表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第1章「崩壊する日常編」
PR
8/11

第8話「第零開発室」

ドン!!


ドン!!


ドン!!


非常扉が激しく揺れる。


「時間がない!」


ジェイクが扉を押さえながら叫ぶ。


暴走ロボットは鋼鉄製の扉を少しずつ破壊していた。


ルーカスは認証装置の前に立つ。


「これ、どうすれば……」


装置には手形のマークが表示されていた。


ミリアが言う。


「手を置いてみて!」


ルーカスは右手を装置に当てる。


ピッ──。


【認証開始】


【照合中……】


数秒の沈黙。


三人は息をのんだ。


【認証成功】


【登録者:ルーカス・レイン】


【第零開発室を解放します】


ゴゴゴゴゴ……


分厚いシャッターがゆっくりと開いていく。


同時に、研究室内の照明が次々と点灯した。


「これが……」


ルーカスたちは部屋の中へ入る。


そこは他の研究室とは違っていた。


壁一面に並ぶ設計図。


試作兵器。


壊れたロボットの装甲。


衝撃試験の記録。


そして中央には、大きな円形の装置が置かれている。


「父さんは……戦うための研究もしてたのか。」


ルーカスは信じられない表情を浮かべた。


ミリアは設計図を手に取る。


「違う。」


「え?」


「これは戦争のためじゃない。」


ミリアは設計図を見せる。


そこには、


『暴走ロボット制圧用装備』


と書かれていた。


「人間を守るために作られた装備よ。」


その時。


研究室のモニターが起動した。


ブゥゥン……


画面にはアレン・レインが映る。


『ここまで来たか、ルーカス。』


「父さん……!」


『ここは第零開発室。』


『もしこの部屋を開けたなら、地上はすでに安全ではないはずだ。』


アレンは静かに続ける。


『私は、人間がロボットと戦う日が来ないことを願っていた。』


『だが、その願いは叶わなかった。』


ルーカスは拳を握る。


『この部屋には、私が最後まで開発を続けていた装備がある。』


『だが、まだ完成していない。』


ジェイクが驚く。


「未完成?」


『性能は十分だ。』


『しかし、使用者への負担が大きい。』


『扱いを誤れば、自分自身も傷つく。』


映像が切り替わる。


研究室の奥にスポットライトが当たる。


そこにはガラスケースがあった。


ケースの中には、黒い一対のグローブ。


無駄のないデザイン。


手首には青い発光ラインが走っている。


「これが……」


ルーカスは思わず近づく。


ガラスケースには名前が刻まれていた。


BREAKERブレイカー


アレンの映像が再び映る。


『ルーカス。』


『今のお前には、まだ使ってほしくない。』


三人は顔を見合わせる。


『恐怖を知らずに振るう力は、ただの暴力になる。』


『だが、大切なものを守る覚悟ができた時――』


『その時、このブレイカーはお前の力になる。』


映像はそこで終わった。


「父さん……」


ルーカスはガラスケースを見つめる。


まだ手は伸ばさない。


自分には戦う覚悟がない。


そう感じていたからだ。


その時だった。


ドゴォォン!!


研究室全体が大きく揺れる。


「まずい!」


ジェイクが叫ぶ。


「扉が!」


非常扉がついに破壊される。


煙の向こうから、赤い光が四つ現れた。


『対象を確認。』


『排除します。』


四体の暴走ロボットが、第零開発室へ侵入した。


ルーカスはブレイカーを見る。


そしてロボットを見る。


まだ戦う覚悟はない。


それでも――


逃げ場は、もうなかった。


第8話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ