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三章 十九話 耳付き帽子

メイズの種を植えて二週間がたった。


今日は三人でメイズの芽を確認していた。


土から出た二枚の若葉を付けた

メイズが顔を覗かせていた。

ソエルはそれを見て凄く喜んでいた。


ソエル「見て見て、ルカ。

おうちからお父さんとお母さんが出てきてる。」


ルカ「ほんとだ、可愛いね。」


ソエル「うん、可愛い。

このまま育ってくれるといいけどなー。」


ルカ「そうだね。

大きく育ったらメイズ食べてみたい。」


ソエル「うん、食べてみたいね。」


ルカとソエルの二人は、

メイズが育つのをすごく楽しみにしていた。

もちろん私も同じ気持ちで眺めていた。


さらに一週間が経過した。

本格的に肌寒くなってきたので

いよいよ冬服を本格的に着て行動することになった。


今日は初めて冬服を着ての作業になる。

ソエルとルカは嬉しそうにしていたけど、

やっぱり少し重いのか

いつもの様な軽やかな動きとは

いかない様子だった。


メリイはまだ冬服が不安だったのか、

いつもの服を着ていた。


ソエルが残念な様子で聞いていたけど、

「激しく動くと破けるかもしれないから、

休みの日以外は着ないほうが良い」と

ソエルを納得させていた。


「私も本当はソエルとお揃いにしたいんだけど、

破けては意味がないから…」

と本気で寂しそうにしていた。


次の日の休みの日。

私はルカとソエルとメリイと一緒に

作業場へ来ていた。


そしてルカとソエルは自分の専用の椅子に座り、

メリイは予備の椅子に座っていた。

そして予備のテーブルにはルカの帽子と、

メリイの冬服の上着とワンピースとズボンが並べられていた。


「それじゃあルカとソエルとお揃いで居られるように、

服を少し改良するね。」

そう言って最初はルカの帽子を手に取った。


そして「【クリエイト】」と呟くと

ルカの帽子と両手がうっすらと光って

その形を変えた。

耳を収める部分が出来上がった。


耳の部分は素材が無かったため、

祝福を使って改良した。

そしてワンポイントとして青いリボンを付けた。

その様子を眺めていたルカとソエルは凄い笑顔になり、

いつもとは違う視線を私に向けていた。

そしてその様子を眺めていたメリイは、

目を見開きただ黙って見守っていた。


元のままの色、同じデザインで、

ただ耳を覆う部分が付いただけの帽子。

そこに茶色い三角耳と青いリボンが付いた

かわいらしい帽子が出来あがった。


「ルカ、かぶってみてもらえる?」

そう言ってルカに手渡す。


ルカはそれを被るとすこし帽子を頭の上で動かすと、

「すごいよ!耳がぺったんこにならない。

すごくあったかくて好き。

ありがとう、ミノリおにいちゃん」

そういってそのまま私に抱き着いてきた。


私は笑顔でルカを撫でて落ち着かせた。

その様子を黙ってみていたソエルは

「うわー。すっごくかわいいー。

ルカかわいくて、似合ってるよ!」

と大喜びだ。


そして今度はルカとソエルとメリイの服を

改良することにした。


特にメリイは冒険者だ。

動きやすくするだけなら、スキルで

ノリを薄めて柔らかくするだけで良いと思う。

でもどうせ手を入れるなら、

少しは丈夫にしたい…

そう思ってメリイの服も【クリエイト】を

使うことにした。


そして再び「【クリエイト】」と呟くと

上着が光り、光が収まると

見た目は何も変わっていない服が手元に残った。

そうしてワンピースとズボンも同様に、

柔らかくて少し丈夫なメリイの冬服が完成した。

一応確認してもらうために、

メリイに服一式を渡して「試しに着てみてくれ」と頼む。


メリイは無言で受け取り頷くと家へと戻って行った。


今度は子供たちの服を同じように改良する。


ルカとソエルの服も動きやすくなったのか

凄く嬉しそうに手や足を動かして確認している。

朝のぎこちない動きが無くなって、

いつも通りの動きが、

厚手の服でも出来るようになっていた。


しばらくすると、メリイが戻ってくる。

そしてすごい良い笑顔で、

「これは良いな。

肩や足を動かしても違和感がないぞ。

来る前に本気で動いてみたけど、

全然引っかからない。

ありがとう、ミノリ。

これでソエルとお揃いで居られる。」


そう言って笑顔でお礼を言ってくれる。

私は「気にするな。

それにこれはソエルのためでもあるからな。」

と正直な気持ちを伝えた。


それを聞いたメリイは「お前らしいな」と

またもや笑われた。


メリイを見たソエルは無言でメリイの腕に抱き着いて

「これでお揃いでいられるね!」と

笑顔で見上げていた。

それをメリイは笑顔のままソエルの頭を撫でていた。


ソエルを見て見ると

ルカの帽子を何度も見ていた。

とくに耳の部分だ。


そして「ルカの帽子の耳、可愛いよね。

ミノリにい、私とメリイねえの帽子にもつけてほしい。」

と最初は少し遠慮している様子だったけど

しっかりと自分の言葉でお願いをしてきた。


お願いしてくるソエルが可愛くて

頭を撫でながら、「それくらいならお安い御用だよ。」

と伝えてソエルから帽子を受け取った。

そして、「帽子につける耳はルカと一緒で良いの?」

と聞くと、「ルカともお揃いにしたい」

としっかり伝えてきた。


「わかった。じゃあソエルとメリイの帽子も

ルカとお揃いの耳を付けて、

リボンだけ分かりやすい様に色を変えようか。」


ソエル「うん!」

わくわくした様子を隠すことなく、

体が上下に嬉しそうに跳ねている。


そうして、ソエルとメリイの分の帽子にも

ルカと同じ耳を付けて上げた。

リボンだけはピンク色にして帽子につけた。

耳の付いた自分の帽子を嬉しそうに

耳の部分を触って、

そして頭にかぶる。


そしてルカの横に行って耳を見せるようにして、

「ルカー。これで一緒!」

と凄く良い笑顔で伝えていた。


ルカも嬉しそうに耳の部分を触って

「わー、ソエルかわいい。」

と一緒に大喜びしていた。


私はその様子を眺めた後

メリイに目を向けると、

少し困った笑顔を見せていた。

私が「諦めろ。これもソエルの願いだ。」

と伝えると渋々ながら自分の帽子を渡してきた。


メリイの帽子にも同じ耳を付けて渡した。

それを嬉しそうに見ていたソエルを見たメリイは

諦めたようにかぶると、

ソエルとルカはまた大喜び。


そして私の帽子も取ってきて、

同じように耳を付けた。

こうして四人の耳つき帽子が出来た一日となった。


その夜には、

サウロさんとマローネさんの帽子にも付けることになった。


ソエルの嬉しそうな顔を見て

マローネさんは喜んで受け入れてたけど、

サウロさんは少し微妙な顔をしていたが、

ソエルの笑顔には勝てなかったようだ……

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