第55話「最後の一体」
大型ロボットの拳が振り下ろされる。
ルーカスは横へ飛んだ。
ドゴォン!
床が大きくへこむ。
「こいつ、さっきまでの奴らとは違う!」
大型ロボットが腕を振り回す。
ルーカスは後ろへ下がりながら攻撃をかわす。
ジェイクが横から飛び込んだ。
「ルーカス、足を狙う!」
「分かった!」
ジェイクの武器が大型ロボットの膝関節へ叩き込まれる。
ガキン!
わずかに動きが鈍る。
ルーカスがその隙に懐へ入り込んだ。
「ここだ!」
ブレイカーを腹部へ叩き込む。
ドン!
大型ロボットが後退する。
しかし、倒れない。
「硬すぎる……!」
ミリアが端末を操作しながら叫ぶ。
「胸の中央に動力装置がある!」
「そこまでどうやって行く!」
「脚を止めて!」
ジェイクが頷く。
「任せろ!」
大型ロボットがジェイクへ向かって突進する。
ジェイクはギリギリまで引きつけた。
「今だ!」
横へ飛ぶ。
大型ロボットの足が床へ落ちる。
ジェイクがその脚へ武器を叩き込む。
ガンッ!
関節が歪む。
大型ロボットの体勢が崩れた。
「ルーカス!」
「ああ!」
ルーカスが走る。
大型ロボットが腕を伸ばす。
だが、ミリアが電磁装置を起動した。
バチッ!
大型ロボットの動きが一瞬止まる。
「今!」
ルーカスが跳び上がった。
ブレイカーを振り下ろす。
ドゴォン!
胸部が大きくへこむ。
赤い光が点滅する。
【無効化処理 98%】
「あと少し!」
大型ロボットが再び動き出す。
ルーカスの腕を掴もうとする。
ジェイクが横から武器を叩き込んだ。
「させるか!」
腕が弾かれる。
ルーカスはそのまま胸部へ拳を突き込んだ。
バキッ!
内部から火花が飛び散る。
大型ロボットの赤い目が消えた。
ドン……。
巨体が床へ倒れる。
同時に、ミリアの端末から音が鳴った。
【無効化処理 完了】
ミリアが息を吐く。
「……終わった」
ルーカスが周囲を見る。
倒れているロボットたち。
「全部止まったのか?」
ミリアが確認する。
「中央システム上では、工場内の機体が停止状態になってる」
ジェイクが武器を下ろす。
「じゃあ、もう大丈夫か?」
「……たぶん」
ミリアの画面に、新しい表示が現れた。
【認証コード無効化】
その下に、別の表示。
【未接続機体:3】
ミリアの表情が変わる。
「……待って」
ルーカスが振り返る。
「どうした?」
「工場内の機体は32体だった。でも……」
ミリアが画面を見せる。
「3体だけ、システムから切り離されてる」
ジェイクが眉をひそめる。
「つまり?」
ミリアは画面を見つめた。
「この工場の外に出てる可能性がある」
三人の間に沈黙が落ちた。
そして遠くから、
ガシャ……。
かすかな機械音が響いた。
ルーカスがブレイカーを握り直す。
「……探すぞ」
第55話 完




