思い通りにはなかなか行かない9
かなり間があいて申し訳ない!!
頑張って週1ぐらいであげていきます!
いやいや、時間をかけてはいられない。
話を拡げれば拡げるほど説明しなければならなくなる。
母と妹を目の前にこの状況、いかにして切り抜けるか。
2人には俺が先生に呼び出されて、連れていかれた、と説明したはいいものの、どこに連れていかれたと説明すべきだろうか。だけど先生に連れて行かれるところなんて職員室以外にあるのか…?
職員室は駄目だ、俺が職員室に呼ばれるような悪いことをしたかと思われてしまう。ならいったいどうすれば…
「お兄ちゃん、ヤンキーの人にでもに連れていかれたの!?」
「いや、ヤンキーでは無いな、うん」
ヤンキーではない。ヤンキーではないけど怖い女の人だな、もうすぐ三十路の。
物理的ではなくて、精神的に怖いというか内面が黒い。正直何を考えてるのかわからない。中2病を治すために生徒会に放り込むような人だ。
「それなら、一体だれなのですか?」
ちょっと待て、なんで2人は誰に連れていかれたのかと聞いてくるんだ?俺がさっき先生に連れていかれたと説明しなかったか?※説明していません※
だとしたら今、この2人は俺が先生じゃない誰かに呼び出されたと思っているということか。
これはチャンスかもしれない。先生に呼び出されていないと思っているのなら他に嘘をつくことができる。
頭を使え、ひねり出すんだ。あの2人を鮮やかに騙すことのできる巧妙な嘘を!!
「学校で、と、友達に、べ、勉強を教えてたんだよ!!」
どうだ!これなら俺は悪いことをしていないということと、むしろ良いことをしているというダブルアピールになる!!
「嘘だね」
「嘘ですね」
「………………」
なん………だと………?俺の渾身の嘘がバレたというのか?なぜだ!一体何がいけなかった。
「…い、いや!ほんとだよ!」
「いやいやいや、お兄ちゃん友達いないじゃん。え、いるの?」
ちょっと、それはひどくないですか?母と妹を前にして泣きそうだよ。そっか、俺ってそんなに友達もいないように見えるのか…。まぁ実際にいないんだけどな。
「自分の子供が嘘をついているかどうかなんて親はわかります」
俺の友達に勉強を教えてたんだよ作戦は、俺に友達がいないことでバレたようだ。勝手に決めつけられたのは大変不服なのだが。夜宵め、兄をなんだと思っている!
そしてどうやら母さんには俺の嘘が通じないようだ。子供の嘘はお見通しのようである。どうしたものやら。もう正直に言ったほうがいいのか?夜宵は騙せても母さんは騙せそうにない。
「よ、呼び出されたのは女の…」
「えぇ!!女の人なの!?!?!?」
「………!!」
「お母さん!お兄ちゃん女の人と会ってたんだよ!!」
「剣士…」
えーーー、ちょっと待ってくださーい。進路が大幅にずれています。というか座礁したねいま。
いや、女の人はあってるよ。けど先生だから。
君が話を聞かないせいで余計に話がややこしくなった、どうしてくれる。
「剣士、あなたが呼び出されたのは波島さんの波瑠ちゃんですか?」
「いや、違うけど…」
「じゃあ、誰なんですか?…今日の朝久しぶりに波瑠ちゃんと一緒に学校に行くところを見ましたからてっきりそうなのかと」
「ぶふっっ!!」
え、ちょっ、なんで母さんまでしってんの?バレバレだったの!?
「恥ずかしがることはありません。幼なじみと登校するのは普通のことです」
いや、幼なじみと登校するのは普通のことなのか?断じて普通では無いと思うんだが…。母さんの常識は若干ずれてるのか?
そこはまぁいい、そんなことは今どうでもいいんだ。話がよじれていることをどうにかしなきゃならないんだが…。
「そしたらお兄ちゃん二股かけてるの?」
「剣士、それは人として最低ですよ」
「いや、してないから…」
「じゃあ、波瑠サンとは付き合ってなくて呼び出された人が本命?」
話が座礁したうえ、転覆、沈没した。
どうして俺の思い通りにはいかないんだろうか。
なんかもうどうでもよくなってきた…。このまま話が進んでも、生徒会の話に戻すことができたとしても、どっちにしろ地獄だ。生き地獄。昔の拷問よりよっぽど辛いなこれは。嘘です、昔の拷問のほうがつらいです。知らんけど。
こうしている間にも母さんと夜宵はあーでもないこーでもないと議論をかわしているようで、俺のわってはいるところが見当たらない。どうしたもんか。
「結局どうなの!?お兄ちゃん!!」
「ちがうから、全然違うから」
はぁ、女関係のことで勘違いされるのはごめんだ。諦めておとなしく説明するか…。あぁ、面倒だ…。




