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小さな変化

竹とんぼが完成した翌日から

私たち家族はいつもの仕事をしていた。


そんな中部屋の中に居る女の子は、

いつものように壁を背に座り込んでいた。


その光景を見たメリイザザは驚いた。


うそでしょ……

普段は窓枠の下に隠れるようにしていたのに

今日は窓枠が見えるように壁際に座っている‥‥‥


何気ない変化

だけど何かが変わりつつある事に

少しずつ何かが緩み始めているような気がする。


私には判断がつかない……

私はいつも優しく見守るここの家族に

相談する事を決めた。


マローネ「え!?それは本当なの?」


メリイザザ「私には分からない。

ただ窓枠に向かって座るのは初めて見た。」


マローネ「それは確かなのよね?

その前に何か変った事は無かった?

何でも良いの。

何かいつもとは違う事、

少しでもあれば教えてほしいわ。」


その必死な勢いに驚きつつも


メリイザザ「昨日ルカ…君と、

ミノリが外で何かをやっていて、

何かを空に浮かべていた……」


マローネ「え?

それって昨日話してくれた、

竹とんぼの事かも……

それでその後の様子は?」


「暫く見つめてた。

でも……

声が聞こえてこないから、

その後は窓枠を背に座っていた。」


「今日はルカもミノリも

お仕事を手伝ってくれたから……


私に考えがあるわ。

貴方はいつも通りにお願いね。

何か変化があれば

ちょっとの変化でも良いの。

是非教えてほしいわ。」


「わかった。

あの子の為になるのなら。」


会話を終えた後、メリイザザへ食事を手渡し、

マローネは食卓にも料理を並べていく。


みんながテーブルを囲んだ時に話し始める。


「今日、あの子に少し変化があったようなの。

あの子が窓枠を見るような

位置に座ったらしいわ。」


「おい。本当か?」

「ほんと?」


「ええ。メリイザザさんがそう言っていた。

今日まで一か月、

一度も座る場所を変えなかったそうよ。

それが今日になって

窓枠に向かう感じだったらしいわ。


でも声が聞こえなかったからか、

そのあとまた元の位置に戻ったらしいの……」


「おにいちゃん!」


「うん、そうだね。

マローネさん、サウロさん。

暫く私とルカは作業を減らして、

外で遊ぶ時間を増やしてもいいですか?


この小さな変化が見えた今の機会を

逃したくありません。

だよね?ルカ。」


「うん」


「そうだな。任せたぞ。」


「ええ。お願いするわ。」


次の日から、

私たちは竹とんぼを飛ばして遊んだ。


意識はしないように、

でも窓枠から見えるように飛ばしながら……


これがうまくいくのか、

分からない、でも目に見える変化。

やらない理由はない。


ただ、空を見上げてほしくて……


声を掛けることもなく、

無理に近づくこともなく。


ただ空を見上げる機会を作るように……


―そして一週間が過ぎた。


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