常に頭を使え3
早く投稿できるとか言ってたのに出来なくてごめんなさい。
思った以上に時間がとれませんでした。
まだまだ書いていくのでぜひ読んでください。
気が付けばすでに帰りのSTの時間になっていた。
教壇に立つ先生は明日の連絡をしているが、早く帰りたいが故にそんなものは右から左に流れていく。そのうち『そうやって言葉を軽んじるから、君は私の言葉を聞き逃す』とか言われちゃいそう。
そう、俺は早く帰りたいのだが早く帰るためには難点がある。
生徒会に行かなければならないのだ。
"生徒会"に行くのは嫌じゃ…嫌なんだけど、それ以上にあの女子しかいないという空間にいるのが耐えられない。何なんでしょうかあの地獄の空間は。あの閉鎖的空間に女子4人に男子が1人。全くもって息がつまりそうである。
でもまだ波島波瑠がいるだけありがたい。これで俺1人だけ生徒会に放り込まれてたら登校拒否しちゃうレベル。
ともかく俺は家に帰りたい。
だが家に帰るには越えなければいけない壁がある。
波島波瑠から逃げること。
現在隣に座るこいつはまず間違いなく俺を嬉々として生徒会に連行するだろう。そうすれば嫌でも俺が目立ってしまう。そうなるのだけは避けなければならない、なんとしてもだ。
ならばどうするか。
はっきり言って隣に座るこいつから逃げるなんて不可能に近い。自分の隣の人の動きなんて、ましてや俺の動きに気づかないわけがない。
しかし、この波島波瑠にも一瞬の隙が出来る状況がこの後来る…筈だ!
STが終わり、最後の挨拶となる。
「「「ありがとーございましたー」」」
挨拶を終え、各々帰路につく。
男子のほとんどは部活に向かう。教室に残っているものもちらほらいる。対する女子は自分の仲間内でおしゃべりをしている。そこには波島波瑠の姿はない。波島波瑠は自分の座席で荷物をまとめている。その波島波瑠に女子たちが別れの声をかけるためか近づいていく。
「波瑠ちゃんばいばーい!」
「さようなら~♪」
(今しかない…!!)
俺は確信する。
波島波瑠は帰り際、このタイミングで確実に女子たちと少しだけ会話を交わす。そこが俺の活路。
俺は長年の生活で手に入れたイスから無音で立ち上がり席から離れるという技を駆使し、波島波瑠から距離をとり素早く教室の前のドアまで移動する。そして先に出ようとしてる男子の後ろにつく。男子の呼吸のリズム、体温、血圧、視線を正確に読み取り(嘘)気配を同化させる。大切なのは己を消すこと。
なにやら教室の外が騒がしいようだが、その騒がしさのお陰で余計に俺の気配が消えて有難い。今のうちに外へ出ようか…。
「あれ?剣士君がいないです…?」
「え?あいつならさっきどっかいったみたいよ?」
「ほんとですか!?」
大変困りました…。剣士くんを連れていこうと思っていたのに、多分これは忘れて帰っちゃったんですかね。
それにしても全く気が付かなかったです。どうしましょうか。
とりあえず追わなきゃいけないですね。
鞄を持って教室から出ようとすると、なにやら外が賑わっていました。
(どうしたんでしょうかねぇ?)
「ねぇみて!西京生徒会長よ!」
「西京様!!」
「こ、こんなところにどうしたんだろうね?」
「綺麗…」
(会長さん…?)
教室の外を見てみると会長さんがいました。
「生徒会長はどうしてここへ?」
「ちょっとこの教室に用事があってね」
この教室に用事があるってことは多分私と剣士くんに用事があるってことですよね。なら
「どうしたんですか?会長さん?」
先に声をかけてしまいましょう。
「おぉ、波瑠か!丁度いい、君たちを迎えに来たんだ。剣士も一緒だろう?生徒会にいこうか」
やっぱり私たちを迎えに来たんですね。でも…
「あの…剣士くん、気づかないうちに帰っちゃったみたいで…」
隣の席なのに気付かないなんて反省しないといけません…。これは怒られちゃうでしょうか。
「…………はっはっは!剣士、お前ならそうくると思ったよ!なに、そんなことは波瑠が気にすることじゃない」
怒られるかと思いましたが豪快に笑い飛ばしてくれました。
でもそうくると思ったって言ってましたね。予想してたってことでしょうか。
「さて、どこまで逃げ切れるかな?踊れ剣士、せいぜい楽しませてもらおうか」
「どういうことでしょうか?」
会長さんが何を言ってるかよくわかりません。
「いや、なぁに簡単なことさ。剣士はね生徒会に来るのが嫌だから逃げたんだよ。だ・け・どそれは私の予想の範囲内だったってわけさ」
剣士くんは忘れてたわけではなく逃げたのですね。それはだめです!お説教しなくてはいけません!!
「でも、どうやって捕まえるんですか?」
「それも簡単なことさ、生徒会には私と波瑠、剣士以外に誰がいる?」
「星之宮さんと美千留ちゃんですよね?…あっ、!」
「そう、その2人にはもう既に指示を出して捕獲しに行ってもらっている。捕まるのも時間の問題さ。…さて、私たちは先に生徒会室に向かっていようか」
「は、はい」
す、すごいです、そんなことまで考えていたんですね…。私もそれぐらい頭を使えるようになりたいです!




