四章 十三話 村長とため池の相談
家に戻り雑談を楽しんでいた私たちは
ソエルの絵文字板で遊ぼうの一言で
みんなで絵文字板を楽しんだ。
しばらく遊んだ後、
サウロさんが私に話しかけてきた。
サウロ「ミノリため池の件なんだが、
一応村長にも話を通しておけよ?」
「もちろんです。」
サウロ「わかっているならそれでいい。
それでな、村長に話すなら早いほうが良いぞ。
冬でも作業をするなら、
早いうちに報告はしておけ。
穴をあけてから報告をすると、
誰かが落ちる可能性もあるからな。」
「はい。
日が暮れる前に行ってみようかと思います。
ルカとソエルも一緒に行くかい?」
ルカ、ソエル「「いくー!」」
と見事に声がハモった。
私は笑顔で「じゃあこれから行こうか?」
と声をかけると、
ルカとソエルは急いで部屋に戻り
手袋と帽子を持ってきた。
メリイもソエルの後を追って、
一緒に帽子を持ってきていた。
私も部屋に戻り帽子と手袋を取り、
サウロさん達へ「行ってきます。」と声をかけた。
ルカとソエルも元気に「「行ってきます!」」
と嬉しそうに声をだしていた。
家を出て村長宅へ向かう。
村長の家の目の前にある広場には
今日は子供の姿が見えない。
いつも賑やかな声が聞こえる場所も
冷え込んできた今はその声も聞こえてこなかった。
「今日は誰も居ないね。」
私がそうつぶやくと、ルカが
「今日は寒いもん。」と答えた。
それを聞いたソエルは
「そうだね。でも私はメリイねえがいるからあったかーい。」
と言ってメリイに抱き着いた。
メリイは無言で受け入れている。
手をつないだルカと一緒に笑顔でその光景を見ながら、
村長宅に到着した。
扉をノックして暫く待つと中からセリアさんが出てきた。
セリア「あら?皆さんお揃いでどうされました?」
「こんにちは、セリアさん。
村長はいらっしゃいますか?」
セリア「ええ、いますよ。
中へどうぞ。」
そういって中へ案内してくれた。
今日は冷えているので奥の部屋へどうぞ。
奥の部屋に案内されると
暖炉のある部屋で村長は書類を整理していた。
村長「皆お揃いで珍しいのう。
今日はどうしたんじゃ?」
「こんにちは。村長。
トトさんが水路を作るというお話はご存じですよね?」
村長「その話は聞いておるよ。」
「実はその手伝いをする事になっているのですが、
水路とは別にため池を作ろうかと思っていまして。」
村長「ため池?」
村長の目つきが少し細められた。
「そうです。
折角水路を作るなら、
畑以外にも使えるようにため池を作ろうかと。」
村長「この村にとっては有難い事じゃが…」
「幸い私にはクリエイトのスキルがあります。
土を掘ったり圧縮して固めたりも出来るので、
他の人より少しは楽に作れると思うんです。」
村長「なるほどのう…
スキルを持っとるのは聞いておったが、
珍しいスキルじゃのう。」
「それでそのため池なんですが、
北の方にある倉庫の横に作ろうかと。」
村長「ワシとしては大歓迎じゃよ。
ため池が出来れば便利になりそうじゃ。」
「私もそう思います。
畑の為の水路経由で家畜の水やりも楽になるかなと。」
村長「じゃのう…
他の皆も助かるじゃろうて。
そういう事ならワシの方からも頼もう。
宜しく頼む。」
「はい。
お引き受けします。」
アニス「そういう事なら一度どのくらいの大きさか、
確かめておきたいですね。
ため池を作った後の管理をするのも、
今はまだ分かっていないので、
先に大きさは把握しておきたいです。」
「そうですね。
今お時間が大丈夫なら一緒に現場に行って、
どれ位が良いか教えて頂ければ、
その範囲で作ろうかと思いますが…」
村長「それはいいのう。
ではそうしようかの。
セリアも良いじゃろう?」
セリア「はい、もちろんです。」
村長「では今から行こうかの。
暫く待っとってくれ。」
そう言って部屋を出て行った。
セリア「私も服を取ってきますね。」
そう言ってセリアさんも部屋を出て行った。
ルカ「これから村長さんたちと、
ため池を作るところに行くの?」
「そうだね。
これから村長とセリアさんと一緒に、
ため池の大きさを確認して決める事になるね。」
ソエル「わーい。
じーじと一緒にお散歩。」
と嬉しそうにしている。
こうして村長とセリアさんと一緒に
ため池を作る予定の場所まで
歩くことになった。
ソエルは村長さんと、ルカはセリアさんと、
手をつないで嬉しそうに歩いている。
私とメリイはその様子を眺めながら後を歩いた。
予定の場所について「このあたりですね。」と伝える。
村長は「なるほどのう。」
と呟くとセリアさんと話し始めた。
しばらく待つと村長が話しかけてきた。
村長「のう、ミノリよ。
ため池の場所はもう少し倉庫から離せんかの?」
「それは構いませんがどうしました?」
村長「倉庫に近いと、
肥料を取りに来た子供が、
落ちる可能性もあるのでな。」
「子供が肥料を取りに来るのですか?」
セリア「それは当然ですよ。
子供も大事な労働力ですよ。」
(ここでも私の認識の違いがあったか…)
反省をしつつ答える。
「分かりました。
では倉庫と畑の間の、
少し離れた場所に作りましょうか。」
村長「そうしてくれると助かる。」
「ではそうします。
都合のいい場所などはありますか?」
そういうと村長とセリアさんは
少し話しをして歩き出した。
私達も付いて行く。
村長「このあたりかの。」
倉庫と畑の場所の間の位置に来て
ここだと教えてくれた。
「分かりました。
でも離れすぎると大変ではないですか?」
セリア「今までは川から運んでいたのですよ?
それがこの距離になるのなら、
十分すぎるほど楽になりますよ。」
「そうですか。
では大きさの指定とかもありますか?」
セリア「可能であれば広場の半分くらいあれば、
十分すぎる大きさかと思います。」
「分かりました。
あと村長がおっしゃった事を踏まえて
ため池の周りに柵を付けたほうが、
良いかもしれないですね。」
村長「そうしてくれると助かるのう。」
「わかりました。」
セリア「大丈夫ですか?
一人でやる規模じゃないと思うのですが…」
「はい。時間をかけて作りますし、
ルカとソエルも手伝ってくれるそうなので。」
そういうと、ルカとソエルは「まかせて」と
笑顔で伝えていた。
セリア「わかりました。
宜しくお願いします。」
こうしてため池の場所と大きさも決まり、
いよいよ行動を始めようと思った。




