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六章 八話 外伝

この話は本日二話目の外伝の投稿になります。

お間違えの無いようにお願いします。


――メリイ視点

ルカとソエルがトトさん家族を案内していた。

普段石工以外との交流はないらしいトトさんは、

この村の木工技術を、

ガラムが気に入ってる理由が分かったと、

呟いているのが印象に残った。


そして集会所の前では、

マローネさんとアニスさんが忙しそうに働いていた。


村の南門には冒険者が集まっていた。

その中に見慣れたメンバーが居た。

鉄鎖の盾のメンバーだった。


「よう、メリイ。

久しぶりだな。」

PTリーダーであるジークが手を挙げて私に声をかけてきた。

私は無言で手を上げ踵を返した。


「のう、メリイ。

村の中は安心じゃ。

ワシもカカもククもその辺の冒険者に負けん。

ワシらなら子を守れる。

久しぶりに知り合いと会話をしても良いと思うぞ。

外の話もお前の為になるじゃろうし、

村の為にもなるかも知れんぞ?」


「わかった……」

メリイはルカとソエルに目線を合わせて声をかける

「ルカ、ソエル。

私は少し昔の仲間と話してくる。

トトさんたちの案内をしっかり頼むぞ。」


「うん、分かった。」

「わかった。メリイねえ、いってらっしゃい。」

二人の笑顔を見て、私も自然と笑みを浮かべた。


「お、戻ってきたな。」

「お久しぶりメリイ、元気だった?」

「元気そうだ……」


「ジーク、フィオナ、カイル、久しぶり。

そして……」

見知らぬ顔に視線を合わせて声をかける。


「初めまして。私はナナリと言います。

一応金ランクです。

メリイさんですね、お噂はかねがね…」


「メリイだ。」


「それでメリイ。

もう村にはなじめたか?」


「ああ…サウロ家に世話になっているが、

皆良い人たちだ。

村の人も皆な……」

ふいにソエルやルカの顔が浮かんで、

自然と顔が緩んだのに気が付いた。


「あら、その顔なら安心だわ。

貴方少しお堅いから……」

そういって茶化すように話すフィオナに目を細める。


「それは関係ない。」


「まーでも良かった。

フィオナの言う様にお前は少し硬いからな。

馴染めたようで安心したぞ。」


「お前たちこそどうなんだ?」


「順調さ。

今や俺たちも金ランクだ。

そのお陰でナナリも加入してくれた。」


「私は鉄鎖の盾が金ランクになる前から興味がありました。

地竜の盗伐は有名ですからね。

私の魔法では魔鱗を割れなかったのを、

今でも忘れませんから。」


「魔鱗を割るには物理を乗せないと割りにくいだろう?

仕方がないんじゃないか?」


私の言葉を聞いてさらに語る。

「それはそうですね。

でも私は割れると思っていたんですよ。

思いあがっていたのです。

今は反省をして鉄鎖の盾に入れて貰って感謝しています。

お陰で私も成長をする事が出来ていますから。」


「そうか。

次はいけそうか?」


「おそらくは……

次は失敗しないと思いますよ。」

その顔は自信に満ちていた。


その後は他愛のない話をした。

「じゃあ私はそろそろ行くよ。

皆、またな。」

そういって離れようとすると、

集会所からミノリが出てくる所だった……



――ガラム視点


ミノリが退出した後父親であるガランとガラムは話を続けていた。


「父上。

ミノリさんはどうでしたか?」


「あそこまで他人の事を考える人間は珍しいな。

それに面白い発想を持っている。

とくに子供の事に関しては飛びぬけているだろうな。

竹とんぼに絵文字板、挙句はこのピン倒しだ。

それだけじゃない。

あの男、商売にも精通しているぞ。」


「私も同じ認識です。

ただし、抜けている所も確かにあります。」


「鉄の件か……」


「はい。

しかしその抜けた部分はどこか常識を理解していないような、

そんな気がします。

あのものの常識の中では当たり前のことが、

何故か通用しないようなそんな感じです。」


「そうか…

しかしお前の気持ちが今なら理解できる。

あの男は今後も何か作り出す可能性がある。」


「それは間違いないかと。

この村に来て数か月のはずです。

ですがすでに数多くの物を作り上げて、

村への貢献度もはかり知れません。

むろん私たちも同様ですが……」


「そうだな。

木吊り台はいまだに売れ続けている。

値段は高くないが竹とんぼや絵文字板も同様だ。

そして次のピン倒し。

これは子供のみならず大人でも楽しめる。

竹とんぼ以上の売り上げが見込めるだろう。

ただ一つ残念なのは独占契約にならなかった事か…」


「そこは徹底したいと思います。

あの男の機嫌を損ねて今後の取引に影響は与えたくありません。」


「むろんそのとおりだ。

その為なら私の名前を使う事も許す。」


「ありがとうございます。」


「それと、今後この村との交易を最重要にするように。

その為に私も協力をしよう。

あと……お前が言っていた支店の計画も進めて良いぞ。

今ならお前の気持ちも理解できる。

この村には価値がある。

そして守る必要性もな。

とくにミノリという男。

あれは他に渡したくはない。

あれは純粋すぎる。

今後、悪意は出来るだけ近寄らせたくない。

自由にしてもらい、

自由に何かを作ってもらいたい。」


「父上……

私も同じ気持ちですよ。」


「そうだな。

お前は誰よりも先に気が付き、

それを実行してきた。

お前は私の誇りだ。」

その言葉には商人としての裏も表もない。

純粋な父親としての気持ちがこもっていた。


「ありがとうございます。」

その言葉は私にとって何よりの褒美になった。



――ロア視点


他のメンバーは村の外の警戒。

私は村の中を歩き回っていた。


交易市の活気で静かな村がにぎわっている。

(今度、普段の村も見てみたいわね。

滝の向こうにも興味はあるけど、

この村の普段の様子も是非見たいわね…)


活気に満ちた村を見るのも良いけど、

普段の様子にも興味がわいていた。


広場には笑顔が満ちていた。

周りの子も嬉しそうだ。


ひときわ集まる場所があった。

そこには数メートルほどの水たまりがあった。


その周りには、神聖な魔力を感じた。

よく感じ取ると、水の底からも同じように神聖な魔力が感じられた。


私は暫く眺めた後その場を後にした。

そこへ不思議な魔力を感じた。

台車を引いた男とドワーフ、

そして子供たちが歩いてきた。


その男が水たまりの横に台車を止め、

何かを設置し始めた。

それを見た私は目を見開いた。

水たまりにあった神聖な魔力を感じる祠そして像。

それを設置した瞬間にその水まで反応をしめしていた。

その懐かしく神聖な魔力を感じ、

私は暫く呆然として見ていた。


男たちが去り、私は再びその水たまりへと足をはこんだ。

そして設置された祠を見て驚愕した。

その中には三体の像。

その中には一つの女性の像。


自然にあふれる涙は気にならなかった……

昨日、感じた私の直感に確信が持てた。

私は来るべくしてこの村に来たんだと……

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