四章 十二話 サウロ家のため池計画
サウロ家に戻った私たちは、
トトさんと川を北上して歩いたこと。
採石場付近から水路を引く事。
それを川下へつなげる事。
村の北にある肥料倉庫付近に
ため池を作る計画を話をした。
サウロ「水路の話から何でため池にまで行くんだ?
ミノリお前、何考えている?」
「ため池があれば、
いざという時に役に立ちますから。
それに近場にため池があれば、
水路だけじゃなく、
家畜や畑の水にも余裕ができると思います。
そうすれば子供と過ごせる時間も、
増えそうじゃないですか。」
サウロ「……お前の考えが何となくわかった。
お前、子供の事になると飛躍した発想が出るな…」
マローネ「本当ね。
少し心配になるわよ?」
「気を付けます。
ただため池に関しては、
良い事ばかりだと思っています。」
サウロ「そりゃそうだが…
お前どれだけ大変か分かっているのか?
踏みつぶされた地面は掘り返すのも大変なんだぞ?」
「その事ですが、
私のスキルを使おうかと思っています。
出来るだけスキルを使わず、
体を使って作りたいとは思いますけど、
ため池は村に必要な物だと思っているので、
私のスキルを使ってしっかり作ろうと思います。
これはトトさんの村の為に水路をという、
優しい気持ちに答えたいためでもあります。
それにうまく行けば私の念願も叶いそうですし。」
サウロ「念願?」
マローネ「何かしら?興味あるわね。」
「今は内緒です。
正直それを叶えるのは
大変なので。」
そういって少し肩を落としてしまった。
サウロ「まあいい。
お前のやりたい事をやれと言ったんだ。
俺は応援する。
何か手が必要なら声をかけろ。
冬の間なら手は空いているし、
冬が明けても仕事がない時は、
いつでも手伝ってやる。」
マローネ「もちろん私もね。」
と二人が心強い言葉をかけてくれた。
ルカとソエルとメリイは黙って聞いていたけど、
笑顔のまま無言でうなずいていた。
「ありがとうございます。
ルカ、ソエル、メリイもありがとう。」
と心からの感謝を伝えた。
次の日、さっそく私たち家族は
皆でため池を作るための場所を確認するために、
北側の倉庫へと来ていた。
「ここから北西の方から水路が通る予定です。
なので倉庫と畑の間位に作ろうかと思うのですが、
どう思いますか?」
サウロ「水路はここまで通して終わりか?
それとも畑まで伸ばすのか?」
「すみません。言ってませんでしたね。
ため池を通って畑に水路を伸ばして、
そのまま川下へ流して、
川に戻すそうです。」
サウロ「想像以上にでかい計画になっているな。」
マローネ「そうね。
村の為には確かになりそうだけど、
あなたとトトさんの負担もすごいんじゃない?
無理は本当に駄目よ?」
「大丈夫です。
私はそこまで無理をする気はないので。
少しづつ作っていきますよ。
それにトトさんのお子さんが来たら、
そっちを優先しますので。」
サウロ「それならいい。」
ルカ「ねーねー。おにいちゃん。
ため池ってどれくらいの大きさにするの?」
「そうだね……
大きければ大きいほど良いんだけど、
大きすぎるのも困るのかな…」
ルカ「そっか……
ねー、ソエル。
熱い時に水浴び出来たら楽しそうじゃない?」
少し退屈そうにしていたソエルが
ルカの一言で急に元気になった。
ソエル「なにそれ!たのしそう!
ミノリにい。水浴びできるようにできる?」
「ええっと…出来る事は出来るんだけど、
水浴びは大人がいないと危ない事もあるから。」
ソエル「そっかー残念。」
明らかに残念そうな顔をしてしまった。
私は少し考えて教えてあげる。
「でも各家庭で大人がいる時に
水を運んで水遊びとかは出来ると思うよ?
水をためる大きめの木桶を作れば、
夏場は涼しく遊べるようになるかもね。」
サウロ「そりゃいいな。
水桶なら俺たちの仕事だな。
なあマローネ。」
マローネ「そうね。
それなら私達でもできるわよ?」
「ではそうしましょうか。
まーため池が出来ない事には始まらないのですが…」
少し苦笑いで言ってしまった。
メリイ「お前が子供の為に考えたのなら、
何とかするだろう?
お前は子供が絡むと、
何をしでかすか分からないからな。」
サウロ「違いないな。」
メリイの一言で笑いが広がった。




