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四章 二十二話 外伝 シエの外で…

― トト視点


ミノリという男。

この男の思考と行動は、普通の人とは明らかに違う。

自が考案した物の権利を、子供に渡し、

自の欲しいものより村を優先して報酬を考えていたという。

ガラムがシエという村を特別視する理由が、

ココが到着して数日ではっきりわかった。


たった数日じゃ……

たった数日ミノリに預けただけで、ココの抱えていた問題が分かった。

そして、塞ぎ込んでおったココが、

ワシに向かって自の考えを言ってきおった。


もうただの子ではなく、一人のドワーフとして、成長したようにも思えた。

ドワーフが皆、鍛冶だけをするわけではない……

ココの姉は事実、鍛冶を捨て、料理なんぞやっておる。

それが悪いとは思わなんだが、話を聞いた時は、がっかりしたものじゃ……


じゃがワシのその考えは、ココを見ると誤ったことじゃったと理解できた。

嫌な事を無理やりさせるのは誤りじゃった…

本人が望まんのに、親が子に強要をするのはおかしいことなんじゃ。

ワシはココに強いておった…

いくら鍛冶の腕が優れていようとも、まだ子。

ワシの期待は大きくなりすぎてココへの負担となっとった……

その間違いを指摘してくれたミノリには、

感謝しかないのう……


それにしても飛人とはほんに、面白いのう。

ワシが子の頃に会った英雄は平和のため、

龍とともに歩み、魔物を倒し、村を助け、

最後には国の礎すら作り上げた…


しかしミノリは違う。

戦う力はないに等しい。

ワシの魔力圧すら防げん様ではの。

しかし、ワシの魔力を受け、

自の考えを必死で伝え、

ワシの過ちを指摘した。

魔や武に関しては英雄とは似ても似つかん。

じゃが…子を守ろうとする意志は、

この世界のどの種族よりも強く感じる。


飛人とは、いや…ミノリという男は、

何をなすのか今後が楽しみじゃ……



― ガラム視点

ゼニスに戻った私は商会長である、父上に呼ばれていた。

私はヨハンを伴い、商会長室へと足を運んだ。


「父上。ただいまもどりました。

しかし戻った早々どうなされましたか?」


ガラン「おお、ガラム。

良く戻った。

お前が見つけた木吊り台は他国でも人気があり、

その作製権は我が商会へ多大な貢献をしているぞ。

流石私の名前を受け継いだ者。見事だ。」


「勿体ないお言葉、ありがとうございます。

それでご用件は?」


ガラン「父と子の話をするでもなく、即座に用件か?

少し寂しいぞ…」


「父上…分かりました。

そういう事でしたら……」


三十分ほど、何気ない会話をした後、

父上は私に本題を切り出してきた。


ガラン「それで、お前が気に入っている村、シエと言ったか?

今後どうなると思っている?」


「そうですね…あの村は、間違いなく発展しますよ。」


ガラン「そう思うか…」


「はい。確実に……

ただ疑念もぬぐえません。」


ガラン「疑念?」


「はい。

あの村はのどかで平和な村です。

あの村が大きくなりすぎるのは正直私個人としては、

受け入れたくない事案になります。」


ガラン「どういうことだ?

発展するのなら大きくした方が良いではないか。」


「……正直に申し上げます。

あの村を発展させるのなら、むしろ村ではなく、

周りを使うべきだと具申いたします。」


ガラン「周りを使う?」


「はい。シエ村の発展はある程度にとどめ、

村の近くに新たに街を築くのです。」


ガラン「お前は何を言っている?

そんな事をすればどれほどの金がかかるか。」


「勘違いなさらないで下さい。

今すぐというわけではないです。

将来シエ村を発展させるのならという話です。

あの村は今の状態が一番いい状態だと思っております。

外部の者が手を加えていいものではないと思います。」


ガラン「お前がなぜ、そういう判断をするのか、

理解出来んのだが……」


ヨハン「横から失礼いたします、ガラン様。

私もガラム様の言葉を推奨いたします。」


ガラン「お前までか?」


ヨハン「はい。あの村の空気は素晴らしいものです。

それを外部の者が手を加えてしまえば、

いずれ後悔するような気がするのです…」


ガラン「お前の直感は信じてはいるが……」


「父上。あくまで未来の話です。

あの村は確実に目立つ存在になります。

その時に村を町にするのではなく、

いずれ必要になった時は村にではなく、

数日程度離れた場所を開拓したほうが、

良いという話をしているのです。」


ガラン「なるほどな…

直接村をではなく、村の近くにか…」


「はい。あの村には、あののどかな日常を守って欲しい。

私はそう、個人的に思っております。」


ヨハン「私もガラム様に同意見です。」


「あの村を存続させるには、

人は必要になるでしょう。

拡張は避けられません。

ですが、村の雰囲気を壊すのは反対です。

村を拡張するのなら、村の人たちの元、

必要に応じて最低限……それが一番かと…」


ガラン「なるほどな。

しかし、お前がそこまで目をかける村か…

何とか支店は作っておきたいが……」


「小規模の支店なら問題ないかと思います。

ただあの村は辺境故、それほど儲けが出るようには思えないですが…

ですが、あの村と常につながりを持つのには賛成します。

あとメルカティス支店からではどうしても、

ニ、三週間ほど時間がかかります。

その距離を少しでも埋めておきたいとも思っております。

シエ村に支店を作るのなら、メルカティスとファブリカの間にある、

メルカティスの街道町、「ローディス」そこに中継地点として、

小規模の商店を作るのは如何でしょうか?」


ガラン「ほう…ローディスか。

確かにあの街道町は立派な宿屋街であり、

商店を置くにも問題はないな。」


「はい。その上で、シエ村にも小さな支店を作り、

シエ村の特産品と、シエ村で必要な物を交換し続け、

シエ村とのつながりを維持しようかと思っております。」


ガラン「お前の言う通りならそれも一手か…

よし。お前の気持ちは分かった。

だが、お前だけの判断では決められん。

次の行商は私も付いて行こう。

そして私自身の目でその判断を下す。」


「父上が自ら!?」


ヨハン「ガラン様…流石にそこまでなさるのは…」


ガラン「問題ない。あくまでメルカティス支店の視察目的だ。

ローディスに店を出す視察として付いて行けば問題なかろう。」


「なるほど…分かりました。ではそのように。」


ヨハン「では、護衛はいつも以上に増やさせて頂きます。」


ガラン「その辺はお前に任せよう。」


ヨハン「ありがとうございます」


さて…大ごとになってきた……

父上まで興味を持ったか。

私のせいだとはいえ、自ら動こうとは……

これは楽しみになってきた。




外伝をお読みいただきありがとうございます。


毎回追いかけてくれる方がいらっしゃるようで、

お礼を言いたいけど今まで言えなかったので、

この場を借りて。


本作を外伝までお読みいただいている方。

また、たまたまこの話を読んでいる本編のみの方も

心より感謝します。

ありがとうございます。


つたない文章なので、読みにくいとは思いますが、

私自身、ルカやソエルという子供たちが好きなので、

今後も続けていけたらと思っています。


もし疑問や、話が違うんじゃ?や、これ違うんじゃない?

などがあれば、遠慮なくおっしゃってください。

私個人としてもこの作品が良くなるのなら修正していきます。


誹謗中傷は困りますが、

話の食い違いなどの指摘は、

私としても有難いものになると思っています。


ただ内容などは既に組みあがっておりますので、

その辺の修正は難しいです。

内容の大幅な変更などは出来ないことをご理解ください。

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