母の涙
翌日からは食卓が賑やかになった。
サウロさん、マローネさん、ルカ、
ソエル、メリイザザさん、私。
六人で食卓に着く。
昨夜と今朝は準備をしていなかったので、
今まで使っていた椅子を移動させて
使っていたが、今日はマローネさんが
新しい家族の為にお揃いの椅子と
大き目のテーブルを作るらしい。
「私もマローネねえと一緒に作る!」
「おう。そうか。
ならその分の木もしっかり持ってこないとな。」
「サウロおじさん、おねがいね。」
「おれはおじさんかよ…
マローネは姉さん呼びなのに…」
「あなたの見た目でおにいさんはないわよ」
「……お前な……まー良い。
笑顔を見せてくれた。
俺を呼んでくれた。
それで十分だ。」
「そうね」
サウロさんと私は木を伐りにシオンさんと一緒に
森に向かう。
―
マローネ視点
「じゃあ一緒に作りましょうか。
メリイザザさんはどうします?」
「私は外で訓練しながら待っている。
終わるころに声をかけてくれ。
ソエルを驚かせたくないから。」
「わかったわ」
中に入るとソエルが椅子を移動させていた。
「それじゃあソエルちゃん。
私はテーブルを作るので、
ソエルちゃんは椅子の足を作ってもらえるかしら?
この組み立て式の椅子の部品を
真似て作ってみてね。
最初は失敗しても良いんだから、
怪我だけには注意して、
楽しんで作ってね。」
「メリイねえとマローネねえと一緒、楽しいよ。」
「そう…ありがとう…」
作業を続けるとソエルの手際の良さと
器用さに改めに関心する。
「凄いわね。
面取りまでしてる…
どこが手に触れるのか
しっかり理解してるみたい。
これは将来有望ね。
楽しみだわ」
「ねーねー。マローネねえ。
何かを作るって楽しいね。」
「そうね。私は一人での作業が多いから、
今日はソエルちゃんが一緒で、
いつも以上に楽しいわよ。」
「じゃあ、これからは私も一緒!」
「ありがとう。でも遊ぶことも大事なのよ。
遊びもしっかりね。」
「わかった!」
ソエルちゃんと話をしながら作業をしていると、
凄く新鮮で楽しくてあっという間に、
時間は過ぎていた。
長テーブルは天板のみで脚は作り置きがあったので
椅子にすぐ取り掛かれたのは良かった。
無事に日が落ちる前に
全員分の椅子とテーブルを作り終えた。
「助かったわソエルちゃん。
お陰で間に合ったわよ。」
そう笑顔で伝えると
「私も楽しかったー。」
と笑顔を見せてくれた。
ふと見ると背板に剣のような模様がついている。
「ソエルちゃん。その背板は?」
「これは何時も守ってくれるメリイねえの」
「でこの耳のしるしはルカの」
「お鍋はおいしいご飯を作ってくれるマローネねえの」
「あとは今度掘る!」
マローネはその言葉で涙があふれてきた。
まだ回復したばかりなのに、
もう他人の事を気にかけてくれている。
それが嬉しかった。
それを見ていたソエルが不安だったのか
すこし不安そうに近寄ってきた。
「ごめんね。うれしいの。
ソエルちゃん……
本当にありがとう…」
そう言って抱き着いた。
ソエルは嫌がるそぶりも見せず
ただ嬉しそうに笑顔で甘えてくる。
その笑顔を見て
マローネはソエルに受け入れたのだと実感したのだった…




