四章 十八話 ミノリ
ココちゃんが到着したその日は自己紹介と、
今後の相談をした。
その後……
カカさん達は移動してきたばかりだという事で、
その日はそのまま食事を取り早めに休むことになった。
翌日珍しく皆より早く目を覚ました私は、
暖炉のある部屋で、固まって眠る皆を、
起こさないようにしながら、外へと出た。
まだ薄暗く冷え込んだ朝のシエの村を感じていた。
ふと見るとうっすらと雪が降っている。
(初めて見た……)
いや正確には初めてではないんだけど、
雪の降る世界をただ黙って眺めていた。
たった数分、私はその景色を見ていた。
何をするわけでもなくただうっすらと、
日の光で見える範囲で降る雪を、
ただその世界を黙って見つめる……
ココちゃんは親とのすれ違いで心に傷を負った…
そしてそのショックで心を閉ざした?
いや、閉ざしたと言って良いんだろうか…
話しかければ答えてくれるし、食事もしっかりとってくれていた。
ソエルの時ほど絶望的じゃない。
それは間違いないんだけど、
私の考えが正しいのか間違えているのか、
専門的な知識もなく、ただ体験しただけの私が、
どこまで出来るのか…
それでもココちゃんが元気になって、
ルカとソエルと一緒に笑いながら遊んでいる姿を、
私は見てみたい。
いや、きっとそうなるようにしてみせる……
……
しばらくさらさらと降る雪を眺めた後ふと気が付いた。
冷え込んでくると鼻で息をするって難しいんだな……
そんな事を思いながら、この寒さを体験する…
口を覆った部分を下にずらし口を晒す。
口から出る息は薄暗い世界を、雪と同じような綺麗な白で、
目の前の世界を染め上げる。
口から出る白い息は、生前では見る事がほとんどなかった光景。
白い息をしばらく見つめた後、空へ顔を向け目を閉じる。
(イルミナ様、アルティオ様、レピエ様……
ルカとソエルは可愛いし、サウロさんやマローネさんは、
本当の家族になってくれました。
メリイという子供を見守る大事な同僚も出来ました。
シエという素晴らしい村に来れて私は幸せ者です。
村の外には危険もあります。
私が経験していない場所は過酷な世界なのかもしれません。
それでも私はこの世界が大好きになりました。
ルカやソエル、そして新しく来たココ。
村の子供たちも皆、純粋に頑張って生きています。
ココはつらい事を経験してなお、
頑張って生きています。
私を助けてくれた、あなた方の感謝の気持ちを、
ココに…この世界の子供たちに、
私が出来る限り、返していきたいと思っています。
私の手の届く範囲で、頑張ります。)
助けてもらった神々の名を呼び、
感謝と今後の決意を伝えた。




