↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
102/139

五章 四話 ココちゃんの笑顔

ココちゃんが頑張ると決意をした翌日から数日間。

あいにくの雪で作業が出来なかった。

せっかくココちゃんが父親との溝を埋め、

一緒に作業をすると決意したのに……


私は少し残念に思いながらも、しっかり降り積もった雪に、

テンションが上がってしまい、数センチ積もった雪を使って、

雪だるまを作ろうとしていた。


ある程度の雪玉が出来たころショックなことに気が付いた。

ある程度大きくなると少し土が混じって、

綺麗な白が少し汚れた感じになったのだ。

それを見た私は、来年は時間があるときに広場の一部の地面を

圧縮で固めて雪が汚れないように工夫しようと思った。


結局今すぐにどうこうする訳にもいかず、

その汚れた雪玉を、少しがっかりしつつも、

一生懸命丸め固めていった。


ちなみに子供三人も私のやることを真似して

同じように雪を丸め大きくしていた。

寒い中、私は積もった雪を見るのが初めてで、

テンションが上がり切っていたけど、

子供達も負けず劣らず凄いテンションだった。


ルカ「んしょ…んしょ……

おにいちゃん!これたのしい!」

と丸めて転がすことを止めずに、声を上げる。


ソエル「私が一番大きいんだから、

私が一番大きく作る!」

と、身長のことだろう。自分が一番大きいからと、

雪だるまも大きくしようと奮闘している。


ココ「駄目。もの作りドワーフ得意。私が勝つ…」

ココちゃんはドワーフの意地なんだろうか?

ドワーフという種族を言いながら、

頑張っていた。


その何気ないやりとりが、

私の安心した気持ちと嬉しい気持ちを、

さらに強くしてくれる。


ソエル「じゃあ、三人で勝負ー。」

言葉は勝負でも、三人で同じものをそれぞれ作る。

そのことがうれしんだろう。

飛び跳ねながら二人に話した。


ルカ「おー!」

ソエルの嬉しそうな勝負という言葉を聞き、

片手をあげて声をあげた。


ココ「負けない…」

静かに真剣な顔をして呟いた。

ココちゃんは負けず嫌いなのかもしれない。


子供たちの間で微笑ましい勝負が始まった。

私はその様子が楽しくて、つい自分の手を止めて眺めていた。


少し離れた場所で、カカさんはすごく嬉しそうに目を細め、

メリイもまたソエルの必死さを見て、笑顔が浮かんでいた。


サウロさんがルカに「頑張れー!」と声をかけると、

ルカも「がんばるー!」と元気に返事をした。


マローネさんも「ソエルちゃん、転ばないように気をつけて頑張ってね。」

と声をかけていた。

その声にソエルも「うん!大丈夫。大きいの作ってマローネねえにあげる!」

と意気込んでいた。


カカさんはココちゃんに、「意地を見せなさい!」と応援していた。

ココ「任せる。」と笑顔を見せ、カカさんの声にこたえていた。


三人とも一生懸命。だけど、すごく楽しそうだ。

ココちゃんも決意したばかりで少し不安だったけど…

私が思う以上に強い子だな…

私も負けてられないか!

そう意気込んで止めた手を動かし始めた。


先に出来上がったのは私。

三人は雪玉を三つ重ねようと頑張っている分、

少し時間がかかっている様子だった。

そしてふとココちゃんを見ると普通の帽子が目に入った。


そういえばココちゃんにも耳帽子を作る約束をしたな…

そう思いだし、私は一人家へと戻った。

そして帽子の形を考える。

ソエルと一緒の方が嬉しいかな…

そう思い同じ帽子にしようと決め、

【クリエイト】を使いルカとソエルと同じ、耳帽子を作り出した。


帽子部分は目立たない普通のくすんだ茶色。

ただ、ルカの青とは違い、ソエルと同じ、ピンクのリボンを付けた。

耳はルカの柴犬の三角耳をイメージして、

ルカとソエルとお揃いの帽子が出来あがった。


そしてソエルと同じ作業手袋も作った。

どうせなら、作業手袋もお揃いが良いだろう。

ただ手袋にルカやソエルの様な模様を付けることが出来なかった。

理由はココちゃんは回復したばかり。

ハンマーを付けると、鍛冶仕事を思い出して、

どういう反応になるか不安だったからだ。

これは正直に話をして、ココちゃんに好きなものを聞いて、

そのマークを付けようと思った。


そうして作ったばかりの帽子と手袋を持ち、

外に出てココちゃんの元へ歩いた。

そして、ココちゃんに話しかける。


「ココちゃん。はい、これ。」

そう言って、帽子と手袋を差し出した。


ココ「これ……」


「うん。約束していたものだよ。

遅くなってごめんね。

手袋はソエルとお揃いの形と色にしたから、

気に入ってくれるとうれしい。

さあ、受け取って。

これは、ココちゃん専用のココちゃんだけのものだよ。」


私がそう言うと最初はとまどっていたココちゃんだけど、

カカさんの「貰っておきなさい。」という言葉を聞いて、

手を差し出して受け取ってくれた。

そして嬉しそうな笑顔を見せ「ありがとう。」と言ってくれた。

私はその言葉がすごくうれしかった。


かぶっていた帽子をカカさんに預けて、

耳帽子をかぶったココちゃんは、嬉しそうに耳の部分を触って、

感触を確かめた後、嬉しそうに雪だるま作りに戻っていった。


最初は私が帽子と手袋を渡している所を見て、

笑顔で見守っていたルカとソエルは、

ココちゃんが嬉しそうに受け取ったのを確認したあと、

嬉しそうに雪だるま作りを再開した。


その結果出来上がったのは四つの雪だるま。

一番小さいのがルカの雪だるま。

それでもすごい充実したような顔をして、

可愛い笑顔を浮かべてサウロさんに抱き着きながら興奮していた。


その次がソエル。

少し残念そうにしていたけど、

マローネさんが「ありがとうね、ソエルちゃん。」

と抱き上げて頬を合わせてあげると嬉しそうに、

ソエルもまた同じように頬をこするように甘えていた。


次が私。他の三人は三つの雪玉を重ねていたけど、

私は二個の球で作った。

三人と違って球が一個少ないけど、

私にはやっぱり、二個の方がしっくりきたからだ。


そして一番大きいのはココちゃんの雪だるま。

その大きさは私の身長と同じくらいになっていた。

驚いたのは頭と体の部分の二個を作った後、

一番大きな雪玉を作り、頭と体の部分を持ち上げて、

足の部分になる雪玉の上に積み上げたことだ。

あの小さい体にものすごい力を見せていた。


その作業はルカとソエルも大絶賛。

ルカが「ココ、すっごーい。」

と笑顔で喜んでいると、

ソエルもまた、「ココ、凄いよ。自分より高く出来るなんて。」

と笑顔で話しかけると、ココちゃんは嬉しそうに「うん。頑張った。」

と笑顔で返していた。


こうして出来上がった雪だるま四つをみんなで眺めていた。

その四つ並んだ雪だるまを見て、ルカが声を上げた。


ルカ「そうだ!今度さ、おとうさん、おかあさん、

おにいちゃん、ボク、ソエル、ココ、カカさんトトさん。

みんなの人形を木で作らない?

ソエルと一緒なら作れるかも!」

と言い出した。


ソエル「良いね!今度、作ろうか!

ココちゃんも作るでしょ?」

とその提案を聞き嬉しそうにココちゃんにも聞いている。


ココ「人形は作ったことない。」

と少し戸惑うように言った。


ソエル「大丈夫だよ!私と一緒だし、

私たちには、マローネねえってすごい木工細工師もいるんだから!

良いよね?マローネねえ!」

とマローネさんに笑顔を向けた。


マローネ「良いわね。私はもちろんいいわよ。

ココちゃんとの作業も楽しみだわ。

もちろん、ココちゃんが嫌じゃなければだけど、どうかしら?」

と優しい声で尋ねた。


その様子を見ていたココちゃんは少し考えた後、

「うん。お願いします。マローネ…さん。」

と少し遠慮しがちに返事を返した。


マローネさんはその返事を聞いて、嬉しそうに微笑んで、

「任せてちょうだい。

春になったら一緒に作りましょうね。

今度の春は楽しみねー。」

と心から待ち遠しい様子だった。


ココちゃんはその様子を見て、「私も楽しみ。」

と声を弾ませた。


そしてカカさんに向き直り、

「母。春が楽しみ。」

と心からわくわくした様子で話しかける。


カカ「そうね。楽しみね。」

と優しい笑顔でココちゃんを抱き上げた。


体が浮いた瞬間、少しわたわたとしたココちゃんだったけど、

「嬉しい…」と良い笑顔で呟いた……


その日の夕食は雪だるまと、ココちゃんの耳帽子の話しで、

いつも以上に盛り上がった食卓になった。


ココちゃんの笑顔が眩しくて、

私は、心から嬉しい、一日になった。

この話を書く上で三章十九話も少し修正しました。

物語に変更はありませんので、

そのままお読みいただける修正だと思います。

戻る必要なく読めると思います。


帽子自体は魔物の皮の色がほとんどで、

染色はまずされていないイメージです。

なのでミノリは色のついたリボンを取り付けることにしました。


染料を普段使えるほど、今のシエはまだまだですので、

そういう細かい設定も何とか文字として書くことにしました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。