七章 四話 広場での相談
「ココちゃんすごーい」
広場には子供が一人増えて、
今では六人の子供たちがブランコに集まっていた。
二人が乗り、
四人が周りで見ている。
そんな中、一番高くまで足を上げたのがココちゃんだった。
六人の中で一番小柄なのに、
振り子の原理をうまく使い、
胸を起点に腕と足を上手に振っていた。
「じょうずよ、ココー」
ククさんの嬉しそうな声が響いた。
「ココすごいなー。
ボクはまだ怖くてあんなに足を上げられないよ」
ルカがそう話すとソエルも頷いていた。
「私もだよ。
楽しいけど上がりすぎると怖いかも」
私はルカとソエルに話しかけるために歩み寄った。
「ルカ、ソエル」
「あ、おにいちゃん!」
「ミノリにい、話はおわったの?」
「終わったよ」
そう言ってトトさんとカカさんに視線を送ると、
トトさんたちに笑顔で手を振るルカとソエル。
トトさんとカカさんも笑顔で手を振り返している。
「ルカ、ソエル。
皆で競うのは大事だけど、
勝つために怖いことを無理したりしたら駄目だよ?
二人が怖いと思う気持ちも大事だからね。
無理をして怪我をしたら、
私が作ったブランコの意味が無くなっちゃうからね」
その言葉を聞いて、
ルカは「うん、おにいちゃん」とかわいらしく返事をしてくれた。
けれどソエルは少し納得がいかない様子だった。
自分と同じように遊んでいるココちゃんへ視線を向ける。
「ソエル。
勝ちたい気持ちは分かるんだ。
でもね、無理をして怪我をしたりすると、
皆が心配する。
もちろん私もね。
そうなるとこのブランコが危ないものって思われて、
なくなっちゃうかもしれないんだよ」
その言葉を聞いて私に勢いよく向き直る。
そして沈んだ顔で話した。
「え……
ブランコなくなっちゃうの?」
そう話したソエルの顔は不安そうに見えた。
「残念だけどね……
実際、私の国では危険だという話が出てね、
どんどん撤去…無くなっていったんだよ。
ブランコや他の遊具がどんどん減っていったんだ。
楽しむための道具でも、
怪我をしたら危ないものになっちゃうからね」
「じゃあ、競うのは駄目なこと?」
ルカも不安そうにそう聞いてきた。
「うーん……
私はそうは思わないかなー。
競うために無理をして怪我をしないよう、
気を付けることが大事なんだと思うかな。
せっかくみんなで遊んでいる時に怪我をしたら悲しいでしょ?
その事を覚えておいて気を付ければ良いんだ。
ただ競うだけじゃない。
体が浮く感じだけでも楽しめるだろう?
それだけでも良いってことだよ。
それにこれからは遊べるものはどんどん増えるよ。
私が増やす。
ルカとソエルとココちゃんの笑顔が見たいからね。
そして今後村に来る子供たちの為にもね」
その言葉を聞いたルカとソエルは、
蕾が開いたようにぱあっと笑顔になった。
「おにいちゃん。
遊べるものもっと増えるの?」
「ミノリにい、もっと作るの?」
二人の声が重なった。
私は力強くうなずいて答えた。
「うん、増やすつもりだよ」
ルカとソエルが手をつないで飛び跳ねて喜んだ。
その事に気が付いた子供が話を聞いて、
一緒にまた飛び跳ねた。
いつの間にか交代したココちゃんが私の傍まで来ていた。
「ねえ、ミノリ。
他にも遊べるもの作るの?」
かわいらしく頭をこてんと傾けて尋ねてきた。
仕草がルカやソエルに似てきたなと思った。
私は笑顔になり、うなずいた。
「じゃあ作るときは私にも教えて?
私は皆が喜ぶ物を作りたい」
そう話したココちゃんの顔は真剣なものだった。
ココちゃんの言葉を聞いたソエルもすぐに反応を示した。
「あー!ココずるい。
私も作るの好き。
ミノリにい!私にも教えて!」
飛び跳ねて私もと言っていた。
私は膝を折り視線を三人に合わせて話した。
「それは良いね。
じゃあお休みの日は、
私と一緒に皆が笑顔になるものを作ろうか。
もちろんルカもね」
私の言葉を聞いて三人は大喜びで受け入れてくれた。
「あーでもメイズも育てたいんだよ。
だから休みの日全部を遊具作りに使うとはいかないけど、
それでも良いかな?」
「うん!」
「メイズは私とルカも手伝う。
次は成功させるよ!」
「うん、わかった」
ルカとソエルとココちゃんも理解してくれた。
「ねーココ。
ココは畑作業に興味ある?」
ソエルが尋ねる。
「やったことない」
「じゃあ次のメイズからはココも一緒にやろう?
ボクたちみんなでやればもっと楽しいよ」
ルカの元気な声にココちゃんはうなずいた。
「皆ありがとう。
じゃあ今度の休みはメイズを植えようか」
「「「うん」」」
ルカとソエルとココちゃんの元気な声が
広場で響いていた。




