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歩み始めた心

家に入り、各々の時間を過ごし、

夕食時メリイザザが食事を受け取りに来た。


「マローネさん。食事をとりに来ました。」


「あら…今日はご機嫌そうね?」


「…ソエルと会話をしていました。

竹とんぼの事ばかりでしたけど、

それでも楽しそうに…」


「そう……

ようやく実ったわね。

でもまだ安心は出来ないそうよ。」


「はい。聞きました。

完治はしていないと…

それでも私は…」


「なーに暗い顔をしているの?

あの子があんなに元気になった。

それは間違いなく貴方が傍にいてくれたからよ?

聞いたわよ。貴方とルカにだけは

傍に来てくれるんでしょ?」


「それは…」


「貴方はもっと自信を持ちなさい。

あの子にはこれからも貴方が必要なのよ?」


「そうですね。」


「はい!食事持っていきなさい。

まだ一緒には食べられないでしょうし。

もしあの子自身がここで食べようと言ってくれるまで、

私たちはゆっくり待っているからね。

それまでは本当に貴方一人なの。

お願いね。」


「ええ!」


食事中に


ルカ「明日お手伝い休んでも良い?

ソエルと遊ぶ約束したんだ。」


「おお。もちろんいいぞ。

ルカ、前は働き過ぎだ。

もっと遊んで良いんだぞ。」


「そうね。

もっと自由にしていいのよ?」


少し不安そうにして


「うーん、お手伝いも好きだし…」


「大丈夫だよ、ルカ。

サウロさんは子供のうちに

遊べるだけ遊んでいいぞと

言っているんだ。

手伝いをやめろとは言ってないから

心配する事は無いよ」


それを聞いたルカは笑顔になり


「うん」


どうやら誤解は解けたようだ。



食器を返しに戻ってきたメリイザザ


「初めて、全部食べてくれた。

今までの無表情じゃなく、

おいしいと私に伝えてくれました。」


「いい事じゃない。

良かったわね。

あーあ、

私も早くあの子の笑顔を見たいわ。」


「…すぐに見れると思います。」


「そうね、ありがとう。」


―数日後―


「ああああああああああ!」


ソエルの部屋の方から声が聞こえてきた。

何時も竹とんぼで遊んでいる場所に向かおうとすると

大声をあげて私のもとに

ソエルが慌てた様子でかけよって来た。

ソエルの後ろには

慌てた様子で追いかけてきたメリイザザも一緒に…


「ミノリにい!

竹とんぼを作ったのはミノリにいと聞いた!」


そういい折れた竹トンボを

差し出しながら言ってきた。


「直して!」


暫くその差し出された手を見て、

膝を地面につけ

目線を合わせて優しく声をかける


「うーん…ねえソエル。

もしよかったら一緒に作ってみる?

私が作り直すより、

ソエル自身がソエルだけの竹とんぼを作ってみない?」


それを聞いたソエルは目を輝かせて


「作る!教えて!」


「よし。じゃあメリイザザさんも

一緒に行こうか。」


「私もか?」


誘われるとは思っていなかったのか

珍しく戸惑っている。


「メリイねえも行こう」


そう言いメリイザザの手を取り歩き出す。


私はその光景を温かい気持ちで見つめていた。

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