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四章 二話 石工場

石工場は村の南西に位置していて川に一番近い場所にある。

そこに併設して木工場もある。

私が石工場へ到着するとトトさんが居た。

私が以前鉄の加工をお願いしようとしていた

石工場の責任者と何やら話をしていた。


私は邪魔をしないよう陰で休みながら待つことにした。

暫くするともう一人のドワーフが外へ出てきた。


?「おめえ、なにやってんだ?」


「トトさんと一緒に来た方ですね。

私はこの村の住人でミノリと言います。

トトさんとお約束をしていたのですが、

今取り込み中みたいなので

こうして待っている所です。」


私の言葉を聞き少し警戒している様子。

それでも一応名乗ってくれた。

シシ「俺の名前はシシ。

トルヴェール商会のドド鉄工所から来た。」


(ドド鉄工所…自分の名の付いた工房の名前を名乗らなかったよな…)

私は少し違和感を覚えながらもシシさんとの話に意識を戻した。


シシ「親方の話もそろそろ終わる。

約束があるなら親方を待たせるな。」


「その通りですね。

では声をかけてみようと思います。」


シシ「俺は疲れたから宿舎に戻る。

親方に失礼を働いたらゆるさねえぞ。」


「もちろんです。」


そう言い残してシシさんは宿舎、集会所へ戻って行った。

私は門を抜け敷地に入って声をかけた。


「トトさん。」


その声に視線を向けるトトさんと石工の責任者。

以前話したことのある人だ。

そういえばまだ直接名前を聞いていなかったな…


トト「もう終わったんか?

ワシの方はもう少しかかる。

もう少し待っとってくれ。」


石工「ドドさん。

そいつだよ、俺らに仕事を増やしてくれたのは。

木吊り台の芯の部分を石で作った。

そして俺らに鉄の加工をと考えてくれたのもその男だ。

よく来たなミノリだったか?

お前の話はよく聞いている。

前は名乗らなかったな。

俺の名前はロクだ。」


「お久しぶりです。

ロクさんには以前ご迷惑をおかけしました。」


ロク「前も言ったが、仕事が増えるのは大歓迎だ。

それに俺らの為に動いてることはよく聞いている。

自分の間違いに気が付いて、

すぐに鍛冶師から技術をと、

考えてくれてありがとうな。

お陰で貴重な体験が出来そうだぞ。」

とトトさんを見ながら嬉しそうに答えてくれる。


「そう言って頂けると私の方も助かります。」


トト「……お前が木吊り台を作った?

間違いないのか?」


「ええ、そうなりますね。

井戸の滑車から連想しました。」


ロク「こいつの作った木吊り台は

最近壊れちまったが、

俺らの物より丈夫に仕上がってたぞ。

ウチにほしいくらいだ。」


「大げさすぎますよ。

私はスキルが使えるだけですので。」


ロク「やはりか。

俺も圧縮は使えるがお前ほどじゃねえ。

お前に負けたくなくて圧縮を練習して

今じゃ前より精度が上がったぞ。」


「それは何よりです。」


トト「(構想のみではなくスキルまであるじゃと…)

ミノリよ。

もう少しだけまっとってくれ。

ワシらの相談がすみ次第ワシの話を聞いてくれ。」


ロク「なら先にミノリとの話を先に進めてくれて良い。

ドドさんには滞在中はウチに泊まって貰って、

少しでも教えを受けたい。」


トト「ほう…おもしろいのう…

分かった。ではそうするかの。

ではミノリよ。

少し歩きながら話そうかの」


「分かりました。」

そう言ってロクさんに頭を下げてその場を後にした。

石工の奥にある門から外に出ると平原が広がっていた。


トト「この村はのどかで良いのう。」


「そうですね…私も気に入っています。」


トト「ときにミノリよ。

お前はこの村で心を閉ざしとった子が

数か月で治ったという話を知っておるか?」


「え?どうしてその事を?」

いきなりの内容に少し警戒することにした。


トト「頼む…

正直に答えてくれ…」


短い言葉の中に何か必死な気持ちを感じ取れた。

私は悪意がないと判断して話すことに決める。


「知っていますよ。

というかその子供にトトさんも会ってますよ。」


トト「なんじゃと!?

それはまさかルカか?ソエルか?」


「ソエルですね。

数か月前までは確かに心を閉ざしていました。」


トト「では本当に数か月で治ったというのか…」


「勘違いなさらないでください。

確かに治ったか治ってないかだけで言えば治ったと思います。

でも子供の心は良し悪しに関わらず、

簡単に元に戻る事もあるんです。

だからこの事は本人の前では、

絶対に言わないでくださいね。」


トト「お前医者の経験があるのか?」


「いえ、ありませんよ。

国ではただの一般人でしたよ。」


トト「……お前…飛人じゃな?」


「とびびと?」


トト「外の世界から飛んできたものの事じゃよ……」

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