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六章 十三話 提案を受けて

ロアさんとガラムさんの話を受けて、

私はトトさんの事を思い浮かべていた。

トトさんは、

以前ガラムさんに助力を求めるべきだと言っていた。


そして今日…

ロアさんの提案を受けて、

トトさんのその助言が現実になり、

私の役割が大きくなったことを実感していた。


孤児院……

それは子供を保護するべき場所。

それを私が……


もう私一人では不可能だと思った。

トトさんには申し訳ないけど、

相談をすることを決意した。


集会所を出てからルカはずっと私の手を握ってくれていた。

私の中で大きな責任感で押しつぶされそうな気持がある。

でも、ルカが居る事で何故か落ち着いたままで居る事が出来た。


広場へと足を運び、

片付け作業をしているトトさんを見つけて声をかけた。

そして水場の祠前で話をした。


「トトさん。

ガラムさんと話をしました。

正確には今回来ていた、

ロアさんという冒険者からの話ですが……」

近くの町にガランさんの商会の支店を作る事。

ロアさん主体で孤児院を作る事。

この村にもその孤児院を作る事。

さっき相談した内容をすべて話した。


ルカの手を握る手にかすかに力がこもる。

ルカは黙って握り返してくれた。


私の言葉を黙って聞いてくれていたトトさんは

全てを聞いた後、静かに話した。


「お前は受けると決めたんじゃな?」

私は無言でうなずいた。


「お前が決めたんなら何も言わん。

お前はココの、イヤ、わしらの恩人じゃ。

お前が何かをなす時、

お前がワシらに助力を求めるなら力を貸す。」

その言葉に心強い気持ちになった。


「ありがとうございます。」


「しかしのう……

孤児院となると場所も必要になってくるじゃろう?

流石にこの村の中に作るのは現実的ではないのう。」


その言葉にルカが反応をしめした。

不安そうな顔で私に声をかけてきた。

「おにいちゃん。

孤児院って村に作れないの?

おにいちゃん、村を出ちゃうの?」


私はルカの視線に合わせて膝をついた。

そして私の素直な気持ちを話した。

「私は村を出る気はないよ。

ルカと離れ離れは嫌だからね。

私の中でこの村が…ルカが一番なんだ。

だから離れるという考えは無いよ。

ただ村の中に孤児院を作るのは確かに難しいと思う。

でも村の近くに作るのなら問題はないと思う。

何時でも会える距離に作れば良いんだ。」


その言葉に安心したのか、ルカに笑顔が戻った。


「ワシも賛成じゃ。

正直、今の村の雰囲気は守りたい。

いや、守るべきじゃ。

じゃからワシも工房を外に作ると決めとる。

そうなると場所じゃが……」


「さすがにそこまでの事を、

私だけでは判断できないですね。

商隊が出発後落ち着いたころに、

村長に相談しようと思います。」


「うむ…それがよかろう。」


こうして、トトさんとの話も落ち着いて、

私のやるべき事が少しづつ動き出そうとしていた。



――ロア

ミノリが提案を受け入れたことで、

ロアの中で今後のやるべきことが決まった。


孤児院の子供たちが少しでも楽に、

そして安全になるように、

その為の資金を稼ぐ。


ロアは護衛任務が終了次第、

貯金をトルヴェール商会へ移管する事も決めた。


ロアの提案を受け入れたガラムと、

不安を感じながらも、

それでも受け入れる決断をしたミノリの為に、

出来るだけの支援をすると心に誓っていた。

本作をお読みいただき、ありがとうございます。


同日12時に外伝を予約しています。


興味のある方は、読んで頂けるとうれしいです。

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