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中2病にも程がある!!  作者: 天宮城リベル
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家に帰ると事件が起きる 4

波島家はすぐ隣、ではない。そうだったら母が行ってくれるだろう。家から100メートルぐらい離れたところにある。さっきまで雨か降って曇っていた空も今は雲1つなく星空がひろがっている。

「さて、どう言って渡そうか…」

そう、問題はそこなんだ。忘れてるかもしれないが、俺はこじらせ中2病だ。家では大分普通にいられたが、家の外では中2病を発揮する。はいこれ、といって渡すぐらいなら何とかなるかもしれないが、波島のことだから立ち話になるかもしれない。そうしたらもう中2病が止まらない。出ちゃう、もれちゃう。いや待てよ?母親の方が出てくるかもしれない。そうしたら俺にも勝機がみえてくる!

よし、それに向けて作戦を練ろう。さてどうする。…そこで俺は足を止めた。

「着いちゃったよ」

やっべどうしよ着いちゃったよもう、なにも決まってないよ。ピンポン押す前に少し考えよう。いやでもここでうろうろしてたら不審者みたいだ。あー、どうしよどうしよどうしよ。

波島家の玄関前でおろおろしてたらドアが開いた。

「剣士くん、私ん家の玄関の前で何でうろうろしてるの?」

波島波瑠が出てきた。だめだ、つんだ。完全に無理ゲー、中2病が出てしまう。いや、ここで中2病を発揮しないようにしなければ、脱中2病はできない!

俺は意を決して口を開いた。

「いや、その、あの…」

「ん?」

全然言葉でてこねぇ!困った、俺にはこの任務重すぎる。Sランク任務だってばよ!!どこぞの忍者みたいになってしまった。目の前の波島波瑠は頭の上に?マークだしてるし。なんだよかわいいな。助けて神様。

すると波島波瑠の後ろから神の声ごとき波島母の声が聞こえてきた。

「あ、波瑠~、剣士くん来たの?剣士くん肉じゃがをお裾分けしにきてくれたの!おうちにあがってもらって~!!」

訂正。神でも母でもなく悪魔の声でした。何で俺家にいれちゃうんだよ、渡せばいいじゃん、出迎えてくれてるから受け取ってはい終わりでいいじゃん、僕はおうち帰りたいよ。

「わかったよ~♪ じゃあ剣士くんおうちに上がって!」

波島波瑠はなぜか機嫌がいい。え、なんで?女子高生とかって男なんか家にいれたくないんじゃないの?男とか嫌いじゃないの?いや、お母さんに言われたからあげざるを得ないのかもしれない。仕方ない、それなら俺が断ってしまえばオールクリアだ。

「い、いや、俺はかえ

「いいからいいから、はやくして剣士くん♪」

ミッション失敗。けんしはいえにとじこめられた!俺は生きて帰れるのだろうか?


「いやー!よく来たね剣士くん!それにしても大きくなったねぇ!!」

「フッ、見た目など関係ない。所詮肉体は魂の入れ物にすぎんからな」

「え?なんて?」

「……」

俺は赤くなった顔を両手で覆った。

ああああああああああ、やってしまった。幼なじみのお母さんの前でやっちゃったよぉ。中2病出しちゃったよ。恥ずかしい、恥ずかしすぎるよぉ。なに言ってんの俺、バカなの?死ねよ、魂の入れ物ってなんだよ!とりあえず今は恥ずかしすぎて転げ回りたい。頭打ち付けて自分で記憶を飛ばしたい。俺もう生きていけない。

そんな衝動を押さえているとき

「お母さん、剣士くんはねちゅうにびょうなの。自分がとくべつだと思ってるの、だから人と話すときはねいっつもこんな感じなの」

波島波瑠が弁明している。俺の事をフォローしようとしているのだろう。何て優しい子。でもやめて、そんなはっきり言われると俺の心がズタズタになっちゃう。

「なんだ、そうだったの?中2病発症してるのか、アッハッハッハ!!!!」

笑われた、すごく豪快に。もう泣きたい。

「駄目だよお母さん!そんなに笑ったら!剣士くんはまじめなんだよ!!」

優しいねフォローしてくれるなんて。その言葉で僕の心はバラバラになりました。天然って怖いよね。自然災害とかもそうだよね。何が起きるかわからないものさ。もはや思考回路がおかしくなってる頃

「アッハッハッハ!中2病って……アハハハハハハ」

まだ笑っていた。なに、この2人俺のこといじめるために家にあげたの?ひどすぎる。何て親子なんだ。

いったい俺がなにしたって言うんだ、肉じゃがを持ってきただけだ。働いたんだ、仕事したんだ。褒められてもバカにされる覚えはない。いったい何がいけなかった?

俺の中2病のせいでしたね。お騒がせしてすみませんでした。

さて、俺はここに肉じゃがを持ってきて仕事は終了したわけだ、この家ではもうすることがない。ならもう帰ってもいいだろう。

そう考え俺は立ち上がり、

「中2病の剣士くん(笑)、デザートあるから一緒にたべていかない?(笑)」

座らされた。

またしても悪魔の声か。なぜ俺を引き留める。

きっとあの悪魔のことだ、俺の中2病をいじりたおしたいんだろう。そうに違いない。これ以上いじめないでほしい、立ち直れなくなる。しかし俺はそこまで弱くない。ここでこそ俺の真価が問われる。そんな簡単には中2病を出したりしない、俺は脱中2病を誓ったんだ。このミッションを中2病なしで乗りきってみせる。

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