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七章 十三話 ココの成長3

まずは私とココちゃんでレンガの型枠を二十個ほど作った。

ククさんは私たちが型枠を作っている間に、

藁(わら)を村から運んできてくれていた。


藁を五センチほどに切って粘土と砂に混ぜていた。

それを最初は私がクリエイトを使い水分を飛ばすイメージで

乾燥させて作ってみたけど、ひび割れてしまった。

そのあとククさんが藁の量を増やして乾燥させると、

ひび割れずにうまく固まってくれた。

最終的に割合は粘土3砂1藁1くらいになった。


私の横ではココちゃんが同じようにクリエイトを使っていたけど、

うまくいかなかった。


「ミノリ…何でうまくいかない?

圧縮だけじゃダメ?」

椅子に座ってクリエイトを試していたココちゃんの足元には、

圧縮で固まったはずの粘土が割れてしまっていた。


首をかしげるココちゃんが困った様子で尋ねてきた。

困っているココちゃんがかわいらしく思ってつい顔が緩んでしまった…


私は気を取り直して説明を始めた。


「うーん、そうだね。

お肉を焼いたり塩を振ったりすると、

中からじわーって水分が浮き出てくるだろ?

あるいは、暑いときに額に汗がじわじわ出てくる感じ」


「知ってる!

お肉が汗をかく感じ」


「レンガの中にも水分が隠れているんだ。

その水分をレンガから追い出して初めて乾燥するんだよ。

外から水を引っ張るんじゃなくて、

中から外に少しずつ移動させるイメージでしてみようか。

外に水分が出てきたら魔力でそのまま消しちゃえばいいと思う」


「水分を消す……」

頭を抱えて悩んでしまったココちゃん。


私は料理の経験があるから今の例えを教えたけど、

少し難しすぎたかな、と考えた……


そういえばココちゃんが料理をするところは見たことがないけど、

服を干すところは何度か見たことがあった。

ならそっちの方が分かりやすいかな?


「ココちゃん、洋服を干したことはあるよね?」


「うん、お手伝いは当たり前のこと」

えっへんと胸を張って主張するココちゃん。


「濡れた洋服を干すとき、

暖炉のすぐ近くに置くのと、

天気のいい日に風通しのいい場所に干すの、

どっちが綺麗に乾くかな?」


「風に当てたほう……?

暖炉の前だと焦げちゃうと思う」


「そう、それと同じ。

レンガの中に閉じ込められた水も、

急に熱すると中で暴れて壊しちゃうんだ。

だからレンガの周りに風が吹いて中の水を、

少しずつ飛ばしていくことをイメージしてみて」


「外から?中からじゃない?」

再び首を傾げてしまった。


「ごめんね、私の説明が少し分かりにくかったと思う。

洋服を乾かすように外から水を飛ばしていくことを想像して試してみよう?」


「わかった…やってみる」

再び「クリエイト」と呟き集中するココちゃん。


型枠に入れられた粘土の表面が水分で濡れたように色が変わっていく。

そしてしばらくすると黒味を帯びた表面が、

乾いたように白っぽくなっていった。


「クリエイト」が終わったココちゃんが型枠から粘土を取り出す。

それは綺麗に乾燥しているように見えた。

形も見事に整っている。

その完成品を見たココちゃんに笑顔が浮かんだ。


「ミノリうまくいった?」

わくわくが抑えきれないように私に見せてくる。


「うん、綺麗に乾燥していると思う。

これをククさんに見てもらおうか」


「うん!」

嬉しそうにそのレンガをもってククさんのもとに走って行った。


しばらく待っていると、

嬉しそうにククさんと一緒に戻ってくるココちゃんの笑顔に

成功したんだなと、私のことのように嬉しくなった……


本作をお読みいただきありがとうございます。

当日12時に外伝を予約しています。


今回の外伝は蒼鱗の話


読まなくても本編を読み進めるうえで問題はないとは思います。

裏で何があったのか、気になる方は読んで見て下さい。

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