六章 十三話 外伝 ロア視点
本作をお読み頂きありがとうございます。
この話は外伝となっています。
本編の十三話が投稿されていますので、
ご理解ください。
お間違えのないようにお願いします。
ミノリさんが私の提案を受けてくれた。
これで私の目的が叶うかもしれない。
遠い過去に、
私を救ってくれた人の夢。
子供の為の平和な世界……
それは誰もが夢見る世界。
そして誰もが理解している、不可能な世界。
現実とは残酷だ。
それは長命種である私には理解出来ている。
それでも諦められなかった。
現実を前に忘れかけた夢。
それを現実になしえそうな存在に出会えた。
街道からそれた村の中で見つけた。
神の名を知る人種。
飛人……
懐かしい雰囲気と魔力をまとい、
心から子供を大事にしているように見えた。
それは過去に確かに見ていた忘れた夢を、
思い出させてくれた。
そして安心できる雰囲気を感じる場所。
人と場所。
私が本当に安心して任せたいと思える場所をとうとう見つけたんだ。
この場所とミノリさんとその周りの人達に委ねたいと、
心からそう思っていた……
相談が終わり食堂に戻るとリーダーが声をかけてきた。
「ねえ、さっき来ていた男。
何で変質しているの?
貴方は何か知ってるわよね?」
「変質?違うわ成長よ。
もともと持っていたものが成長したのよ。」
「成長?」
「ええ、魔力の暴走に耐えて成長したの。
変質とは違うわ。
あの男は落ちる前に成長を果たし、
何も変わることなく、その力が表に出ただけ。
貴方が言った変質は、
隠れていたものが成長したことで、
前面に表に出ただけ。」
「普通の村人が、
いきなり金ランクに届くほどの魔力成長をしたと、
貴方は本気で言ってる?
竜種を倒したわけでも無いのに?」
「だって、事実だもの。
私の目の前で成長した。
それが現実。」
「へえ……面白いわね。
その男スカウト出来ないかしら。」
「それは駄目。
あの男にはやってもらう事がある。」
「……そう、とうとう見つけたって事かしら……」
「ええ。私はあの男に任せようと思う。」
「貴方がそういうのなら、
私が口をはさむことではないわね。
でも大丈夫?
人種よね。
確かに魔力に濁りはないし、
魔力も増えていたから大きな問題はないとは思うけど……」
「私はそう判断した。
あの男が無理なら、多分他の人種でも無理。
だってあの男は飛人だもの……」
「「「は???」」」
黙って聞いていた他のメンバーも声を上げた。
「冗談じゃないんだな……」
「私が飛人の事で冗談を言うと思う?」
「いや、すまない。
確かにその通りだ。」
「それでね、貴方たちにもお願いがあるの。」
「なに?」
「陰から後ろ盾になって欲しいの。
正直私一人では貴族相手は面倒だし、
難しい部分もあるの。」
「私はそこまであの男を信用していないんだがな……」
「一度話すと良いわよ。
貴方ならすぐにわかってくれると思うわ。」
「わかったわ。
接触してみよう。
話はそれからだ。」
「ありがとう。
それで良いわ。」
(さて忙しくなるわよ……
ミノリさんの大役。
大変でしょうけど、きっとうまくいく。
そんな気がする。
だってあの子がいる。
私の結界をすり抜ける子。
そして回りを見守る子たち。
きっとイルミナ様の導きでしょうね。)




