引き返す。町の風景を見ながら歩く。今まで幾度となく見たことのある風景なのにどれも新鮮に感じる。いつも俺は下ばかり見てたのかな。もっと回りを見て生きていこう。それなら明日は違うところに行ってみよう。そこには新しい何かがまっている。なんか名言みたいになったな、それは過大評価ですね。
感慨に耽っているとき俺は思い出した。
「波島と一緒に学校いかなきゃ行けねえや…」
急に気分が悪くなった。散歩で得たエネルギーが一気になくなる。
みんな!俺に元気を分けてくれ!
軽かった足取りがどんどん重たくなっていき、清々しい気持ちからどんよりした気持ちへシフトチェンジ。なんて日だ!
どんよりした気分で家につく。リビングには朝ご飯が置いてある。母と妹は既に座ってご飯を食べている。
「お兄ちゃんお帰り~」
「お帰りなさい、剣士。早くご飯を食べてしまいなさい。」
「ただいま、すぐ食べるよ。」
すぐ席につき、朝ご飯を頬張る。ご飯に味噌汁、焼きじゃけに目玉焼き、後はお漬物。やはり母の作るご飯はうまい。
存分に朝ご飯を堪能し席を立つ、
「ごちそうさまでした」
食器をシンクに置きリビングを出る。
自室に戻り、学校へ行くための支度をする。この後波島波瑠が迎えに来る。やだなぁ。
ここで急に家に敵が攻めてきたりすれば俺は一緒にいかなくてよくなる、いつでも俺が相手をしてやる、かかってきやがれ!!
こういう時の中2病って便利だな、現実逃避にはもってこいである。はぁ…
時計を見れば時刻は7時25分、約束までは少しあるな。ピンポン押されるのは何か恥ずかしいから先に出て待ってるか。妹に見られたらたまったもんじゃないからな。
この章は長くなると思いますがお付き合いしてもらえれば嬉しいです。




