学校生活は楽じゃない5
先生が含みのある発言をして去っていき、俺は不安のあるなか、1時間目の授業が始まった。
「起立、礼、「「「お願いしまーす」」」着せーき」
しかしいったい何だったんだろうか。別に問題を起こした覚えはないし、起こすつもりもない。問題視されることは………
「中2病のことか……!?」
いやいやいや、それはないだろ。中2病の事で呼び出されるなんて聞いたことないぞ。だが過去にないからといって俺もそうではないという保証はどこにもない。そうなる可能性はある。
「剣士くん、先生に呼び出されてましたけど何かしたんですか?」
俺の心中しらずか波島波瑠が尋ねてくる。
「フッ…我に覚えはないが、我は命を狙われる身。奴らの罠かもしれないな。」
「うーーん、なにかありましたかね?剣士くんがよばれるなんて」
俺のキモすぎる中2病発言も華麗にスルー。どうしてそんなにスルーできるんだ。どんな経験したらそんなことできるようになるの?すごいですね。
しかし理由の分からないことをいつまで考えても答えには辿り着くことはない。考えることを続けてもそれは堂々巡り、思考の迷宮から抜け出すことはできない。つまり気にするだけ無駄だと言うことだ。
「ま、まぁ…分からないことを考えても仕方ない…から、…気にしなくてい、いいよ」
おどおどしながらもなんとか言葉を出す。関係のない波島波瑠に一緒に悩んでもらうのは申し訳ない。
「たしかにそうだね、考えても仕方ないね♪」
波島波瑠も納得してくれたようだ。俺も気分を変えていこう。余計なことは考えない!
始まっている1時間目の授業は古典。教科書を今さら開く。しかし、授業が進むにつれ見ている教科書の文字がだんだんと霞んでくる。古典の授業はいつも眠たくなってしまう。音読している先生の声が子守唄のように聞こえる。いかんいかん寝てしまいそうだ。
ふと周りを見てみれば半分程の生徒が机に突っ伏して寝ている。顔をあげている生徒もうつらうつらしているものが大半だ。隣の波島波瑠も頭がかくんかくんしている。
学校にきた時は眠くはならなかったが、今は今朝、いつもより早く起きたのも相まって余計に眠たくなってくる。
「このままねよう…」
俺は睡魔への抵抗をやめ大きなあくびを1つかましてから机に突っ伏した。すぐに意識が遠ざかっていく。その時に何か忘れているような気がするがするりとそれはどこかへ消えていなくなった。
ほどなくして授業の終了を知らせるチャイムが鳴り、目を覚ます。
「スッキリしたな」
今朝早起きした分の睡眠は取り返せた気がする。これで次からの授業はしっかり受けられるだろう。
すぐに2時間目が始まり、月見里剣士はその時には既に何かを忘れていることすら忘れ、その後の授業でも思い出すことはなかった。
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