思い通りにはなかなか行かない3
「さてさて?説明してもらおうかお兄ちゃん♪」
「な、何をだ…?」
俺は今、自分の部屋で正座させられている。
なぜ、なぜ俺は自分の部屋で正座をしなければならない、意味がわからん。ここは俺の部屋であり、俺のためにある。ならばこの部屋の主たる俺が地べたに座らされるなどあってはならないことだ。
この部屋の主たる俺を正座させている張本人の妹は、椅子に座ってふんぞり返って俺を見ている。何様だ貴様!女王様ですねはい。
だいたい何で夜宵は俺が波島波瑠と一緒に学校にいったことを知っているんだ…?
「何をだ…って?そんなの決まってるでしょ、ぜ・ん・ぶ♪」
ぜ・ん・ぶ♪じゃねぇよちくしょう。
しかしまだ俺に勝機はあるはずだ。
こいつは波島波瑠と一緒に行ったことを把握している。だがそれ以外は知らない。そこだけ説明して満足させれば勝手に部屋から出ていくだろう。というか出ていってください。
だけど、説明するといっても説明することがない。波島波瑠と一緒に学校に行っただけでそれ以外なにもしてないしなにもなかった。逆に何て言えばいいだろう?
「早くして?お兄ちゃん」
なんだかちょっと妹が怖いです。
「いや、説明するも何も一緒に行っただけなんだが」
本当にそれ以外説明のしようがないなこれは…。
「じゃあ何で一緒にいったの?」
「さそわれたからだな」
「なんで?」
「いや、わからんな」
なんだこの尋問みたいなやり取りは。
俺は今取り調べを受ける罪人の気持ちです。悪いことはしていないのに。なんたる屈辱か。
「ふーん、なるほどね…」
とりあえず納得して頂けた?ようだ。これで尋問みたいなやり取りも終わって、俺に安息が訪れることを祈りたい。
「で?」
「で?」
は?え?いやなに言ってんのこの子?これ以上何を議論することがあるの?
「で?じゃなくて他にもあるんでしょ?」
「…………いや、ないぞ」
俺は僅かばかり考え、黙っておくことにした。
女の勘はよく当たるというがここまで当ててくるともはや調べられてるんじゃないかと心配になる。調べられてないよね?
「………ふーーん、まっ、いいや!」
1人納得し機嫌が直ったのか、声のトーンも上がり元気よく立ち上がって、ドアの前まで向かう。
「じゃ!またご飯になったら呼んでね~。ばいにゃら♪」
そういって部屋から出ていった。
床に正座させられたまま放置された俺。何てかわいそうに。疲れて帰ってきたのに余計に疲れたよ。癒しがほしいよ。
て言うかどれだけ自由奔放に育ったんだおれの妹は…。
「はぁ…」
ひとしきり考え終わって、正座から身を脱した俺はベッドに倒れ込む。一気に、たまっていた疲れの波が押し寄せる。
「疲れた…」
そのまま俺は泥のように眠りについた。
結局俺はその後、親が起こしに来るまで起きることはなかった




