四章 八話 村のために
今日ガラムさんが出発する予定の日。
私は一人挨拶をするために集会所に向かった。
ガラムさんはすでに表に出て出発の準備をしていた。
「ガラムさん。見送りに来ました。
もう出発するんですね。」
ガラム「これはこれは、ミノリさん。
お見送り、ありがとうございます。
ええ、今回はドドさんの件もありますで、
早めに立とうと思います。」
「そうですか、最近何度もお会いしていたので
少し寂しくなりますね。」
ガラム「そうおっしゃっていただけて嬉しい限りです。
今回は普段の行商ルートをそれた形になりますので、
次の行商は例年より少し遅れると思います。
なので、干し肉や塩などを耳帽子の権利の代金として
ルカくんとソエルちゃんの帽子と一緒に届けます。
この事は村長にも言ってあります。」
「何から何まで本当にありがとうございます。」
ガラム「お気になさらずに。
当商会にも利益はありますので。」
会話がひと段落したころにヨハンさんが声をかけてくる。
「ガラム様。準備が整いました。」
ガラム「そうか…ではミノリさん。
またお会いしましょう。
ドドさんを宜しくお願いします。」
「はい。ありがとうございました。」
ガラムさんが馬車に乗り込んだ後、
ヨハンさんは私へお辞儀をして馬車へと乗り込んだ。
そうして三台の馬車はシエの村を後にした。
ガラムさんに集中していて気が付かなかったけど、
集会所の入り口の前にセリアさんとアニスさんがいた。
「おはようございます。
気が付かず申し訳ないです。」
セリア「おはようございます。
私たちの事は気にしないでください。」
アニス「そうですよ。それに聞きましたよ。
ドドさんのお子さんを預かるんだそうですね。」
「はい。そうですね…」
セリア「何か不安そうにしてますけど、
ミノリさんなら大丈夫じゃないですか?
ソエルちゃんも元気になったんですから。」
「そうなると嬉しいです。
やっぱり子供には笑顔でいてほしいですからね。」
二人も「そうですね」と頷いてくれた。
「それでは、私は作業があるので戻ります。」
アニスさんとセリアさんが「「いってらっしゃい」」
と笑顔で言ってくれた。
この何気ない一言が嬉しい。
ガラムさんを見送った私は、
いつもの木こり作業をするために森へと向かった。
―――
トト視点 石工場
ワシは、村に残る。
そして鉄を打つうえで、
どこに工房を作るのかを、考えることにした。
石工場でも良いが、ここはロクの場所。
ワシが居っては意味がない。
村の事を考えたら工房は分けた方が良かろう。
それにわし一人ならもう少し狭くても良い。
この村なら武具を叩く事は無かろうし、
農具ならすぐに配れば済む。
保管場所も要らんじゃろう。
ロクに鉄の音を話したら、
村の中で打つのは気が引けると言うとった。
ならワシの工房を村の外に作り、
鉄を打つ時だけロクが来れば済む。
そうすれば村も守れるじゃろう…
そう思ったワシは村の外を歩くことにした。
西に歩くと川があって、
魚もとれるそうじゃ。
良い川じゃのう。
上流へ向かうと滝がありその近くに石採掘場があった。
中に入り壁を見つめる。
ところどころ横紋の断層が見える。
鉄が採れる可能性はあるが
大規模に掘り起こすのは性に合わんし、
村の人の負担も増える。
掘り起こすのは無しじゃのう……
一度戻り川を見ようかの。
一度川に戻り川底の砂利や石、
砂などを手に取りじっくり眺める。
ごく少量じゃが鉄が混じってはおる…
じゃがこれで村の鉄の自給は難しそうじゃのう。
これは村の産業に頑張って貰って
鉄を手に入れたほうが早そうじゃ。
ワシは村の為に何か出来ることはないかと
考えることにした。
村に残り、川と石採掘場を見た日から一週間。
村の中を見て回り人と話し、
村の中に工房は合わんと改めて判断した。
そこで村長に村の外に工房を作る事。
その木材の調達をお願いする。
その見返りに冬の間に、
ワシが水路を作ることを持ち掛けた。
幸いワシには加工スキルの他に土スキルも持っている。
穴を掘り補強する事も出来る。
それを生かそうかと思った。
村長は喜んで木工場に相談すると言っとった。
これでワシの当分の仕事は見つかったかのう……
先のワシのやるべきことは決まった。
後は、ココが来てからになるのう…
本編をお読みいただき、ありがとうございます。
投稿日の昼の12時にトト視点を描いた外伝を投稿します。
読まなくても本編に関係ないんですが、
興味があれば読んでみてください。
ドワーフが出てきてそろそろ設定を説明するべきだと思いました。
ですがあとがきでかくと本編の文字数が増える事と
世界観を壊す可能性があるため
この話が公開、投稿された後に
カクヨムは近況ノート
なろうでは活動報告に乗せようかと思います。
トトが何故トトと名乗るのか。
ガラムや弟子は何故ドドと呼ぶのか。
その辺も分かると思います。
興味のある方は覗いてみてください。




