六章 十四話 お披露目
広場での片付けがほぼ終わり、
サウロ家の作業場での交易品の受け渡しを進めていた。
受け渡しが完了した後、
サウロ家の受け取り品の確認をしていた。
ルカは新しい薄生地の服と小さいノコギリやハンマーなどの
工具類に喜んでいた。
ソエルには新しい服と多様な彫刻刀が増えた。
その道具の一部をココちゃんに分けていた。
最初は遠慮していたココちゃんだったけど、
「これで一緒に作れるね。」
と言う、ルカとソエルの言葉を聞き、
笑顔で受け取っていた。
私たち大人用の夏物の服も三着ずつ届いた。
それと大きな寸胴鍋と包丁などの鉄製品もあった。
全ての受け取り品の確認を終えたあと、
今日担当をしていた商会の人が、
私とメリイを集会所へ来るようにと言ってきた。
「商会長がお呼びです。」との事だった。
最初はルカも行くと言っていたけど、
商会長という名前を聞き、
サウロさんとマローネさんが何とかなだめていた。
私はガラムさんと商会長との呼び出しに、
さっきとは状況が違う事を説明した。
何度も顔を合わせているガラムさんとは違う事。
一番偉い人の呼び出しに、
呼ばれた人以外が会いに行くのは、
失礼にあたると教えて、
何とか納得してもらった。
そして私はすぐに歩いて行こうと思った。
待たせるのはまずいと思ったからだ。
でもメリイはすぐに動こうとしていなかった。
歩こうとする私は、商会の人に止められた。
商会長自らの呼び出しなので馬車を用意している事。
これが町などでの礼儀だという事だった。
私はだからメリイは動かなかったのかと、
心で納得して馬車に乗り込んだ。
馬車は思った以上に揺れた。
この状態を何時間も乗っていると酔うんじゃないか?
と思うほどだった。
シエ村の地面は結構整っている方だと思っていたけど、
こんなに揺れるんだと思った……
集会所に着き、
ガランさんの部屋に案内された。
中にはガランさんの他にガラムさん。
ロアさんとそのPT。
鉄鎖の盾PTが待っていた。
そしてガランさんが口を開く。
「ミノリさん。
貴方の力を見せてほしい。」
その言葉が出たとたん、
メリイの雰囲気が変わったのに気が付いた。
そしてジークさんたちに視線を鋭く向ける。
「勘違いなさらないで下さい。
今後のミノリさん。
そしてこの村の為です。」
ロアさんの落ち着きのある声をかけてきた。
最初はメリイの警戒心は解けなかった。
けどロアさんの説明を聞いて、
そして私を見つめた。
「出来る範囲でやると決めた。
それは私がやるべきだと思う。
飛人である自分がやるべきこと……」
私は心で決めていたこと。
そして今まで自分では口にしなかった、
飛人であることを話した。
その言葉を聞き警戒を解いたメリイ。
またかという呆れたような顔をした。
「良いのか?」
その一言を私に確認するように聞いた。
私は無言でうなずき、
「一人でも助ける事が出来るなら、
やるべきだと思う。」
そう答えた。
「わかった……」
そうつぶやきそれ以降は黙って見守ってくれていた。
「それで、私は何を見せれば良いのでしょうか?」
ガランさんが話す。
「鉄鎖の盾、そしてロアにしたように、
蒼鱗三人の武具と、この一本の剣に、
君のクリエイトを使ってほしい。
ロアの言う様に有用なのか、
それを判断させてほしい。」
その声は厳格で目は鋭かった。
私はその目を見つめて口を開いた。
「分かりました。」
そう言って、テーブルの上に置かれた、
二本の剣
二本の杖
そして三枚の防具
私は一つずつしっかりイメージして、
【クリエイト】を使っていく。
剣には切れ味、硬度、軽量化、耐久性
杖には魔力上昇、消費魔力軽減、耐久性
そして服には、防刃、衝撃緩和、魔力障壁
をそれぞれ付与していった。
ロアさん以外の人たちは武具を受け取り、
驚きを隠せない様子だった。
とくにリーダーは目を輝かせて私を見ていた。
その後のガランさんは、
今まで感じた冷静なイメージが無くなっていた。
もっと出来ないか?
他の武具にも頼みたいと頼み込んできた。
私は対価が必要なこと。
それはお金ではどうしようもないこと。
そして無暗に人を傷付ける物に、
使う気は無いことを伝えた。
今回は孤児院の件があった。
そして私の力を理解してもらう必要もあった。
だから使った。
この力を商売に使う気は無いことを強く伝えた。
「商売に使う事は絶対にお勧めしない。」
ロアさんとガラムさん、鉄鎖の盾の説得もあって、
残念そうな顔をしながらも理解を示してくれた。
その後は孤児院の為の土地や建物の確保にすぐ動くこと。
その後シエ村との定期便を増やすことを確認した。
話し終えた私とメリイは部屋を出た。
疲れはない。
でも神経をすり減らしたような疲労感があった。
集会所を出ると後ろからロアさんが声をかけてきた。
そのすぐ後ろには蒼鱗のメンバーが立っていた。




