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魔法世界の怪獣王国〜魔力ゼロで底辺奴隷だった僕ですが、自然の摂理を超越したマイペースな怪獣たちの王様になりました〜  作者: 同歩なり


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第23話 怪獣は即決する

「ブモモ!」「ブモオゥッ!」「ブモモモゥ!」「ブゥモモモッ!」


 目の前に巨大怪獣が四体も集まると、想像以上の迫力だった。

 その姿を見ていると、ピグモーたちだけでもエルフに勝てるような気がしてしまう。


 さっそく僕は、ピグモーたちに協力をお願いすることにした。


「じゃあリアナ、ピグモーたちにエルフを迎え撃つ件を念話で頼んでみて」

「了解、聞いてみるねー」


 リアナがピグモーに念話を送る。

 あっという間に、やりとりが終わった。


「OKだって。レグオン様と一緒に頑張るよって言ってるよー」

「あ、もうOKなの? 早いね。ピグモーから何か質問とかなかった?」


「ないよ。あと、怪獣の国のことも聞いてみるね」

「あ、うん。お願い」


 再び念話が始まり、またすぐに返事が返ってきた。


「楽しそうだし、OKだって」

「え、もうOKなの。軽いね。怪獣の国を創るって、それなりに大きな話だし、何か質問くらいあるでしょ?」

「ないよ」


 怪獣は僕の予想以上に細かいことを気にせず、即断即決だった。


 元々がモブで小物の僕とは大違いで、むしろ僕よりピグ太の方が王様に向いているのではないか、そう思うほどの器の大きさだ。


 それでも、あまりに即決すぎて、本当に理解しているのか不安になる。


「ねぇ、リアナ。ピグモーたちは国がなんなのかを理解してる? 聞いてみて」

「レオっちは、ピグモーたちを馬鹿にしてるなー。聞くのは良いけど、ピグモーたちだって、それぐらいはわかってると思うよー」


 リアナが念話を始めた。

 今度は少しだけやりとりが長い。


「レグオン様、国のことぐらい知ってるよ。エルフたちの真似だよねって、言ってるよ」

「エルフの真似!? ま、まあそうとも言えるかな……」


 エルフの真似とは、なかなか鋭い見解な気もする。

 その答えを言えるのであれば、とりあえずピグモーたちは、国というものを感覚的に理解しているのだろう。


「わかってるみたいだね。ごめんね、ピグモー。じゃあエルフたちが攻めてきたら、怪獣の国として応戦するから、ピグモーたちも一緒に頑張ってね、と伝えて」

「はーい」


 リアナが念話を送り、返事をもらう。


「レグオン様と一緒に怪獣の国のピグモーとして戦うよって。でね、ピグ太はエルフと戦ったことがあるから、自信満々みたいだよ」


 確かにピグ太は、エルフから村人を解放するとき、指示通りに頑張ってくれた。


「そっか、じゃあピグモーたちの隊長はピグ太に任せようかな」

「うん、それがいいよ」


 こうして、ピグ太を隊長とするピグモーたちが怪獣の国、最初の国民となり、エルフとの戦いに参加することが決まった。


「ブモモモモモモッッ!!」


 ピグ太が最後に大きな雄叫びをあげる。


 リアナによる念話がなくても、その気合いがひしひしと伝わってきた。



 ◇



 その翌日。

 今日はモフモフたちのところへ話しに行く。


「今日はモフモフのところね。いつもの切り株のところにいるかな」

「いると思うよ。モフモフたちに集まるように伝えてあるし」


 モフモフたちは、よく大きな切り株のところに集まっている。

 森の中にある開けた場所で、少し斜面になっていることもあり、陽当たりが良いからだろうか。

 初めてモフモフと会った時も、数体が集まっていた。


 森の中をリアナと一緒にしばらく歩く。

 僕らが切り株のところへ到着すると、そこにはモフモフパラダイスが広がっていた。

 辺り一面、モフモフしている。幸せな空間だ。


「すごくモフモフしてるね。何体いるのかな?」

「うーんと、数えてみるね。いち、にぃ、さん……あれ?」


 ぎっしり詰まっていて、一見しただけではどこからどこまでが一つの個体なのか分からない。

 リアナはモフモフと念話で点呼を取るように数え始めた。


「やっと数え終わったー、全員で十三体だったよ」

「ありがとう、リアナ。けっこう沢山いるね」


 モフモフが二桁に乗る十三体もいるとは思わなかった。

 四体集まったピグモーたちは強そうだったが、モフモフたちは十三体集まっても弱そうだ。

 可愛さだけがアップしている。


 そこで、戦闘力が必要になるエルフを迎え撃つ件は置いておき、まず怪獣の国を創ることをモフモフたちに伝える。


「まずは怪獣の国のことだけ、モフモフに伝えてみて」

「了解、レオっち。怪獣の国だけね」


 リアナがモフモフたちに念話を送る。

 しばらく待って、返事を聞く。


「モフモフたち全員、怪獣の国いいねって言ってるよ。元々モフモフは集まるのが好きだし、他の怪獣とも集まってみたいって感じだよ」


 確かにモフモフたちは、他の怪獣と違って、複数体で集まっていることが多い。

 おっとりしたモフモフの性格なら、どれだけ集まっても喧嘩にはならないだろうから、それも良いのだろう。


 これはますます、エルフを迎え撃つ件を話しづらくなってきた。


「うーん、どうしよう。このモフモフたちに戦ってもらうのもなぁ……」

「そだね、聞くの止めとく? でも仲間外れみたいかなー」


 僕とリアナが迷っていると、モフモフが何かを察したのか、リアナに念話で「どうしたの?」と質問をしてきた。

 隠しておくのもどうかと思ったので、エルフを迎え撃つ件も伝えてみる。


 それを聞いて、モフモフたちはやる気になった。

 僕としては、怪獣の国のために戦おうとしてくれるのは嬉しいのだが、心配だ。


「危ないから、くれぐれも単独行動はしないでね、と伝えておいて」

「そうだね、なるべく集まっていた方が安全だよね」


 すると、それをリアナから念話で伝えられたモフモフたちが一箇所に集まり始めた。

 どんどんギュッと集まり、最終的に一体の超巨大なモフモフになった。

 モフモフが合体した。


「えっ、合体した!? デカッ!」

「大っきいね、わたしも初めて見たよ!」


 珍しくリアナも驚いている。

 合体したモフモフは、それほどにレアな存在なのだろう。


「レオっち、モフモフたちは言われた通り、なるべく集まったみたいだよ。これなら大丈夫かな? って言ってるよ」

「うーん、大丈夫って言うか、人間の考える集まるとはスケールが違うね。さすが怪獣」


 さすが怪獣で済ませていいのかは分からないが、「単独行動しないように」と伝えた結果、合体して一体になるとは思わなかった。

 でも、これなら簡単にやられてしまうことはないだろう。


 ただ、少し大きすぎて苦しそうに見えたため、モフ美とモフ菜を中心に、二体の巨大なモフモフになってもらうことにした。

 こうして、七体合体のモフ美(特大)と、六体合体のモフ菜(大)が誕生した。


 ──と、その時だった。


 少し離れたところで、巨大な赤い炎が燃え上がった。

 まさか早くもエルフが攻めてきたのだろうか。


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