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三章 十二話 村のお姉さんたち

メイズの芽が出たのを

家族みんなで見た日からさらに一週間がたっていた。

ソエルとルカは毎日交代で水を与えてくれている。

私も何度か一緒に水を与えて確認していた。


そして今のメイズの芽は

細長い葉が何枚も伸び、

小さな草のような姿になっていた。

まだ人の足首にも届かない。

それでもしっかり育ってくれている。


最近肌寒くなってきていたから少し不安だったけど、

それでも少しずつ成長を続けている。

私は少しの不安と期待を抱きながら、

その小さいメイズの葉を眺めていた。


ルカ「ミノリおにいちゃん。

ゴハンの準備が出来たよ。」

とルカが私を呼びに来てくれた。


「ありがとう、ルカ。

それじゃあ一緒に戻ろうか。」


ルカ「うん!」

そう元気に答えて手を握ってきた。

私はルカの手のぬくもりを感じながら

家へと戻った。


「お待たせしました。」


サウロ「おお、ミノリ。

食後に少し話がある。

ルカとソエルにもだ。」


「話ですか?」


サウロ「そうだ。ちょっとお使いを頼みたい。」


「わかりました、食後で良いんですよね?」


サウロ「ああ、すまないが宜しく頼む。」


「わかりました。」


そう答えて、家族みんなでテーブルについて、

食事を始めた。

おいしいスープを頂いた後、

サウロさんが声をかけてきた。


サウロ「それで何だが、ミノリ。

今日少し肌寒くなっていただろ?」


「そうですね。

さっきメイズの葉を見ながらそう思っていました。」


サウロ「そろそろ冬服を準備しようと思ってな。

最初にアニスの家によって、

アニスと一緒に村長の家へ向かってほしい。」


「アニスさんとですか?

冬服の準備なんですよね?」


サウロ「そうだ。

シエじゃあ冬服の管理は村長がやってくれている。

村では日々の仕事があるからな。

村長が冬服を預かって管理してくれているんだよ。

俺たちが仕事に集中できるようにな。

その為にうちの冬服を受け取ってきてもらいたい。

ルカとソエルも今日は休みにして

一緒に受け取ってきてくれ。

お前とソエルとメリイの分も用意してくれているはずだ。

受け取った後、服を試してみて体に合うか確認しろ。

合わない様なら村長宅に戻って調整してもらうか、

別の服に変えなきゃいけないからな。」


一緒に散歩できることが嬉しいのか、

顔を見合わせて笑っていた。


「そういうことですか…

分かりました。

お気遣いありがとうございます。

それじゃあルカとソエルとメリイと一緒に、

受け取りに行ってきますね。」


サウロ「ああ、その後は子供たちと遊んでやってくれ。

本格的に冷え込んだら遊ぶ機会も減るからな。

宜しく頼む。」


「はい。」


そう答えて、ルカとソエルに顔を向けると

二人とも笑顔で頷いていた。


マローネ「もし合う服がなくても、

調整するのは時間がかかるから、

体に合わなくても、

一度に調整に出さずに一着は受け取っておくのよ?

そうじゃないと後で困るから?」


「わかりました。

それじゃあ今日はルカとソエルに

案内をお願いしようかな。」


ルカ「任せて。」

ソエル「はーい」


と元気な返事が返ってきた。


「それじゃあルカ、ソエル一緒に行こうか。

メリイ、宜しくお願いする。」


メリイ「ああ。」


そうして最近では当たり前になりつつある四人で、

まずはアニスさんの自宅兼お店へ向かった。

店の中からは燻製の良い香りが漂ってきていた。

扉をノックすると中から「はーい」という声が聞こえてきた。

中から出てきたのはアニスさんではなく

セリアさんだった。


「あれ…ここアニスさんの自宅だったのでは?」

そう疑問を口にする。


セリア「そうよ。昨日マローネから、

明日ルカ君とソエルちゃん。

あとミノリさんとメリイさんをアニスの元に、

送ると聞いたから、

どうせなら私も一緒に行こうと思ってね。」


そういって屈みこんでソエルを抱きしめた。

ソエルもそれを受け入れて嬉しそうに

抱きついている。

ほほえましい光景を眺めていると、

奥から「お待たせ」とアニスさんが出てきた。


アニス「ごめんね。今ちょうど冬の為の

保存食を作っていたから。

もう少し早く終わる予定だったんだけど、

少しずれちゃったわ…」

と少し困ったような顔をしていた。


「いえ此方こそ早く来過ぎましたか?」

そう聞くとアニスさんは「大丈夫よ。」

と笑顔で返してくれた。


アニス「それじゃあ一段落したから、

一緒に村長の家へ向かいましょうか。」


そう言ってルカの手を握ってくる。

ルカも笑顔で返して

アニスさんはルカと、

セリアさんはソエルと手をつないで、

中央広場の隣にある村長の家へ向かった。


ルカ「アニスさんと一緒に歩くの久しぶりかも。」

と上機嫌になっている。

ソエルはソエルで、

マローネさんとメリイ以外の女性と手をつないで

村の中を歩くのが嬉しいのか、

歩く足が跳ねるように歩いている。

そのたびに、

手をつないだセリアさんの腕まで上下に揺れていた。


広場では村の子供数人が竹とんぼを飛ばして遊んでいた。

(朝から元気だな)

そう思って竹とんぼで笑顔で遊んでいる子供を見て、

私も嬉しくなっていた。



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