第5話「地下研究施設」
ドォォォン!!
再び大きな衝撃が家を揺らした。
天井から埃が落ちる。
「まずい!」
ジェイクが窓の外を見る。
二階建てほどの高さがある大型作業ロボット。
赤く光るセンサー。
ゆっくりとルーカスの家へ近づいてくる。
「家を探してるのか……?」
ルーカスが呟く。
ミリアは首を振った。
「分からない。でも、このままここにいたら危ない!」
再び轟音が響く。
ドゴォン!!
玄関の扉が吹き飛んだ。
「侵入してきた!」
ジェイクが叫ぶ。
ルーカスは父親の部屋にある端末を見る。
画面には一つだけ文字が表示されていた。
【地下研究区画】
【入口を解放します】
その瞬間、本棚がゆっくりと横へ動き始めた。
ゴゴゴゴ……
壁の奥から階段が現れる。
「地下だ!」
「急ごう!」
三人は迷わず階段を駆け下りた。
後ろではロボットが部屋へ侵入する音が響く。
ガシャン。
ガシャン。
ギィィ……
「早く閉まれ!」
ジェイクが叫ぶ。
全員が地下へ降りた瞬間、本棚が元の位置へ戻る。
ドン!!
ロボットの拳が本棚を叩く。
しかし隠し扉は開かなかった。
「助かった……」
ルーカスはその場に座り込む。
まだ心臓の鼓動が速い。
「危なかった……」
しばらく歩くと、長い通路の先に巨大な自動扉が見えた。
照明は消えていたが、ルーカスたちが近づくと自動で点灯する。
【生体認証】
【アレン・レイン登録】
【血縁者を確認】
【ルーカス・レイン】
【認証成功】
重厚な扉がゆっくり開いた。
ゴォォォ……
「すごい……」
ジェイクは思わず声を漏らす。
地下には巨大な研究施設が広がっていた。
何十台ものコンピューター。
整備中のロボット。
見たこともない機械。
そして壁一面に貼られた世界地図。
地図には何十もの赤い印が付けられている。
ミリアが近づく。
「これ……何の印?」
ルーカスも地図を見る。
日本だけではない。
世界中に印がある。
「父さんは何を調べてたんだ……」
その時だった。
施設全体に電源が入り始める。
ブゥゥゥン……
モニターが一斉に起動する。
画面には一つの文章。
【ようこそ】
【アレン・レイン個人研究施設へ】
三人は息を呑んだ。
父親は、この地下で何年も研究を続けていたのだ。
しかし、その時。
ピッ。
警告音が鳴る。
【警告】
【施設外周に敵性ロボットを確認】
【外壁への攻撃を検知】
ゴォン!!
また地上から衝撃が伝わる。
「まだ諦めてないのか……!」
ジェイクが拳を握る。
ルーカスは静かにモニターを見る。
父親は何を残したのか。
そして、この施設にはどんな秘密が眠っているのか。
その答えは、まだ誰も知らなかった。
⸻
第5話 完




