24話
王都の中を颯爽と馬で走り、東門へと向かっている。大都市王都の王城がある中央区に住む人々は、いま東門に古のドラゴンが現れたことを知らない。
東区から馬車、走って逃げてくる人々を、なにが起きたのか分からず見ている。だが、逃げてきた一人の王都民が「東門にドラゴンが現れた!」と叫んだ声に、住民達は慌てふためきはじめた。
カエサル様は慌てる人々を見ても、馬を止めず、前を向き東門に向けて走っている。
それは、いま側近のタロさんが陛下にこの状況を報告している。話を聞いた陛下はすぐ、騎士団を動かすとわかっているから。私達はドラゴンのところに向かうだけ。
「カエサル様、ローリス様、もうすぐ東門です!」
私達の前を気持ちよさそうに馬で走る、キャロルを見ながら、私はみんなを守る魔法を放ちながらカエサル様の馬で移動中。
「ねぇカエサル様、私だって馬に乗れるわ! 乗りながらも魔法も使える」
そう文句を言えば。
「嫌だ! ローリスが馬に乗れることは知っているが。ローリスはドレスだろうが、ワンピースだろうが足をまる出しにして馬に乗るから、一人で馬に乗せるわけにはいかない。ここの男どもに、ローリスの綺麗な足を見せたくない!」
素直なカエサル様の言葉が返ってくる。
本当のことで、何も言えなくなってしまう。
「わかったわ。よろしくお願いします」
「わかればよろしい。ローリス、飛ばすから僕に捕まっていてね」
私達はドラゴンがいる東門に到着した。
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東門の近くに真っ黒な鱗に覆われた、三階建ての家くらい? の大きさの黒いドラゴンがいた。古のドラゴンは東門に続く橋の前で街路灯に鼻をつけに匂いを嗅ぐと、大きな口を開け噛み砕き、中の赤い石をボリボリ食べはじめた。
今、魔石を食べた古のドラゴンの体が薄ら光る。
(もしかして、その魔石に含まれる魔素を体内に吸収いている?)
「カエサル様、あのドラゴン!」
「ああ、古のドラゴンが魔石を食べたな。 ……どうやらドラゴンは魔石の魔素にひかれ、ここまでやって来たようだ」
貴族、一般市民は殿下が使用した魔石のことを知らない。私達、辺境伯は危険な魔石は魔石箱にしまい、魔素を外にださない。いま魔素が含まれる魔石があるのは、ここ王都だけだろう。
「それならまずいわ。いま東門に来るまでに、王都の街に設置された多くの魔道具を見てきたわ」
「見たね。……チャハ国の王太子は魔素を含んだ魔石を、ミサロ殿下に無償で魔素が含まれた魔石を贈った。殿下が魔素に気づかないと知り」
「……うん」
(そう、私達の国は魔法が発展していない国)
いままで一つずつ火を灯していた、街灯の灯りがポッと簡単につく。馬車と人の事故が起きていた道に、横断歩道が出来て事故が減った。
「殿下が作った魔道具は便利……だけど」
「そうだね。あれば便利な魔導具だが、それを殿下はいいように使われた。隣国チャハの王太子は古のドラゴンを使い、僕達の国を潰すつもりだ……。しかし、こんなにすぐ現れた。もしかすると、あの国は秘密裏にドラゴンを飼育でもしていたのかもしれない?」
私は頷く。
(そう謎が多い、チャハ国だからあり得ないともない)
古のドラゴンは街路灯の魔石を食べ終え、次の魔石を探し始めた。このままではドラゴンが魔石を求めて、王都の街に入り込むだろう。
ここで、食い止めなくては。
どうする?
私が戦うなら、持ってきた魔石爆弾を投げて、古のドラゴンが弱ったところをウズウズ隣で命令を待つ、キャロルが切り刻むとか。
黙り込み、戦法を考える私の横でカエサル様は「いい案を思いついた」と手を叩く。
「ねぇローリス、ここは一つ王家に恩をうろうか」
「え? 王家に恩を売る?」
首を傾げる私に、カエサル様がニヤリと笑った。




