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一歩

メリイザザから、嬉しい報告があった。


扉の前まで歩いたらしい。

今まで私は正しい事をしていたのか?


もし私の判断が間違ていて、

子供を逆に不安にさせていないか?


ずっと不安を抱えていた。

でも今日は扉の前まで来た。

来てくれたんだ……


やっと一筋の光が差したような気がする。


ここまで来ると逆に焦ったら駄目だと思う。


今まで以上に慎重にならないといけない。


「サウロさん。明日森に向かう前に

寄りたいところがあるので、

先に行ってて貰えますか?」


何かを察したのか目を細め、


「何かあったか?

相談があるのなら乗るぞ?」


私が心配する雰囲気を察したのか

そう言ってくれた。


「いえ、心配事ではなく、

先ほどの話を聞いて、

今以上に慎重にならないと、と思いまして。

明日の保護者の家へ行こうかと思います。」


「何があった?」


「ただ本当に、ちょっとした注意点を

伝えたいことがあるだけです。」


「そうか。遅れるのは構わないぞ。

ただ……何かあったら俺にちゃんと言えよ?」


「当然ですよ。」


「ルカもー!」


と手を挙げて、助ける気まんまんだった


頭を撫でて、


「ありがとう。ルカにも今度お願いするね。」


そう言って頭を撫でた。


そして今日の保護者の家まで行って、

相談をした。


「今日から竹とんぼで遊んでいる時に

見に来る女の子がいるかもしれません。


その女の子には無理に近寄ったり

誘わないようにお願いします。

この事は次の保護者にも

伝えておいてください。

何時見に来るかは分からないので」


と伝えた。


―メリイザザ視点―


メリイザザはいつものように

ソエルと一緒に窓の外を眺めていた。


窓から竹とんぼが見えたとたん

ソエルは立ち上がり窓際へ歩み寄った。


メリイは暫く考えた後

その隣に移動して、

ソエルの様子をうかがう事にした。

拒否反応は見られない。


ほっとしつつ一緒に窓から

外で遊ぶ子供たちを見ていた。


二日後、仕事だろう。


今日はいつもの子供たちが集まってこない。

ソエルの目は以前に比べて大分落ち着いていて

今日は残念そうな眼をしているようにも見えた。


その目を見て、決心する。


「ねえ、ソエル。一緒に外に行ってみない?」


暫く反応はなかった。

今日も駄目かと思った時、

こくんと頷いた。


反応が返ってきた。

たまに反応を返すことはあった。

でも今日は何かが違う気がした。


私は、ゆっくりしゃがんで

手を取り


「じゃあ、一緒に行こうか。」


再度頷いて一緒に立ち上がる。


部屋を出て、リビングを通り

扉の前まで移動する。


ソエルに意識を集中して

扉に手をかける。


以前あった拒否反応が無い。

ゆっくり扉を開ける。


眩しい日差しが差し込んできた。

ソエルは少し顔を伏せたが、

拒否反応には見えなかった。


そして外に出ると、

ソエルはゆっくり空を見上げた。



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