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五章 五話 サウロ家とトト家の分担

翌日は良い天気になった。

寒いけど日は出ていて、少し気持ちが良い日となった。


今日は作業日和となり、ため池作りを再開する事にした。

ため池に到着すると、メリイはトトさんを呼びに

走ってくれた……

ココちゃんを迎えに来てもらうためだ。


しばらくため池の状況を見ながら話をしていると、

トトさんが足早にこちらに向かってきた。


トト「おはよう。皆。」

トトさんが腰に剣、右手に角スコップを担ぎ、

左手には見慣れない、コの字型の溝スコップを持って、

挨拶をしてくる。


私たちも皆で挨拶をかわすと、

早速本題に入った。


トト「話は聞いた。

ココがワシと一緒に水路を作ると言ったんじゃな?」

とココを見ながら聞いてくる。


ココ「そう。ため池、サウロ…さん家で作る。

水路、私たち、作る。」

と自分で考えた分担を提案してきた。


子供ながら、鍛冶場で作業をしていた経験だろうか。

分担の大事さも理解しているようだった。

サウロさんとマローネさんも私同様に、

笑顔になりながらも感心した様子でその話を聞いていた。


トト「なるほどのう……

しかしココはいいんか?ワシと一緒で。」

と少し不安そうに聞いた。


ココ「何故?父と作業。嫌じゃない。

武器は嫌。作業は好き。父、母、一緒は楽しい。」

と首をコテンと傾けながら自分の気持ちを言った。


その言葉に少し目が潤んだトトさんは、

「そうか。それじゃあ、お願いしようかの。

ココ、カカ、一緒に水路を作ろうかの?」


そう言うとカカさんもココちゃんも無言でうなずいた。

そしてココちゃんは私たちへ話しかける。


ココ「私、父、母と一緒。水路作る。

ルカ、ソエル、ため池は任せた。」

とルカとソエルに真剣な目をして語りかけた。


ルカ「うん!ため池はボクたちに任せて。」


ソエル「水路。歩くの大変だと思うけど、がんばってね。

私たちもがんばるからね。」

ルカもソエルも笑顔でココちゃんに返事を返した。


子供たちが話しあっていると、

トトさんが私の元へ歩み寄って話しかけてきた。


トト「ミノリよ。水路はワシらがしっかりと作っていく。

ため池は任せたぞ。」

真剣な目で、だけど穏やかな雰囲気を出して、言ってきた。


「わかりました。水路はよろしくお願いします。

でも大丈夫ですか?

村から離れた場所ですよね?

カカさんとココちゃんが一緒で魔物が出たときが少し不安です。

メリイに護衛をお願いしましょうか?」

と少し気になってそう提案してみる。


トト「心配無用じゃ。

カカはワシより狩りに慣れておるし、

ココもそれなりに動けるぞ。」

と言ってきた。


ココちゃんは見た目以上に力があることは、

昨日見て、知っているけど、カカさんがトトさん以上に、

狩りが得意だということに驚いた……


そして視線をカカさんに向けると、

カカさんが教えてくれた。


「冬は男は籠って鉄を叩く。

私たちは料理をして待つ。

肉が足りなくなったら狩りもする。

それだけですよ。

難しいんですよ?寒い時期の狩りは。」

と笑顔を見せてくれた。


「そうなんですね。」

と私は純粋に感心するだけだった…


トト「では、行こうかの。

ではサウロ、マローネ、ルカ、ソエル。

暫く、ココを連れて行く。」


サウロ、マローネ「「お気をつけて。」」


ルカ「ココー。また後でねー。」

ソエル「ココ。がんばってね。また後でねー。」

とココちゃんに声をかけて、元気に手を振っていた。


ココちゃんも嬉しそうに返事を返す。

ココ「ルカ、ソエル、行ってくる。また後で…」

と手を挙げて、笑顔を見せてくれた。


トトさんの抱える溝スコップをココちゃんが受け取り、

カカさんは剣を預かった。

そうして二人がそれぞれ道具を手にすると、

トトさん達は水路を作る場所へ向かって歩き始めた。


奥へと向かったトトさん達の背中は、

何か嬉しそうな……そんな雰囲気に見えて、

私たちは自然とほほ笑んでいた。


サウロ「それじゃあ始めるか。」

と気を引き締める一声をかけると、

ルカとソエルも元気に、「「おー!」」

と、笑顔で答えていた。


私は今日もそこに雪の解けた水たまりが出来ていたので、

周囲の圧縮を繰り返していった。


いつも通り一時間作業をして、

休憩をはさむことを三度ほど続けた。

でも前回の様な疲れが出てきていないことに気が付いた。

私は試そうと思いサウロさんに、声をかける。


「サウロさん。私はまだ疲れが出ていないので、

もう一、二回、続けても構いませんか?」


サウロ「おい。無理するもんじゃないぞ?」

サウロさんは心配そうに声を返した。


マローネさんも心配そうにしながら、

「そうよ?無理は良くないわよ。」

と声をかけてくれる。


「いえ、私はスキルを成長させたいと思っているので、

むしろギリギリまで続けたいなと思っています。

今はルカもソエルも一緒ですし、

サウロさんやマローネさんも居ます。

この機会に少しでも伸ばそうかと…」


私の決意を込めた話を聞き、

サウロさん達は納得してくれたのか、

「わかった。」とただそれだけを言って、

頷いてくれた。


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