七章 七話 感謝の形
種植えを終えた次の日から木こり作業は忙しくなっていた。
いや木こりの家だけではない。
村中が一つの目的の為に手を取り合っていた。
トトの新しい住居と工房を作るための木材を集めていたのだ。
水路作りでお世話になったトトの工房と住居。
そのため、木こりだけではなく、
村中の大人も子供も、皆が同じ気持ちだった。
「お礼がしたい」……
誰かに言われたからではない。
「お世話になったトトさんに、自分たちにできることでお礼をしたい」
その気持ちが、皆を動かしていた。
石工では、
基礎石(土台)の加工。
ドワーフの重い鍛冶道具や炉の重量に耐える、頑丈で平らな基礎石を切り出す。
鍛冶炉の土台作り。
裁縫師の家では、
作業用ロープの補修。
重量のある木材を山から引きずり下ろしたり、
固定したりするための頑丈な麻縄を編んで補強する。
切り出した木材が雨で濡れて腐らないよう、
覆うための大きな厚手の防水リネン布を縫い合わせる。
アニスとマローネとククは、作業員の炊き出し。
村長とセリアは人の配置と進行を管理。
子供たちも、自分たちにできることを探して動いていた。
子供たちは木屑やかんなくずを回収していた。
作業場をきれいに保ち、怪我や火事を防ぐため、
足元に溜まる木屑を小さなカゴで集めて回る。
大人が切り落とした細い枝(枝打ちされたもの)を、
子供たちが抱えられる大きさに折ったりまとめたりして、
台車へと運ぶ。
工房の予定地である川の近くで作業している大人たちへ、
飲み水を走って届ける。
メリイとククとシオンとアルドは村の外で走り回る子供たちの護衛。
ミノリとココは、スキルを使った廃材の加工を担当していた。
ココは最近、ミノリのクリエイトを見るたびに真似をしていた。
その頃には簡単な加工なら一人でもできるようになり、
木屑の圧縮作業まで任せられるようになっていた。
木工の作業で出る大量の「かんなくず」や「木屑」を、
ミノリとココのクリエイトスキルで圧縮加工。
石工で出た削った石の粉や粘土をスキルで混ぜ合わせ、
家の気密性を高めるためのパテのような物をクリエイトで作り上げていた。
それぞれができることを考え、共有し、行動していた。
この日から少しずつトトの新しい住居と工房が形になっていくことになる。
村の皆の「お礼がしたい」という思いが、
その一つ一つに込められていた。
本作をお読みいただき、ありがとうございます。
同日12時に外伝を予定しています。
孤児院を国王へと報告をするガランの話になってます。
これ大分苦労しました。
セリフは浮かぶのに前後でおかしいな…となったり、
口調これで良いのか?とか
セリフが前後して重複してる?となったりと
今までで一番時間かかったかもしれません。
今回の外伝は読まないと少しメインの方では急な展開に思われるかもしれません。
ご理解ください。




