六章 十六話 これからのこと
ガランさんたちとの話を終えた私とメリイは、
一旦今日の話を整理しようとため池へと向かった。
ため池のきれいな水が光を反射している。
それは細かい輝きが浮いているような幻想的な雰囲気だった。
しばらく反射する水面を眺めた後、
私は口を開いた。
「話…大きくなっちゃったなー……」
それは私の中の今一番の思いだった。
「そうだな……
それより良かったのかミノリ。
お前あの力隠していただろう?」
普段の冷静な声だった。
ただその声は少し心配するようだった。
「隠してはいないよ。
ただ説明が難しくてね……
だってそうだろう?
私は神にあい、
この世界に送ってもらった。
しかも祝福にスキルと、
以前の私には想像もできず、夢で見るような力だ。
それをどうやって説明するんだ?」
「そうだな……」
「私はただこの村で皆で仲良く暮らせればいいんだ。
でもその村の外には苦しんでいる子供たちが大勢いる。
それはソエルと出会って、分かってはいた。
でも私はその現実から目をそらしていたんだと思う。
ロアさんの提案と、
ガランさん、ガラムさんの提案を聞いて、
その現実を突きつけられた。
そして私はその現実に納得がいってはいない……
それならその現実に抗う。
私は一人でも……
違うな…できるだけ助けようと思う。」
「まあ……お前ならそう言うだろうな。
ソエルやココの時もそうだった。
お前は子供の事だけは一切ぶれないからな。」
「……なあ、メリイ。
今後、子供を受け入れるために何が必要になるかな。
衣食住、そのための資金。
必要な物は少なくないだろう?
私は確かに別の世界の知識を持っている。
でもそれは万能じゃない。
私が経験してきたことだけの知識だ。
今後、何が必要になるか正直わかっていない。
祝福を使えば足りないものを出すのは簡単だとは思う。
でもそれでは駄目だと思う。
ポイントはまだ余裕はある。
でもいつまでもあるとは思わないほうが良い。
何時増えなくなるか正直私自身分かっていないんだ。
そして今後、子供を預かる以上、
その先の事も考えないといけない。
仕事を覚えて自立できる知識も教えなきゃいけない。
その事も考えながらやらないと、
預かった子供が元気で成長しても、
その先がなければ、それはいつか破綻する……」
「そうだな…
そこはこれから一緒に考えよう。
お前だけじゃない。
私がいる。
サウロさんたちがいる。
トトさんたちもいる。
そして蒼鱗にトルヴェール商会も力を貸すと言っている。
なら出来る事をやるしかないだろう?」
「……そうだなー……
うん、確かにそうだ。
ぐだぐだ悩んでも進んでしまった以上、
後に引けないし、引く気もない。
皆に相談しながら考える。」
「それでいい。
お前は一人じゃない。」
「ありがとう、メリイ。」
「考えはまとまったな?
なら戻るぞ。
いつまでもルカやソエルを、
待たせるとまた心配するぞ。」
「わかった……」
私とメリイは村の中へと戻る事にした。




