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六章 十五話 外伝

本作をお読み頂き、ありがとうございます。

この話は本文の六章十五話と同日投稿になっている、

外伝作品になっています。

ご理解ください。


――メリイ視点


ミノリが直接飛人という言葉を初めて語った。

私は今まで何度も見ていたからうすうす知ってはいた。

でも…いざ本人が口に出すとそれが現実となり、

複雑な気持ちになった。


これが国に知られればミノリはシエの村に居られないかもしれない。

そうなればルカやソエルが悲しむことになる。


そう思っていた……

でも、そんな不安はすぐに吹き飛ぶことになった。

ロアが後ろ盾になると言ってきたのだ。


大陸最強にして、最古の伝説の存在……

それが後ろ盾になると断言した。

これは冒険者をしていた私には信じられないことだった。


別大陸から何百年とこの世界を見てきた存在。

人に嫌気がさし、

人との付き合いがほぼないと聞いていた。

それが数日でミノリを気に入り、

後ろ盾になるとまで言ったんだ。


それは私の中で安心する要素になった。

ロアだけじゃない。

蒼鱗まで後ろ盾になると言った。

仕事を選ぶことでも知られる蒼鱗がだ。


ここ数日驚きっぱなしだ……

ルカの不思議な力。

そしてミノリの飛人に孤児院。

そして後ろ盾……


ミノリは相変わらず子供のこととなると、

自分を顧みない節がある。

今後ますます目が離せんな。



――ガラム視点


「いかがでしたか、ミノリさんは。」


「面白いな。

我が商会に富を運んでくれる龍のようだ。

しかも飛人とはな……

お前は驚いた様子はなかったな。

知っていたのか?」


「核心はありませんでした。

ですが、私が聞いたことのない知識を持っていました。

その知識で小さい村に、

街でもまれに見ないほどの富を、

トルヴェール商会へと運んでくれています。

そしてその影響で村は発展し、

どんどん生活が良くなっています。」


「たしかにな。

しかもこの規模の村には不釣り合いなため池に、

子供の為の水場か……

なにより驚いたのがドドが、

この村に移住すると決めたことだ。」


「私もそこは驚きました。

ですが、移住に関しては、

私はそうなるだろうとは思っていました。」


「……その根拠はなんだ?」


「この村の雰囲気は、

他の町や村では感じたことがないものです。

心地がよく空気も何か落ち着く。

それはドドさんがこの村を一目見て気に入ったほどです。

それは父上も同じだと思っております。」


「うむ……

それはワシも確かに感じた。」


「私は……

この村がゼニスに残る歌の村ではないかと思っていました。」


「なに!?

お前、正気か?」


「父上、私は正気ですよ。

そして今日はっきりしました。

間違いないと思います。」


「さきほどのミノリという男か?」


「それもあります。

ですが決定的なのはロアさんです。」


「ロアか……」


「はい。

蒼鱗に入り、大陸中を回り、

どこにも根を張らなかった最古のエルフ。

それがこの村に来て、たった一日で、

孤児院を作り、

後ろ盾になるとまで言い切ったのですよ?」


「……確かにな……」


「そしてミノリさんのあの力です。

この村の雰囲気。

そこにミノリさんが住み着き、

根を張らず大陸を渡ってきたロアさんが後ろ盾になり、

根を張ろうとしている。

そんな偶然があり得るとは思えません。」


「確かにな……」

長い沈黙をはさみ話を続ける。

「よし、ガラム。

この村に移住する者を決めろ。

今後のローディスとの交易を任せるんだ。」


「わかりました。」


「ガラム。

これから忙しくなるぞ。」


「ええ、今後が楽しみです。」


「蒼鱗とのつながりも深めたい。

孤児院の件もしっかり頼むぞ。」


「お任せください。」


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