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三章 七話 種のおうち

サウロさんとマローネさんは二人でアニスさんの所で、

冬に向けての相談があるそうで、

二人一緒に出掛けて行った。

メリイは森で訓練を行い

日が真上に来るまでには戻ってくるそうだ。


私とルカとソエルの三人は庭の畑で今日も一緒に作業だ。


「それじゃあルカとソエルは二人で、

収穫したほうの畑の土を混ぜていってほしい。

私は新しい方をならしていくので、

どっちか早い方が後から手伝う形にしようか。」


ルカ「えー、せっかくなんだから三人一緒にしようよ。」


ソエル「そうだよー。

三人並んで今日はするの!」


二人の少し不満ありそうな意見を聞き、

私は考えを改めてその提案を受けることにした。


「それもそうだね。

三人一緒にならんで土を混ぜていこうか。」


「はーい」

「うん」


と二人とも楽しそうに答えて大事そうにしていた

手袋をつけていく。


ルカ「この手袋柔らかくて好き。

ガラムさんのも好きだけど

ミノリおにいちゃんから貰った手袋の方が

指もしっかり動いて楽。」


ソエル「へー、そうなんだ。

私のはまだ届いてないからなー。」


ルカ「今度冬までには届けてくれるらしいよ。

新しい洋服も楽しみだなー。」


ソエル「そうだよねー。

新しい服なんて私初めてだよ!

すっごく楽しみなんだー。」


ルカ「ボクは何度か裁縫師さんに作ってもらったけど、

新しいのって少し硬いんだよ。」


ソエル「えー、そうなの?」


ルカ「うん。

なんかね、毎日着ていると

少しづつ柔らかくなるんだ。」


ソエル「そうなんだ。

硬い服かー。

楽しみだなー」


ルカ「ぼくも楽しみだよ。

ミノリおにいちゃんは?」


「新しいのは硬いのか…

私も初めての経験になりそうで、

楽しみだよ。」


ソエル「一緒だー!

ミノリにいも、初めてなんだね!」


「そうだね。

私が知っている服はサウロさんから頂いた

この作業着と休みの時に着る服一着だから

新しいのはまだ経験がないね。」


ソエル「ミノリにいなら服も作れる?」


「どうだろう。

作ったことがないから作れるとは

言い切れないかな?」


ソエル「そっかー。」


ルカ「作業台作れて服も作れる。

そういう人、あまりいないんだって聞いたことある。

ミノリおにいちゃんは手袋も作れるし、

服も作れそうだけどなー。」


「そうだとしても、

私は作る気はないかなー。

だってそうしちゃうと、

村にいる裁縫師のお家が

物を交換できなるからね。

それじゃ困るだろ?」


ルカ「そっか。

それもそうだね!」


ソエル「あー大人の話し合い?」


「そうだね。

そうやって村の皆で助け合って、

一緒に頑張っていくんだ。

一人が良ければ他はどうでもいい、

そういう事は良くない事なんだよ。」


ソエル「あー、分かった!

私もメリイねえが困るのは嫌だ!」


ルカ「ボクもおとうさんとおかあさんが

困るのは見たくない。」


「そうだね。

私もサウロさんやマローネさん、メリイが、

困るのは見たくないな。

もちろんルカとソエルが困るのも

見たくないよ。」


そういって二人に笑顔を見せると

二人も「ボクも」「私もー」と答えてくれる。


そうして子供達との会話を楽しんでいたら

前からある畑は綺麗に土が混ざって、

ふかふかの土になっていた。


ソエル「ふかふかだー、やったー!」


と両手を叩いて喜んでいる。

私はその様子をかわいいなと思いつつ、

声をかける。


「よしそれじゃ次は新しい方に行こうか。」


「「はーい」」


そうして今度は私が耕した、

新しい方の畑も土を混ぜ合わせていく。


半分が終わり、遊べる時間が近づいているのを感じてか、

ルカがご機嫌に鼻歌を歌っていた。

それを聞いたソエルも見よう見まねで一緒に歌っている。

私はその心地の良い歌を聴きながら作業に没頭していた。


そして新しい方の土を混ぜ終えた私たちは

いよいよ種植えを開始することにした。


「それじゃあいよいよ、種を植えていくぞ。

ルカ、ソエル。

種を植える穴をあけて行こうか。」


「「おー!」」


二人の声が重なる。

そして私は昔の記憶を頼りに

穴をあけていく。

そこでルカが声をかけてくる。


ルカ「ミノリおにいちゃん、近いよ。」


「え?」


ルカ「ニンジンはお隣同士でも良いんだけど、

他の野菜は大体両手くらい空けるんだって、

おとうさんが言ってた。」


「なるほど。じゃあルカ先生、お願いします。」


ルカ「えへへ。まかせて!」


ルカは慣れた様子で両手を広げ、

「これくらいだよ。」

と種を置く場所を教えてくれた。


「なるほど…

勉強になるよ、ルカ。

ありがとう。」


私の感謝が伝わったのか

すごく嬉しそうに「うん!」

と答えてくれた。


ソエル「凄いね、ルカ。

物知りさんだー。」


ルカ「おとうさんのおかげだよ。」


そうしてルカの教え通りに

ルカの両手位の間隔で穴をあけていく。


「よし、これで良いかな、ルカ?」


その穴を見て「うん!いいと思う。」と

元気に答えてくれた。


それを見ていたソエルも「種の小さいおうちー。」

と言ってはしゃいでいた。


可愛い表現だなーと感心しつつ

メイズの種の入った袋を開けて種を見た。

丸くて平べったい、淡い黄色を帯びた硬い粒。

私が種を見ていると


ルカ「ミノリおにいちゃん。

僕も見たい。」


ソエル「ミノリにい。

私にも見せてー。」


と同時に言ってきた。

私は種を数粒取り出して、

ルカとソエルにそれぞれ渡してあげた。

二人はその種を見て

目を丸くしていた。


ルカ「ねー、ソエル。

この種光っていてきれいじゃない?」


ソエル「うん。種と言うより石みたい。

白っぽいけど黄色。

きれいだね。」


と二人でそんな感想を話していた。


「よし、それじゃあこの種を植えていこうか。」


「「はーい」」


と元気に返してくれた。

私たちは三人並んでメイズの家に

種を植えていく。

うまくいきますようにと

心を込めて…


ルカとソエルもまだ見ぬメイズに

わくわくしていたのか、

ふたたび鼻歌が聞こえてきた。


私はその可愛い歌を聴きながら

三人一緒の楽しい種植えという

時間を楽しんだ。

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