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四章 十話 トトさんへのお願い

最近は毎日、冬に備えたマキを

三件の木工場の倉庫と集会所に集めていた。


最近冷え込んできたので

各家庭が近くの木工場か集会所へ、

少しづつ受け取りにくるようになったそうだ。


サウロ家は北東の柵付近にあるため

取りに来る人はサウロ家に用事のある人か

マローネさんの友達のセリアさんと

シオンさんやアルドさん位だった。


アルドさんの家は村の反対側に近い。

サウロ家から結構離れているけど、

サウロ家から受け取るようにしているそうだ。

何でも元気な俺がサウロ家で受け取れば、

その分他の人が、

近くの場所で受け取れるかららしい。


あとは他の木工場や集会所の保存したマキが減ったら

サウロ家から運び入れて補充する事になるらしい。


防寒着を着ての伐採作業は少々動きづらかったけど

一週間が過ぎると大分慣れてきた。


裁縫師ががんばったのか、

村の子供たちの耳帽子も増えてきていた。

子供たちがお互いの耳を触って、

楽しそうに話をしているのを見て私まで笑顔になった。


子供が帽子の耳部分に顔をうずめているのを見て、

耳の部分に香草を乾燥させていい匂いをさせたら面白いかも?

と考えたりもした。


マキ集めがひと段落した事で部屋の改築も進み

ガラムさんが村を出て三週間がたつ頃には

壁の補強も終わってしっかりと防寒対策をした部屋が、

しっかりと完成した。

予定通りならあと一週間ほどでトトさんの子供が、

シエの村に到着するはずだ。


いよいよと感じつつ、

少し不安な気持ちもありつつも、

早く会ってみたいと思う気持ちがあった…


村の雰囲気は普段の、のんびりした雰囲気に戻り、

寒空の中でも子供たちの走り回る姿が、

戻り始めていた。

いつも以上に元気に竹とんぼを追いかけている子供もいた。


マキ用の木材を割る作業がひと段落した翌日。

私はトトさんに会いに行くことにした。


「サウロさん、今日はトトさんに会ってきますね。

トトさんの子供がそろそろ到着するころだと思うので、

一度、お子さんの事について話を聞いてきます。」


サウロ「わかった。

しっかり話し合ってこい。

俺たちの準備は出来ている事。

伝えてきてくれ。」


「わかりました。」


ソエル「トトじいの所に行くの?

私も一緒に行くー!」


ルカ「ボクも一緒に行きたい。

おとうさん良いでしょ?」


サウロ「もちろんだ。

俺たちの冬の準備はほぼ終わった。

ルカの好きにして良いぞ。

もちろん、ソエルもだ。」


ルカ「わーい!ありがとう。」


ソエル「ありがとう。サウロおじさん!」


と子供二人はついてくる気満々だった。

ソエルは特にトトさんに会いたがっていた。


ルカとソエルとメリイと一緒に、

トトさんが住んでいるロクさんのお宅へと向かった。


今日は子供たちも一緒なので、

裏手の家の方から扉をノックしたけど、

誰も居ないのか反応がなかった。


誰も出てこなくてトトさんに会えないのかと

ルカとソエルががっかりしていると、

木工場の方からマキを割る音が聞こえていたので、

そこで聞こうと思い木工場の方へ向かった。


門の手前でメリイに子供たちを任せて中に入り

確認するとトトさんやロクさんが、

丸太を割ってマキを作っていた。


私がトトさんに声をかけると、

「おお、ミノリ」と作業を中断して

こちらに来てくれた。


「お疲れ様です。

今日は子供の部屋の準備が出来た事を報告にきました。

あとソエルとルカが会いたそうにしていたので、

一緒に来ています。」


そう伝えると嬉しそうにロクさんに、

少し出てくると言って門の方へと向かっていった。


「お邪魔してすみません。」

とロクさんに伝えると、


ロク「もうほとんど終わっていた。

これはただの時間潰しだ、気にするな。」

と言ってくれた。


ロクさんと木工場の人たちに挨拶をして門に戻ると、

ルカとソエルはトトさんと嬉しそうに会話をしていた。

身長は三人とも似ているからか、

後姿を見たらただの友達にも見える。


私が戻るとトトさんが声をかけてくる。


トト「話は聞いた。

ココの為に動いてくれた事。感謝する。」

と頭を下げた。


「止めて下さい。

私がしたかっただけです。

ルカとソエルも同じですよ。

ね?ルカ、ソエル?」


ルカ「うん!」

ソエル「そうだよ。」


ルカとソエルの言葉を受け、

二人の頭を撫でながら感謝を伝えていた。


「トトさんのおっしゃったとおりなら、

近いうちにココさんは到着するんですよね?」


トト「そうじゃの。

ただ次はガラムの母国への帰路じゃ。

南の交易品を届ける事になる。

少し遅れるかもしれんがのう。」


「受け入れの準備は早いほうが良いですから。」

と伝えると、トトさんは「そうじゃの」と笑顔で返した。


「それでもう一つ確認というかお願いがあります。」


トト「なんじゃ?お前には世話になる。

ワシが出来る事なら何でも言ってくれい。」


「ありがとうございます。

トトさんが水路を作ると聞いたので、

良ければ私も手伝わせてほしいんです。」

そう私が伝えると、ルカとソエルも声を上げた。


ルカ「ボクも手伝いたいです。」

ソエル「私も手伝いたい。

トトじいと一緒にお仕事!」

と子供二人の言葉を聞いたトトさんは、

少し考え込んでいた。

嫌そうにじゃない。

ただ嬉しそうに…


トト「そうか。

しかし少し村から離れる場所からの作業になる。

子には厳しいと思うがのう…」


ルカ「大丈夫だよ。

ボクは森に入って歩いてるし、

台車も引いてるんだよ!」


ソエル「私も!

作業のない日は走り回ってるもん。」


「トトさんが嫌じゃなければ、

一緒に行動させてください。」


トト「お前さんに、ルカにソエルも一緒か。

これは水路作りも楽しく出来そうじゃのう。」

そういってルカとソエルに向かって声をかける。


トト「ルカ。ソエル。

ワシもお前さんらと一緒に動きたい。

是非手伝ってくれい。」


それを聞いたルカとソエルは

「トトさんとの作業だー!」

「トトじいと一緒だー!」

と二人で大喜びしていた。


嬉しそうなルカ、ソエル、トトさんを見て

私とメリイも自然に笑顔になっていた。

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