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癌の告知を受けたなら  作者: もちづき裕
告知を受けてから1年と3ヶ月が過ぎまして
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第三話  血管がないんです

短期連載になります!! よろしくお願いします!!

 造影CT、それは造影剤を入れながらCTを行うということ。

 造影剤を何処から入れるって?

 腕の血管に針を入れて点滴と繋ぎ、検査を行う際に造影剤を流していくということになるのですが・・

「すみません、血管がないんです」

 私はCT室の看護師さんに言いました。

「本当に! 血管がないんです!」


 昨年の九月から十二月までの間に抗がん剤を6クール行った私ですが、本当に、驚くほどに、血管が見えなくなってしまったんです。

 採血を行ったことがある人ならわかると思うのですが、肘の内側、正中の部分に太めの血管が流れておりまして、大概、こちらから針を穿刺して採血をするのなんですが、抗がん剤が終わった頃にはすっかり正中の血管なんてものは見えなくなってしまったんですね。


 あんなにはっきり見えていたあいつが、右も左もすっかり奥に引っ込んでしまったようで! しかも何度も何度も刺すものだからすっかり弱りきったアイツは痩せて細くなってしまったようで、

「どこ? どこなの? どこに行ったの?」 

 状態になってしまったんです。あいつだけは見えていたはずなのに! 何故! どうして? と思うんですけどこれ、抗がん剤治療患者あるあるらしいです。


「わかりました、それじゃあとりあえず見せてくださいね〜!」

 まずは右から(この前の採血では右から何とか採血できたので)見てもらったのですが、

「うー〜ん」

 今日のあいつは本当にどっかに行ってしまったようです。

「あの、それじゃあ左の方も見てみますか?」

「左を見ても良いですか?」

 そこで左も見てもらったのですが、

「うー〜ん」

 ですよね、わかります。本当に出て来ないんです。


 そこで腕を下ろしてグーパー、グーパー、左右でやったところ、

「左の方の奥の方に一本! 見つけました!」

 ようやっと見つけられた血管! だけれども!

「ちょっとこのままの状態で刺しますね!」

 採血用腕枕の上に置くでもなく、左手を下におろしたままの状態で針を入れたのは初めてのことですが、

「入りました! 奥に立派な血管がありました!」

「はあ〜、本当に良かったです〜!」

 針を入れるだけで本当に大変で、本当にご迷惑をおかけします!


 MRIの時には金属を身に付けたら絶対に! 絶対に駄目! なのですが、CTの際にも金属は画像に映り込んでしまうので駄目なので、ゴムのズボン、ゴムのパンツ、ノンワイヤーブラジャーと、Tシャツ(勿論金属なし)で挑んだ私は無事に造影CTを終了。


 前に医大で造影CTをした時にはそんなことは言われなかったのですが、

「薬剤を入れた時に体がじわっと熱くなるのと同時に、尿を漏らしてしまったような感覚があると思うのですが、実際には漏れてはいないので大丈夫ですよ!」

 と、今回は言われることになりまして、

「・・!・・!!」

 いや、本当に漏らしたか? と思うような感覚があったんですね!

 そんな感覚もすぐに引っ込んだんですが、入れている薬剤の違いですかね?

「造影CT、実は奥が深いわ〜」

 と、思った次第です。


 ちなみに一月に撮影した時にはズボンの腰紐の先に金属がついていて、なんてこった状態となりまして、ズボンを半分下ろした状態で上からバスタオルをかけて撮影。前回の経験を活かして今回はノン金属で挑みました!


 こうして造影CTを行った私は五日後に内科を受診。

 造影CTを撮ってみましたけど、これなら大丈夫そうですね〜。

 そんな言葉が返って来ると思っていたんですよ。

 超絶、軽く考えて受診をすることになったのですが・・

「もちづきさん、検査の結果ですけどね、こことここの部分を見てください。副腎の先端部分が二箇所とも同様に白くなっているわけですが、これは線維腫になりますね」

 はあー〜、線維腫て?

 先生は画像を拡大しながら言いました。

「これは典型的な線維腫ですね、ここの二箇所の白い部分がそうです」

 はあー〜、だから線維腫て?


 副腎線維腫というのは副腎の線維芽細胞から発生する良性の腫瘍であり、自覚症状がないため人間ドックや、他の病気の精査のために行ったCT検査やMRI検査などで偶然発見されるケースがほとんど。報告数は極めて少ないというのはネットに書いてあったことですけれども・・


「あ、これは良性なんで良いんです」

「はあ、良性だから良いんですか」

「問題は膵臓なんだけどね」

 はあ? 問題は膵臓?

「膵臓のここの部分。小さな白い丸が見えるでしょう? これね、水が溜まって写る膵嚢胞だと思うんだけどね」

「はあ、膵嚢胞ですか」

「それじゃあ、今後の治療方針とか決めるためにもMRIの検査を入れようか?」

「えーっと、あの、その、一つ質問があるんですけど」


 私は勇気を振り絞って質問しましたよ。

「私は昨年、癌の告知を受けて手術と抗がん剤治療を受けているんですけども・・まさかの転移?」

「ああ! そうじゃない! そうじゃない! 子宮癌で転移が多いのは肝臓と肺になるんだけど、このCTの結果を見ても肝臓は綺麗! とっても綺麗だからね! 若干脂肪肝? みたいなところもあるけど、全然問題ないから!」

「はあ〜」

「肺の方はね、医大の方で診ているだろうから大丈夫だと思うんだけどね!」

「肺ですか? 肺のレントゲンを撮ったのは昨年、手術前に撮影したのが最後ですけれども」

「うーん、それじゃあ、主治医の先生に訊いてみてもいいかもね!」

「はあ、はあ」

「それで膵臓なんだけど」

「あの、その膵臓なんですけど、それってシリアスな話になるんですかね?」

「シリアス?」


 一瞬、先生と目と目を見合わせたのですが、

「いや、シリアスじゃない! 全然シリアスじゃないから!」

 そこで先生はハハハッと笑うと、

「MRI、いつ予約取れそう?」

 と、後ろを振り返りながら尋ねております。




癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。

癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、

二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!

もし宜しければ

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