商隊到着
商隊の到着日当日
サウロさんとマローネさんは朝から忙しそうに
話をしていた。
「「おはよう」」
「おはようございます。
いよいよですね。」
そういうと
サウロ「そうだな。交易市は季節変わり前の
祭りみたいな面もあるからな。
同時に村の交易品の、
品質の判断を受ける日でもある。
俺たちは緊張する日だ。」
「大丈夫ですよ。
他国から来た私でも、
この村の木工製品は、
凄くいい出来だと思いますから。」
サウロ「そりゃ良いな。
外の視点はこの村にも貴重だ。
ミノリが来てくれてありがたい。」
「私の方こそ。
暖かい家族に迎えられて幸せですよ。」
マローネ「何、今更な話をしているのよ?」
サウロ「緊張しているのかもな。
やっぱり品定め前はどうしてもな。」
マローネ「私は自信があるわよ?
だって今回は私とソエルの
共同作業の品の初お披露目だもの。」
サウロ「それもそうだな。」
「そうですね。」
思わず同時に声が出ていた。
マローネ「それに村全体でも
良い結果になると思うわよ。
絵文字板で全体の収入も見込めそうだし
ガラムさんは大変かもね。」
「ええそうですね。
ガラムさんには申し訳ないですけど、
村全体の安定化につながるなら、
考えた甲斐もあります。」
そう言ってルカとソエルを見る。
二人とも頷いていた。
サウロ「それじゃあミノリ。
広場への検品用の小物類と、
木吊り台を運んでおいてくれ。
あと予備の椅子やテーブルを、
集会所に届けるのは任せる。
その後はお前は自由にしていい。
ガラムさんと商談があるんだろ?
今日明日は時間を空けておいて、
いつでも対応できるようにしておけ。」
「わかりました。
ルカ、ソエル。
絵文字板の商談はアニスさん達に、
全部任せて良いんだね?」
「うん。
「いいよ。」
「分かった。」
そう二人に伝える。
サウロ「ルカは今日はソエルとメリイの案内だ。
交易市前の村を案内してくれ。」
「はーい」
ルカが元気よく答える。
「メリイ、宜しく頼む」
とサウロさんが小声で伝えると
「ええ。任せて。」
首を縦に振りしっかり答えている。
事前確認が済んで
それぞれ動き始めた。
作業場で台車に今回の目玉、
ソエル印の小物類を丁寧に載せていく。
見本用の品は傷一つ付けられない。
ソエルの印がマローネさんの小物に乗って
村の外へと羽ばたいていくんだ。
頼んだよ…
ソエルの心が届いてほしい。
そう心を込めながら載せていく。
そして広場までの道を
台車を気にしながら進んでいく。
広場について
私たちの場所を再度確認して
マローネさんとソエルの
小物と組み立て式の椅子とテーブルを
1セットずつおいて行く。
「おおう。
サウロのとこの。
お前のおかげで
新しい交易品が出来たぞ。
こちらにまで回してくれて
ありがとうな」
そういって他の家の木工場の人が声をかけてきた。
「いえ同じ村の家族です。
むしろご迷惑になっていなければ良いのですが…」
「何言ってやがる。
外との取引材料はいくらあってもありがたいもんだ。
また何か手伝えることがあれば、
なんでもいってくれ。
出来る事はつきあうぞ」
豪快に笑いながらそう言ってくれる。
「ありがとうございます
また何か思いついたら
一緒に作っていきましょう。」
私がそう伝えると嬉しそうに答えてくれる。
「たすかるぜ。
俺のとこは腕だけだからな。
仕事になりそうな事を回してくれると、
ほんとありがたいんだ。
遠慮せず話をもってきな。」
「わかりました。」
そうして木工場の人との会話を終えた。
そして会話が終わり再び交易品を
並べていると別の人が
声をかけてきた。
「おおい、サウロの。」
そう、そっけない感じで声をかけてきた。
「はい、そうですけど。」
少しぶっきらぼうな声だったので、
思わず身構えて返事をしてしまった。
「俺は石工のものだ。
お前、俺に鉄を叩かせようとしていたって?」
石工と聞き、流れが読めた私は
「ええそうです。
ただ私の知識が間違えてたようで…
申し訳ないです」
「なに気にするな
一応斧や鍬の刃こぼれは直せるが
流石に刃を作るのは無理だからな
そこはふがいねえ。」
「とんでもないです。
話を持ち込む前に気が付いて良かったです。
ご迷惑をおかけする前で…」
「いや、俺としては残念だ。
木吊り台の芯を作る仕事が増えて
また別の仕事が増えるかと思ったからな。
新しい仕事が増えるのは大歓迎だ
何か俺で出来る事は何でも言ってきてくれよ。」
「わかりました、その際はよろしくお願いします。」
村にはまだ私の知らない技術が沢山ある。
これなら今度、何か共同で作れるものを
考えるのも良いかもしれない。
広場での準備と会話を済ませて、
私は集会所へ向かう。
集会所の前には馬車が三台止まっていた…
あれ増えてる…
ガラムさん以外が来ているのか?
疑問に思いながらも集会所へ入る。




