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魔法世界の怪獣王国〜魔力ゼロで底辺奴隷だった僕ですが、自然の摂理を超越したマイペースな怪獣たちの王様になりました〜  作者: 同歩なり


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第18話 抵抗勢力のリーダー(登場)

「ところで、エレナ。僕がいない間になにか問題でもあった?」


 銀細工のネックレスを身につけたエレナが僕の方へ振り返り、明るい表情のまま返事をする。


「はい、レオン様。問題というわけではないのですが、今、神聖エヴァリス王国に抵抗しているという人間のリーダーがやって来て、村を解放した怪獣に会いたいと待っているんです」


「えっ、そうなの?」

「はい、そうなんです。怪獣に会いたいと言って、今は私たちの家でレオン様を待っています」

「そうなんだー」


 なるほど、怪獣である僕を待っている人がいるのか。

 神聖エヴァリス王国への抵抗勢力、──これは図書館の係員が気にかけていた人間たちかな。

 そうだとすると、どんな用件だろうか。


「えっと、それで、用件は聞いたの?」

「いえ、まずは直接、怪獣に会わせて欲しいと言っています」


「ふーん、そうなんだ。で、待たせてるってことは、エレナから見て、危なそうな奴ではないってこと?」

「はい、礼儀正しい振る舞いでしたし、村人の反応を見ても良い人そうです」


 なるほど、エレナがそういうなら問題はなさそうか。

 先方の用件を聞いてみたいし、僕としても興味があるので会ってみることにする。


「そっか、じゃあ会ってみようかな。エレナとリアナも一緒に来てね」

「はい、もちろんです。レオン様」

「いいよー、レオっち」


 というわけで、抵抗勢力のリーダーと会うことにしたが、その前にエレナと神聖エヴァリス王国で得た情報を共有し、怪獣として人間と対峙するための打ち合わせをしておく。


「ちょっと緊張するね。直接、会いたいか……どんな感じで会えば良いと思う?」

「そうですね、とりあえずもっと威厳を出してみましょう。レオン様はいつも威厳がありませんし」

「そうだよ、レオっち。もっと王様っぽくしてみようよ」

「えっ、威厳? お、王様っぽく?」


 いきなり威厳がないとか言われるとは思わなかった。

 別に良いけれど。


 結局、そんな感じで小難しい話はなく、フワッとした雰囲気で打ち合わせは進み、


『もっと王様っぽくする』

『最初に怪獣形態を披露し、続いて獣人形態で会談する』

『頭のおかしい怪獣路線から、話のわかる怪獣路線へ変更する』

『レオンではなく怪獣レグオンを忘れずに名乗る(特にリアナはレオっちと呼ばないこと!)』


 ということになった。

 決まったことがこれだけなので、事前に打ち合わせをした意味がどれほどあったかはわからない。


「ま、困ったらこっそり念話も出来るし、なんとでもなるか」


 結論としては成るようになるということで、抵抗勢力のリーダーと会うために村へと向かうことにした。



 ◇◇◇



 僕らは深い森を出て、村へと向かう。


 村まで、あと少しのところになったので、僕は怪獣形態へ変身する。

 するといつものように、足を踏み出すたび大きな音が響き渡る。


 ズズーーーーンンン!! ズズーーーーーンンンッ!!


 周辺に響く僕のうるさい足音を聞いて、抵抗勢力のリーダーが姿を見せた。


 抵抗勢力のリーダーは少し離れたところから、体長およそ四十五メートルの巨体である僕を見上げ、ゴクリと息を飲んだ。


 僕も抵抗勢力のリーダーを見ようと視線を落とす。

 よく見ると。


 ……華奢な人だな。

 んん? 綺麗な赤髪で、可愛い人なのだが?

 もしかして女性なの?


 僕の想像に反して、抵抗勢力のリーダーはキリッとしながらも優しそうな美人さんだった。

 僕はてっきり中年のおっさんだと思っていたので、少しだけ動揺してエレナに念話で確認する。


『あれ? 相手は女性なの?』

『そうですよ、そういえば言ってませんでしたね。綺麗な方です』


 女性だからと言って、どうというわけではないのだが、先に言って欲しかった。

 おっさんと話しをするより、緊張してしまいそうだし。


 そうしているうちに、エレナが抵抗勢力のリーダーへと歩み寄り、声をかける。


「あちらの怪獣がレグオン様です」

「あの怪獣が……レグオン……殿」


 僕も挨拶をしたいが、怪獣形態では喋れないので、唸り声をあげておく。


「グオオオオオンッッ!!!」


 びっくりさせてしまうかなと思ったが、僕の唸り声にも抵抗勢力のリーダーは、身じろぎもしなかった。

 引き続き興味深そうに、怪獣形態の僕を見上げている。


 これは直接、怪獣に会いたいというだけの胆力があるようだ。


 さて、怪獣形態を披露したところで、僕は獣人形態へと変身をする。


 ボワンッ!


 僕が怪獣から獣人に変身したことに、今度は抵抗勢力のリーダーが少しだけ驚きの表情を見せた。

 いくら怪獣でも普通は変身などしないので、それはそう。


 僕は青髪の獣人二メートル十センチの姿で、抵抗勢力のリーダーへと歩み寄る。


 とりあえず外では話しづらいということで、エレナの促しにより、村の外れにあるエレナとリアナが所有する一軒家で、会談をすることにした。

 元々はエルフの管理官が住んでいた立派な家なので、ソファーがあるなど良い感じの応接室があり、そこを使う。


 応接室にて、第一声は僕からだ。


「我は怪獣レグオンである……。我に何用か?」


 王様っぽく威厳がありそうかなと思って、一人称は『我』にしてみた。

 そして、そんな普段と違う僕の佇まいを見て、隣に座っているリアナが笑いを堪えている。

 王様っぽくと言ったのはリアナなのに、なんなのか。


 いや、そんなことより、抵抗勢力のリーダーからの話しの方が重要だ。

 僕は抵抗勢力のリーダーからの返答に集中する。


「怪獣レグオン殿にお会いできて光栄です。私は神聖エヴァリス王国に抵抗する勢力のリーダーを務めているエリシアと申します」


 名前はエリシアさんというのか。

 今は獣人の姿とはいえ、さっきまで巨大怪獣だった僕をすぐ目の前にして落ち着ている。

 怪獣形態の時にも思ったが、さすがは抵抗勢力のリーダーと言えるだろう。


 そんな度胸の据わったエリシアさんの話が続く。


「私は最近、人間の村を解放したという怪獣の噂を聞き、どのような存在なのかを見定めにやってまいりました。ただの頭のおかしい怪獣が暴れているだけなのか、どうなのかと。まさか獣人に変身できる、こんなにお話しのできる方だとは思いませんでした」


 エリシアさん、僕を目の前にして『頭のおかしい怪獣』と口に出してしまうとは、本当に度胸が据わっている。もしくは天然なのか。


 それはともかく、とりあえず頭のおかしい怪獣路線から話のわかる怪獣路線への変更はうまくいっている。


 これは僕に何らかの要請をしてくる流れだろうか。

 確認してみよう。


「うむ、それで直接、我と話しをして、貴殿としてはどうしたい?」

「はい、どれほどの強さなのか、お手合わせをお願いします」


 えっ!? お手合わせ!?

 いや、エリシアさん、度胸満点というか、脳筋なのか!?


 この流れは、今からエリシアさんと勝負しないといけないのか。


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