4
読んでくれてありがとうございます。
ただいまの時刻は昼の14時すぎ。ここはハンサム王子の秘密の部屋です。この部屋にピエロが一人でいました。
今ピエロは城に幸せパンを持って行ったハンサム王子の帰りを待っているのです。部屋の中は静かに時間が経っていました。
すると慌ただしく階段を駆け上がる音が聞こえます。
「やっぱり見てもらえなかっただろう?」
ドアが開きピエロは足音の主に聞きます。
「そっそれが父上が君にお会いになるそうだ!!」
「なんだって!」
てっきり皇太子に幸せパンを届けるだけだろうと思っていたら、王が国のトップが道化者の俺に会うだって!
「よし逃げよう!」
「それが、城の兵がついて来てしまって・・・」
「あれー」
ハンサム王子の後ろから城の兵士たちが入ってきたと思ったら、ピエロはそのまま担ぎ上げられ城に向かって連れ去られていきました。
そしてここは謁見の間、ピエロの前には髭をカールした王様が座っています。
「よくぞ来てくれた。私がこの国の王、イケオジにナッチャウーの3世である。」
「けっ来たくてきたんじゃねぇ。連れてこられたんだ。全く権力者っていうのはいつもこう・・・ぶつぶつ。」
「王の御前である。口を控えよ。」
「いいや。俺は道化者だからはっきり言わせてもらう!はっきり言って迷惑だ。いきなりこんなところに連れて来られてふがっ」
「ごめん。少し黙っていてくれないか。」
ピエロが文句を最後まで言えなかったのは、ハンサム王子が手で口を押さえたからです。普段なんでもはっきり言ってしまうハンサム王子も父親の前ではこうするしかなったのでしょう。
「それで父上。この道化者に何か御用ですか?」
「そうだな。実は最近世界中の王達の間ではある奇妙な道化者の話が持ちきりでな。わしも会ってみたいと、公開手配したわけだ。」
「はっ?おい。ハンサム王子!この国の名前は、のんびり、のんびり、のんびり国だよな?」
「いや。みんなビケイになれちゃうよ国だ。」
「なんだって!!」
ピエロは頭を抱えました。まさか自分を公開手配していた国に自分から来てしまうなんて夢にも思っていなかったからです。
「なんてこった!避けて通るはずの国に自分から来ちまうなんて!!」
「気づかなかったのか?」
「気づかねえよ。普通。(なんでもそのままの状態で複製する魔法が使える)中途半端な魔法使いなんて、軍事利用されるだけだと思うじゃん。」
「そうなのか?」
「大体はそうでありますな。我が国は王が、自分を磨くことにしか興味がないので、その辺は全然です。」
「なんだそれ!それでそのイケオジになっちゃうのー三世様がこの俺に何のようだ?」
「うむ。まずは、人払いじゃ!ほれっ!色付きドームand防音魔法をほいっ!」
そういうとイケオジになっちゃうのー三世は、片手を鳴らし色付きドームを作りました。
「これでよし、大臣、ドームの中に入っているのは儂ら4人だけじゃろうな?」
「はい。王、我々4人だけです。他のものにはドームの中はおろか音すらもれません。」
「ではうぉふぉん。頼む道化者!王妃のブローチを直ししてくれ!」
「はぁ?」
「義母様のブローチ?」
「王落ち着いてください!!」
10分後落ち着いた王様が言うには、王妃様のお気に入りの半分に割れていた宝石が粉々になってしまったので、直してほしいとのことでした。王様の頼みを聞いたピエロは深いため息をつきました。今まで追われていた理由がこんなことだったなんて馬鹿馬鹿しくて怒る気にもなれなかったからです。
「それにしてもこの国には、たくさんの魔法を使う職人がいるはずなのに、どうしてこのピエロでなければダメだったのですか?父上?」
「それはなぁこの道化者がその状態のまま復元する魔法を使うからよ。」
「おいちょっと待て!おれの魔法はその状態のまま複製するやつだ!復元じゃねえぞ。」
「数が増えたぐらいなんだ。形は戻ってるんだから復元だろう!それに他の魔法使いでは新品の状態にしてしまうので、壊したことがバレてしまう。」
「あー」
「なるほど。」
「理由を話したところで、道化者を復元を頼む。」
「しょうがねえな。」
ピエロは魔法の杖を異空間から取り出すと、粉々になったブローチに向かって呪文を唱えます。
「宝石よ宝石!元にもどリンボ!」
すると宝石が光に包まれ、光が収まると宝石部分が半分だけかけたブローチが現れました。
「よかった!これで王妃に怒られなくて済む!」
「あら、何を怒られなくてすむんですの?」
「王妃!」
「義母上」
そこに王妃様が現れました。
「なんで!ドームは?」
見るとドームがありません。
「どういうことだ。ドームは?」
「ドーム?蹴り消しましたよ。あんなもの。」
「あんなものって、儂が何十年もかけて構築した。」
「王妃様。どうしてここに?」
「夫が探していた道化者が見つかったと言うので見に来たのです。」
肩を落として凹んでいる王様を無視して王妃様が
ハンサムに訳を聞いてきました。
「それでハンサムお前達はここで何をしていたの?隣にいるのは夫が探していた道化者もいるし、素直なお前のことだから義母に何でも話してくれるわよね?」
(ハンサム、言うなよ!)
いくらピエロにだって王妃様に言ってはいけないことくらいわかっています。だけど何でも喋ってしまうハンサム王子は健在でした。
「父上が壊した半分だけの宝石のブローチを直していたのだ!」
「ハンサムーーー!?」
「王子ーーー!?」
「おい!?」
「へぇ。」
こうして王様のこっそり王妃のブローチ直しちゃうかな大作戦は幕を閉じました。
どこかに連れて行かれた王様がどうなったかは誰にも知りません。ただ翌日の謁見の間の王座には包帯だらけの物体が座っていたのは言うまでもありません。




