学校生活は楽じゃない16
忙しくていつもより間が空いてしまってすみません
まだ少し肌寒い5月の夕方、玄関を出るとグラウンドから部活動をする運動部の声が聞こえてくる。桜が散って青々とした木々。その並木の下を2人で並んで歩いて校門の外へと出る。隣にいるのは見目麗しい女の子。俺は高校生活を、青春を謳歌せし者である。
そんなことはない。あるわけがない。
この状況を見ればそう思われるかもしれないが、帰る方向が同じの幼なじみと一緒に帰るだけだ。
「今日は長かった…」
本当に長かった。いつもの1日の何倍もの濃さだった。
朝から幼なじみと登校して、学校につけば先生に呼び出され生徒会に入れと言われ、廊下を歩くと女の子とぶつかり…。生徒会にいけば面倒な会長がいて…。
無駄に疲れた日だった。もうこんな日がないと願いたい。
「とっても長かったですね~、でも私は楽しかったですよ?」
楽しいだと?今日というこの長い1日にどこに楽しい要素がある。楽しかったと言うなら本を読んでるときぐらいだ。
「剣士くんと学校に来たり、先生のところに行ったり、生徒会に行ったり、こうして一緒に帰ったり。剣士くんは楽しくなかったですか?」
その言い方はずるいだろう。楽しくなかったと答えられないじゃないか。面倒だったし嫌だったけど、全部が全部嫌だったかと聞かれればそういうわけでもない。少しは楽しかった…かな?
けれどそれを言葉にするのは恥ずかしい。ここで楽しかった!とかいったらなんかあれじゃん、うん…
「剣士くんは嫌でしたか……?」
「い、いいいや!……そ、そういう…ことは……」
下から覗き込むように見られのけ反ってしまう。
その見方は心臓に悪いぞ、男子がキュンとくる仕草ランキング(俺調べ)第3位をしないでくれ、きょどってしまう。
「ん?どうなんですか?」
「…………………別に…」
もう無理恥ずかしい。
俺は恥ずかしさのあまり顔をそらす。こんな状況に耐えられるメンタルは持ち合わせていません。この人わざとやってんのかな?わざとじゃないならたちが悪いぞ。
「剣士くん、顔が真っ赤ですよ?…もしかして恥ずかしいんですか?…もしかして私に照れてたりするんですか?」
やめろやめろいうないうな。余計に恥ずかしくなるから言わないで、お願い。これ以上俺のメンタルをボロボロにしないで。
「ふふふ、剣士くん、照れてるんですね♪…ふふっ」
照れているといういらぬ勘違いを、(あながち間違いでもないが)されてしまった。1人で納得しないでください。
しかしまぁ長い1日がやっと終わったわけだ、家に帰ってゆっくりやすむとしようか。
沈む夕日を背に並んで歩く俺らは、家へと歩を進めた。




