七章 六話 再挑戦
ルカ、ソエル、ココちゃん、そして私とククさん。
皆の手には私が作り出した手袋がしっかりと着けられていた。
「それじゃあ植えていこうか。
元の畑はサウロさんたちが戻ってからになるけど、
新しいほうにメイズを一緒に植えていこう」
「うん」
ルカは笑顔でうなずいた。
「おー」
ソエルは元気に手を挙げて声を上げた。
「わかった」
ココちゃんはいつもの少し落ち着いた声で答えてくれた。
私とルカは新しい方の畑に畝を作っていき、
数の多い元からある畑は、
ソエルとココちゃんとククさんが担当した。
そして畝が出来上がるころにサウロさんたちが帰ってきた。
「おかえりなさい、おとうさん、おかあさん」
そう言ってサウロさんにルカが飛びついた。
「おかえりなさい、マローネねえ!」
ソエルもマローネさんの腰にしっかりと抱き着く。
ココちゃんとククさんも「「おかえりなさい」」
と笑顔で声をかけた。
「おお、ただいま。
どうしたルカ」
そう言いながらルカを抱き上げるサウロさん。
「ソエルちゃんも今日は甘えん坊さんね」
マローネさんも笑顔で話しかけた。
普段、帰ってきただけで抱き着くことはない。
そのため、二人とも不思議に思っている様子だった。
「おとうさんとおかあさんに、あげるものがあるんだよ!
おにいちゃんが作ってくれたんだ」
ルカの嬉しそうな声が上がる。
「そう!
ミノリにいが皆の分を作ってくれたの!」
ソエルも笑顔で伝えた。
「ちょっと待っててね。
ルカ取りに行こう」
「うん!」
そう言ってサウロさんとマローネさんから離れて、
家へと駆けていくルカとソエル。
「ミノリが作った?
何か俺たちに渡すものを作ってくれたのか?」
そう言って私に視線を向けた。
「せっかくですので、
ルカとソエルが来るまで待ちましょうか」
そう言ってルカたちの後へと視線を向けた。
一分もしないうちに二人は戻ってきた。
二人は先ほど作った手袋を、大事そうに握っていた。
「これ、私たちとお揃い!
ミノリにいが作ってくれた。
はい!マローネねえ……」
そう言って手袋を手渡すソエル。
「これはおとうさんの!」
ルカもサウロさんに手袋を手渡した。
ルカとソエルから笑顔で手袋を受け取った
サウロさんとマローネさんは、
手の甲に描かれた絵を眺めたあと、
二人の手袋にも視線を向けた。
大きさは少し違うけど、
同じようなオノやノミなどの絵を見て、
すぐに笑顔になった。
「そうか。
俺のはルカとお揃いか」
「私の手袋はソエルちゃんとお揃いね」
ルカとソエルは手の甲の絵を見せるように手を差し出し、
笑顔で答えた。
「そう、ボクとお揃い」
「私とお揃いだよ!」
嬉しそうな声が重なった。
「良い手袋だ。
ありがとうルカ、ソエル。
そしてわざわざすまんな…
ありがとう、ミノリ」
私に感謝を伝えてきた。
「ええ…本当に良い手袋だわ。
ミノリさん、ありがとう。
ルカとソエルちゃんもありがとう」
ソエルを撫でながら、
私とルカとソエルに感謝を伝えるマローネさん。
「いえ、せっかくなので、
家族みんなお揃いが良いですからね。
トトさんたちの分も作ってありますよ」
私がそう言うと、ココちゃんとククさんに視線を向けた。
二人の手袋に気が付いたようだ。
「そうか。お前は相変わらずだな」
サウロさんは呆れたように言った。
けれど、その表情には呆れなどなく、
ただ「ミノリらしい」という笑顔が浮かんでいた。
その後は私とサウロさんとマローネさんは元からある畑。
ルカとソエルとココちゃんは、
新しいメイズを植える畑で作業をすることになった。
「マローネさん。
この畑には何を植えますか?」
「今回はニンジンとジャガイモね。
二か所をニンジン、残り二か所にジャガイモを植えましょうか」
「わかりました」
そうして私たちは、それぞれの畑に種を植えていった。
ただ、メイズはルカとソエルとココちゃんがやると言ったので、
子供たちに任せることにした。
私とサウロさんとマローネさんは、
元の畑にニンジンとジャガイモの種を植えていった。
秋に一度失敗したメイズ……
今度はしっかり育ってほしい。
そう願いながらルカ、ソエル、ココちゃんの種植えを見守りながら、
ニンジンとジャガイモの種を植えていった。
ルカとソエルは二度目という事もあって、
手慣れた感じだった。
「今度こそしっかり育ってね」
そう種に話しかけるソエルがかわいらしかった。
「今度こそ大きくなってボクたちを追い抜いてね」
ルカは以前話したメイズの事を覚えていたのか、
自分の身長を超えてほしいという気持ちを込めていたのかもしれない。
ココちゃんは種植えをするのが初めてらしく、
上機嫌で一生懸命に指で穴をあけ、
楽しそうに種を丁寧に植えていた。
その様子を凝視するククさんは子供たち以上に上機嫌だった。




