2
ピエロが連れてこられた所はとても王族が住むような場所ではなくどこかの家の屋根裏でした。
「ここで下ろしてくれ。」
ハンサム王子が言うとピエロは、乱暴に床に下ろされます。
「いてぇ!おいおい。もっと優しく下ろしやがれ!」
「申し訳ない。」
「まったく。王族だろうとやっていいことと悪いことが・・・うっここは?」
ピエロは部屋の中を見渡しました。
部屋の中は薄暗く、ちいさな窓から差し込む光だけが部屋の中に差し込んでいます。
おまけにその窓も曇っていて外から中を見ることもできず、置いてある家具も全部ボロボロ。ピエロはこりゃあとても王族がいていい場所じゃないなと思いました。
そして訳を聞こうとしてハンサム王子のほうを見た後言葉を飲み込みます。
ピエロの見たハンサム王子の顔がなんだかとても悲しそうな切ない顔をしていたので、聞いちゃいけないようなきがしたからです。
「ここがどういうところか俺には分らねえ。ただこの部屋がとても大切な場所だってことがわかる。」
「そうなのだ。ここは私と母上にとってとても大切なところなのだ。ここなら誰もこないので秘密の話にはもってこいだ。おまけに防音の魔法もかかっている。たとえ中にいるものがどうなろうと誰にもわからない。」
「おいおい。それじゃあ、この部屋は・・・」
「そう牢獄よりも酷い場所だ。さぁ君に協力してほしいことを話そうか。」
ハンサム王子は真剣な目をしてピエロを見て言います。
「まずはじめにピエロ君、君にはパンを沢山複製してほしい!」
それを聞いたピエロはずっこけ思わず真っ赤なつけ鼻を落としそうになりました。
「おーとと。」
慌ててつけ鼻をつけるとハンサム王子に迫ります。
「普通別なものを複製するだろう!?なあなあハンサム王子さんよ。俺りゃぁその状態のものをなんでも複製できるだぜ?パンでなくてもいいだろう?」
「いや、パンでなくては駄目だ!パンならば民に配ることも出来る。」
「やけにパンにこだわるな。」
「はははっすまん。パンは私にとってとても大事な物なのだ。」
「そうかい。」
「それじゃあ頼む、パンを沢山複製してくれ!」
「はいよ。それじゃあパンを1個持ってきてくれ。」
「あっ!すまん。後でいいか?」
「おい!」
「こんなこともあろうかとご用意してございます。」
「ありがとうロッシ!」
ハンサム王子はパンを半分にしました。
それからピエロはどんどんパンを複製しています。
部屋にパンの山ができた頃、ちょうど朝になっていました。
「へえへぇもうマジックポイントがカラッカラだぜ。」
「ここまでよく頑張ってくれた!よしこれで、」
「これで?」
「パンを民に配ってこよう!」
それを聞いたピエロはまた盛大にずっこけます。
「そっちが先かーい!」
ピエロの悲しそうな叫び声が街中に響き渡りました。
読んでくれてありがとうございます。




