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七章 十二話 ココの成長2

台車の乗り心地の試験は続いていた。

歩く速度で試していたのは最初だけで、

数分も経つと全速力になっていた。

そして川へと向かって進んで行った。

ココちゃんの嬉しそうな声が遠ざかっていく……


「ええっと……

大丈夫でしょうか?」


「心配いらん。

ククはもちろん、ココも十分強い。

例え台車から落ちても少し怪我をする程度じゃろう。

怪我を心配するのは大事じゃが、

遊んでいるときの怪我まで心配していたら何も出来んぞ?」


「ええ、ミノリさんは少し心配症ねえ。

それにククがそばに居る以上、

ココが台車から落ちても、地面に落ちる事はないわよ」


(あの速度で落ちて少しの怪我で済むって……)

頭ではわかったつもりでも、どうしても気になって、

ククさんが引く台車が走って行った方向へと視線が向いていた。


ココちゃんが気になりつつも作業を続けた……

石の土台にはめ込む柱を作っていた。


太い丸太を丈夫にするために出来る限り圧縮していった。

六本目の丸太を圧縮し終わったころ、

川の方角から北にそれた場所から、

先ほどとは変わってゆっくりと台車を引いたククさんが帰ってきた。


台車に座ったココちゃんの足元には木箱が置かれていた。

その中には粘土がぎっしりと入っていた。


「ミノリ良いものを見つけて集めるのに苦労した。

ここの川は素晴らしいぞ。

魚もいて近くには粘土層もあった。

あと水質も良好だった」

と、ククさんが興奮気味に教えてくれた。


「粘土を集めれば工房に使える。

早く準備が整うとククが言った。

ミノリ、もっと一杯集める。

そして粘土でも色々クリエイトを試したい。

ミノリ、教えてほしい」

期待に満ちた視線を送るココちゃんの目は、輝いていた。


「ごめんね、私も何度か粘土は使ったことはあるけど、

一回だけ壺を作る経験をしただけなんだ。

だから教えるのはちょっと難しいかな。

でも一緒に考えるなら喜んで付き合うよ。

私も勉強になるし、一緒に考えようか」


「うん!」

沈みかけた表情が私の言葉を聞き終わると、

ぱあっと笑顔を見せてくれた。


「ククさん。

粘土の使い道を知っているんですよね?

もしよろしければ私にも粘土の使い道を教えて下さい。

ココちゃんと一緒に勉強して、

他にも何が作れるのか考えたいと思います」


「もちろん構いませんよ。

ミノリさんって勉強家なんですね」


「いえ、ココちゃんの成長が著しいので、

私も負けないように頑張ろうと思いまして」


「良い事だと思います。

でも粘土で出来る事と言っても、

今の状況では乾燥させて固めるくらいですよ?

焼き入れはまだできませんし、

炉の為に使うくらいでしょうか……」


「そうか……焼き入れもありましたね……

乾燥させて作ることも一応可能なんですよね?」


「ええ、可能ですよ。

一応、形もある程度は自由に出来ます。

ただ乾燥で作るレンガだと水に弱いという面もありますけど……」


「なるほど…分かりました。

ココちゃん。

私は失敗する事も勉強だと思って、

乾燥させて作るレンガを色々と試そうと思うけど、

ココちゃんはどうかな?」


「失敗してもいい?」


「そう。

そして色々と試すんだ。

水の量だったり、他に何か混ぜたり、

あとクリエイトで圧縮したらどうなるかも試したくない?」


「試したい!

クク、協力して?」


「良いわよ。

じゃあ最初は砂や藁などを混ぜて作る、

日干しレンガを作ってみましょうか。

形を整えて乾かすだけで作れるわ」


「わかりました、宜しくお願いします」


「クク、宜しくお願いします」


私の真似をしてククさんに教えを請い、

ぎこちなく頭を下げたココちゃん。


その姿勢は本気で覚えようとする気持ちが出ていて、

私には心強く感じていた。

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