四章 九話 外伝 トトの一週間(2)
この村に来て二週間がたっていた。
トトは村に水路を引く経路の為に、
川を何度も北上して調べていた。
「うまい具合に北から南へと流れておった。
これなら水路を引けばうまく流れてくれそうじゃ。」
水路の出発点を大まかに決めたトトは、
村へと向かって歩いて行く。
「村の畑は西側じゃったか…」
(それにしても、こう歩いたのは何十年ぶりじゃろうか。
ガランにやとわれて三十年ほどか…
街にこもり鉄を打ち農具や武器防具を作る。
充実した日々じゃった。
なにより、ココを授かった。
ワシの一番の宝物じゃ……
じゃが若いころのように、
国中を跨いで歩くという事は出来んようになった。
それだけが心残りかのう……)
しばらく歩くとシエ村の四角い大きな建物が見えた。
「あれは北側にあった倉庫じゃの。
ならもっと右側じゃな…」
方向を修正しながら進むと畑が見えた。
後ろを振り返り、
来た方向を確認する。
「だいたい分かった。
もう少し南よりから作る方が良さそうじゃな。
もう数日、歩いて水路の道を、
使いやすい様に考えようかの。
うまくいけば村人も余裕が出来るじゃろう。
そうなれば子も喜ぶじゃろうて…」
シエの村の子供たちが
喜ぶ姿を想像して笑顔になる。
「ココが元気になって、
ルカやソエルと一緒に遊ぶ姿をはよ見たいのう。」
近い将来の望んでいる時間を
想像しながら村の為に歩き続ける。
そうしてトトの水路つくりは地道ながらも
着実に進んでいった。




